受けるか受けないかを決めるのはあなたです。このページは止めるためのものではありません。判断に必要な材料を、査読を経た論文と公開文書から集めて並べたものです。
まず、これだけ
ゼップバウンド
効能:肥満症/睡眠時無呼吸
マンジャロ
効能:2型糖尿病のみ
自由診療の「医療ダイエット」で出されるのは、多くの場合右側(糖尿病用の名前)です。中身は同じ成分ですが、左側にかかっている5つの条件が、右側にはかかりません。
選ぶと、その段階に必要なところだけを表示します。あとから全部表示できます。内容はすべて無料です。
5つの質問に答えると、公開されている承認情報との照合結果を表示します。受けるべきかどうかは判定しません。入力は保存しません。
「半年だけ使って痩せたい」と考えている方に、先に知ってほしいところです。8つの無作為化比較試験を統合したメタ解析があります。
やめると、セマグルチド/チルゼパチドでは平均 9.69kg 戻りました。
95%信頼区間は 5.78〜13.60kg。戻る量は、もともと減った量に比例していました。そして著者らは「生活習慣への介入の有無にかかわらず戻る」と結論しています。参加者は全員 BMI 27以上でした。
リラグルチドでは 2.20kg(95%信頼区間 1.69〜2.70kg)でした。
これを個別の試験で見ると、どういう形になるか。中止するかどうかをくじ引きで決めた試験があります。
丸が、論文に数値が示されている点です。点と点をつなぐ破線は、その間の推移を示すものではありません。
36週から88週までの変化は、続けた群 −5.5%、やめた群 +14.0%(差 −19.4%、95%信頼区間 −21.2〜−17.7、p<0.001)。減った体重の8割以上を保てたのは、続けた群で89.5%、やめた群では16.6%でした。
ここを読み違えやすい
「やめた群が +14.0%」は、体重が元より増えたという意味ではありません。36週の時点(すでに20.9%減っている)を起点にした変化です。0週から数えると、やめた群も最終的に −9.9% でした。
どこを起点にした数字かで、印象はまったく変わります。「◯%増えた/減った」を見たら、必ず「いつと比べて」を確かめてください。
これは「やめておけ」という話ではありません。「半年で終わるもの」ではない、と知ったうえで選ぶための情報です。続ける前提なら、費用も続きます。
1か月
18,000
円(中央値)
6か月
10.8
万円
1年
21.6
万円
5年
108
万円
増量すると単価は上がります。診察料・検査料・送料は含みません。
| どういう使い方か | どの薬か | 健康被害が起きたとき |
|---|---|---|
| 国が「肥満症の薬」として認めた使い方 承認内 | ゼップバウンド/ウゴービ | 医薬品副作用被害救済制度の対象になります(適正に使われていた場合) |
| 糖尿病の薬を、体重を落とす目的に転用した使い方 適応外 | マンジャロ/オゼンピック/リベルサス/ビクトーザ/トルリシティ/バイエッタ | 対象にならない場合があります |
| 日本で薬として認められていないものを取り寄せて使う使い方 未承認 | 国内未承認の痩身注射・内服 | 対象になりません |
現時点で日本において…GLP-1受容体作動薬及びGIP/GLP-1受容体作動薬については、2型糖尿病のみを効能・効果として製造販売承認を取得しているものであり、それ以外の目的で使用された場合の安全性及び有効性については確認されておりません。 ノボ ノルディスク ファーマ/アストラゼネカ/日本イーライリリー 連名「適正使用に関するお知らせ」2025年8月5日 原文引用・加工なし
日本人を対象にした無作為化比較試験があります。対象はBMI 27以上で健康障害を2つ以上持つ方(糖尿病の既往がある方は除外)、平均年齢50.8歳、開始時の平均体重は約92kg。参加者は全員が食事療法と週150分以上の運動を続け、72週間で計10回のカウンセリングを受けています。
| 72週後(薬なしとの差) | 10mg | 15mg |
|---|---|---|
| 体重変化率の差 | −16.1% [−18.7, −13.5] | −21.1% [−23.6, −18.5] |
| 5%以上減った人 | 94%(67/71) | 96%(73/76) |
| 同・薬なし群 | 20%(15/75) | |
ここを読み違えやすい
薬なし(プラセボ)の群でも 20% の人が5%以上減っています。そして体重も1.8%減っていました(厚生労働省のガイドラインに記載)。薬の働きは、この差の分です。
さらに、同じ試験の数値でも引用元によって少し違います。「5%以上減った人」は原著で96%(73/76)、厚生労働省のガイドラインでは96.9%(63/65)。欠測をどう扱うかの計算方法が違うためです。数字はひとつではありません。
海外ではどうか。糖尿病のない成人を対象に、15の無作為化比較試験(14,059人)を統合したネットワークメタ解析があります。もっとも体重が減ったのはチルゼパチドの最大耐用量、次いで15mg、10mg、セマグルチド2.4mg、チルゼパチド5mg、リラグルチド3mgの順でした。チルゼパチドとセマグルチドは有害事象のリスクがプラセボより高く、リラグルチドでは高くありませんでした。
| 試験に入れた条件 | 中身 |
|---|---|
| BMI | 27以上で肥満に関連する健康障害が2つ以上、または35以上で1つ以上 |
| 年齢 | 20歳以上(平均50.8歳) |
| 除外 | 糖尿病の既往がある方 |
| 前提 | 体重を減らす食事の取り組みに1回以上失敗している(自己申告) |
| 開始時の体重 | 平均 約92kg |
BMI 25未満の方は、この試験には入っていません。そして公開されている文献を検索した限り、BMI 25未満の方に痩身目的で投与した無作為化比較試験は見つかりませんでした(検索式と結果は下の「詳しく読む」に記載)。
ここを読み違えやすい
「−21%減った」という数字は、平均92kgで健康障害を2つ以上持つ方のものです。体重60kgで健康な方が同じように減るかどうかは、この試験からは言えません。
試験の数字を見るときは、まず「誰が対象だったか」を見てください。効果の大きさより先に見るべき情報です。
その症状が出た人の割合を「10人のうち何人か」に置き換えた図です。上段が薬を使った人(15mg)、下段が薬を使っていない人です。元の割合も併記しています。
便秘
薬 27.3% / 薬なし 6.7%
10人中 約3人 / 薬なし 約1人
吐き気
薬 23.4% / 薬なし 4.0%
10人中 約2人 / 薬なし 0〜1人
嘔吐
薬 11.7% / 薬なし 4.0%
10人中 約1人 / 薬なし 0人に近い
下痢
薬 9.1% / 薬なし 4.0%
10人中 約1人 / 薬なし 0人に近い
試験では 2.5mgから始めて、4週間ごとに2.5mgずつ増やす設計でした。胃腸の症状は、この増やしていく時期に問題になります。
試験のルールはこうでした。我慢できない胃腸の症状が出たら、1回だけ量を減らせる。減らしても続くなら中止する。実際に途中でやめた理由でいちばん多かったのが吐き気でした(15mg群で8人がやめ、そのうち4人が吐き気)。
つまり「我慢して続けるもの」ではありません。減らす・やめるという選択が、試験の設計そのものに入っています。自由診療で処方を受けている場合、この相談ができる相手がいるかどうかを、始める前に確かめてください。
処方した医療機関に連絡がつかない場合でも、受診をためらわないでください。判断に迷うときは #7119(救急安心センター事業・実施地域のみ) に相談できます。
「効いているのか分からない」「いつまで続けるのか」。承認された治療では、中止の判断基準が決まっています。自由診療でも、同じ物差しは使えます。
| いつ | 承認された治療で決められていること |
|---|---|
| 毎月 | 体重・血糖・血圧・脂質を確認する |
| 3〜4か月 | 改善傾向が認められない場合は、投与を中止する |
| その後 | 2〜3か月に1回以上、状態を観察し、効果が不十分になれば中止を検討する |
| 上限 | ウゴービ(セマグルチド)は最大68週間(日本人での68週超の使用経験がないため) |
| 症状が強いとき | 1段階の減量を検討する。減らしても我慢できないなら中止する |
ここを読み違えやすい
体重が減ることと、健康になることは別のことです。体重は「代用指標」と呼ばれ、本当に知りたいこと(心臓や血管の病気が減るか、長生きするか)の代わりに測っているものです。
心血管の病気まで実際に調べた大規模な試験はいくつかありますが、それらは肥満と心血管疾患を持つ方が対象で、痩身目的の方が対象ではありません。「体重が減ったから健康になった」とは、そのままでは言えません。
長期のデータはどこまであるか。もっとも長いのは、心血管疾患と過体重・肥満を持つ糖尿病のない17,604人を追った試験の解析です。208週(4年)時点でセマグルチドは平均 −10.2%、プラセボは −1.5% でした。この試験では、BMIの区分が低いほど、薬をやめた人の割合が多くなっていました。
4年より先のデータは、公開されている範囲では見つかりませんでした。また、この試験の対象は心血管疾患のある方であり、痩身目的の方とは違います。
やめたあと戻ってしまった、食欲が抑えられない。それはあなただけではありません。数字があります。
| 試験が終わったあと | 割合 |
|---|---|
| 食欲のコントロールがうまくいかなくなった | 65.5% |
| 運動・身体活動の変化を維持できなかった | 44.8% |
| 食行動の変化は維持できた | 51.7% |
| 薬物療法を続けたいと答えた(試験中) | 75.9% |
著者らは、この結果から「肥満症のある人に情報を届け、適切な医療につなぐ必要が満たされていない」と述べています。
ここを読み違えやすい
この数字はインタビュー29人のものです。比べる相手(薬を使わなかった群)がなく、参加した人は試験を最後まで続けられた人に偏っています。日本人全体の割合ではありません。
それでも載せているのは、「やめた後の日本人のデータ」がこれ以外にほとんど無いからです。エビデンスのレベルが低いことを承知のうえで、無いよりは知っておくほうがよい、という判断です。レベルの低さごと書くのが、正直な出し方だと考えています。
丸ひとつが、ひとつの医療機関の公開ページです。同じ価格帯に何院あるかを、積み上げた高さで表しています。医療機関名は出していません。
いちばん安いのは9,900円、いちばん高いのは5万5千円。5倍以上の開きがあります。36件は9,900〜24,200円に収まり、そこから離れた3件が右端です。
観測数
39
件
中央値
18,000
円
半数がこの範囲
16,000
–20,000
円(四分位)
25千円を超えた
3
件
診察料、検査料、送料、税込・税抜、初回割引、定期条件は統一されていません。総治療費でも最安値でもありません。検索で得た標本のため、全国の割合には一般化できません。
再検証で5件を除きました。「単位表示に確認が要る」「通常価格と期間限定価格が分離できない」といった記載があったものです。除く前は44件・中央値18,320円・最高95,200円でしたが、最高値のレコードは単位の読み違いの可能性がありました。また残る39件のうち少なくとも5件に初回割引やキャンペーンの記載があり、通常価格だけの分布ではありません。
ここを読み違えやすい
いちばん安い院が、いちばん説明が少ないわけではありませんでした。この44件で、価格と「適応外であることの明示・リスク表示・救済制度への言及」の3項目がそろっている度合いとの間に、はっきりした関係は見られませんでした。9,900円の院は3項目すべてを表示していました。
ただし44件の便宜標本なので、関係が「ない」と結論することもできません。言えるのは「安ければ危ない、高ければ安心、とは限らない」という程度です。値段だけで選ぶ材料にはならない、ということです。
いちばん安い院を知っても、そこに通えるとは限りません。地域も、予約の取りやすさも、自分に合うかも別の話です。
知って役に立つのは「自分の見積もりが、この分布のどこにあるか」です。提示された金額を入力すると、上のどのあたりに位置するかをお返しします(下の T2)。当サイトは特定の医療機関を推奨しません。掲載料も紹介料も受け取っていません。
ゼップバウンド/ウゴービ
マンジャロ等の痩身処方
薬代だけを並べると保険のほうが安く出ます。違うのは値段ではなく、通れる条件の厳しさです。自由診療は条件が緩い代わりに、条件が担っていた安全確認も外れます。
道 A
条件を満たす方へ → 探し方は次の節
道 B
条件を満たさない/待てない方へ
道 C
すぐには決めない方へ
このサイトは、どの道が正しいとは言いません。道Bを選ぶことも、受ける人の権利です。ただし、選ぶ前に上の3つを知っていたかどうかで、その後は大きく変わります。
15
県に 0 施設
日本肥満学会が認定した肥満症専門病院は全国83施設。32都道府県にあり、東京14・大阪9・福岡6に集中しています。15県には1施設もありません。
56%
28 / 50 件
オンライン診療での提供を表示していました。うち9件(18%)は全国対応。対面のみと見られる22件も、9都道府県に集中していました。
近くに保険で受けられる病院がなくても、自由診療なら今日オンラインで受けられます。
この差が、自由診療に流れる理由のひとつです。これは良い悪いの話ではなく、構造の話です。ただしオンラインのみの診察では、副作用が出たときにどこへ連絡するかを、始める前に確かめておく必要があります。
副作用で急に受診することになったとき、困るのは「どこへ行くか」ではありません。救急も内科も、どこにでもあります。困るのは、自分が何を使っているか説明できないことです。
| 受診したときに困ること | なぜ起きるか |
|---|---|
| 自分が何を使っているか説明できない | 「痩せる注射」としか聞いていない。製品名・一般名・用量・開始日を知らない |
| 処方元に連絡がつかない | オンライン処方で、夜間・休日の窓口がない |
| 受診先の医師が情報を持っていない | 自由診療の処方は、診療情報提供書もお薬手帳の記載もないことが多い |
この3つは、始める前の準備だけで解けます。下の内容を紙1枚にして、財布か手帳に入れておいてください。
受診時に見せるカード
目的 □ 肥満症の治療(承認内) □ 痩身目的(適応外) □ 未承認薬
埋まらない欄があったら
それが、診察で確認すべきことです。「製品名が分からない」「夜間の連絡先が分からない」— 埋められないこと自体が、あなたに足りない情報を教えてくれます。
このカードは印刷して、ご自身で書き込んでお持ちください。当サイトは記入内容を受け取りません。
「専門医に相談を」と言われても、どこにいるのか分からない。そのための一覧です。いずれも公的機関または学会が運営しており、当サイトとは関係がありません。
保険で受けられる施設を探す
国立国際医療研究センターが運営。日本糖尿病学会の認定教育施設と専門医を検索できます。
dmic.jihs.go.jp/medical/090/hospitalinfosearch.html契約・返金の相談
188
お近くの消費生活センターにつながります。高額な契約、解約できない、説明と違った、といった相談。
ゼップバウンドやウゴービを保険で処方できる施設は、要件が厳しいため限られています。近くにない場合もあります。要件は一次確認済み。施設数は未確認
出典:消費者庁「美容医療を受ける前に確認したいこと」 原文引用・加工なし
T1
上の確認事項を、持っていける1枚にまとめます。
個人情報は取りませんT2
提示された金額が、全国の分布のどこにあるかを返します。
契約前の方へT3
体重・費用・体調を記録し、同じ治療を受けた人の集計と並べます。
治療中・治療後の方へ広告も、記事も、このページも、数字を使います。数字は嘘をつきませんが、読み方で意味が変わります。知っておくと役に立つところを10個挙げます。
| # | こう読みがち | こう読むとよい |
|---|---|---|
| 1 | 「−22%減った」に目がいく | 薬なしの群も減っています。薬の働きは「差」の分です |
| 2 | 数字はひとつだと思う | 同じ試験でも計算方法で変わります。96%と96.9%、−13.2%と−13.4%が併存します |
| 3 | 自分にも当てはまると思う | まず「誰が対象だったか」を見ます。平均92kg・健康障害2つ以上の人の数字です |
| 4 | 参加者全員の数字だと思う | SURMOUNT-J は85%が最後まで続けた試験。途中でやめた人をどう数えるかで数字は動きます |
| 5 | 「リスク2倍」に驚く | 元がいくつかを見ます。0.1%が0.2%になるのも「2倍」です |
| 6 | 体重が減れば健康になると思う | 体重は「代用指標」です。病気が減るかを直接調べた試験は限られます |
| 7 | 「サブ解析でこう出た」を結論と思う | 後から行った解析(post hoc)は仮説です。事前に決めた項目かを見ます |
| 8 | 72週のデータで一生を語る | 公開されている最長は4年。その先は分かっていません |
| 9 | 施術前後の写真を証拠と思う | 比べる相手がいない観察は、効果の証拠になりません |
| 10 | どこがお金を出したかを見ない | 製薬企業が資金を出した試験か。論文には必ず書いてあります |
このページ自身について
このページの数値にも、上の10点は当てはまります。だからすべての数値に「原典」「エビデンスのレベル」「加工したかどうか」を表示しています。加工したものには、元の数字も併記しています。
おかしいと思ったら、原典のリンクから確かめてください。確かめられる形で出すことが、このサイトの役目です。
| 表示 | 研究デザイン | 何が言えるか |
|---|---|---|
| ★★★ | メタ解析/システマティックレビュー(RCTを統合) | 複数の試験を合わせた、いま時点でもっとも確からしい推定 |
| ★★☆ | 無作為化比較試験(RCT) | その効果が薬によるものだと言える |
| ★★☆(副) | RCTの事前規定サブ解析 | 主要な結論に準じる。ただし対象が絞られる |
| ★☆☆ | RCTの事後解析(post hoc)、前向きコホート研究 | 仮説の提示。関連は言えるが原因かは断定できない |
| ☆☆☆ | 後ろ向き研究、症例集積、質的研究 | そういう例があった、とだけ言える |
| — | 施術前後の写真、体験談、専門家の意見 | 効果の証拠にならない |
使う順番:①メタ解析があればまずそれ ②次に無作為化比較試験 ③日本人の試験があれば最優先。無い場合は、海外の高いレベルのものを示したうえで「日本人ではどうか」を続けて示します。④後ろ向きの研究は、他に無いときに限り、その旨を明記して使います。
| レベル | 原典 | 対象 | 何に使ったか |
|---|---|---|---|
| ★★★ | Obes Rev. 2025 PMID 40186344 | 8 RCT・2,372人 全員 BMI≥27 | やめたら戻る。セマ/チルゼで 9.69kg[5.78–13.60]。戻る量は減った量に比例 |
| ★★★ | Obesity. 2026 PMID 41936548 | 15 RCT・14,059人 非糖尿病成人 | 薬剤間の比較。チルゼ・セマは有害事象リスク増、リラグルチドは増えず |
| ★★☆ | Lancet Diabetes Endocrinol. 2025 PMID 40031941 SURMOUNT-J / NCT04844918 | 日本人225人 | 日本人での有効性・安全性。群間差 15mg −21.1%[−23.6, −18.5] |
| ★★☆ | Lancet Diabetes Endocrinol. 2022 PMID 35131037 STEP 6 / NCT03811574 | 日本・韓国401人 | セマグルチドの日韓データ。原著 −13.2%(厚労省ガイドライン記載は −13.4%) |
| ★★☆ | JAMA. 2024;331(1):38-48 PMID 38078870 SURMOUNT-4 / NCT04660643 | 670人(海外) | 中止試験。36→88週で 継続 −5.5% / 中止 +14.0% |
| ★★☆(副) | Nat Med. 2024 PMID 38740993 SELECT / NCT03574597 | 17,604人 非糖尿病・心血管疾患あり | 4年(208週)の長期。−10.2% vs プラセボ −1.5%。BMI区分が低いほど中止が多い |
| ☆☆☆ | Adv Ther. 2026 PMID 42334799 | 日本人29人 SURMOUNT-J完遂者 | 試験後。65.5%が食欲コントロール不良、44.8%が運動を維持できず |
やめたあとどうなるかを日本人で調べた無作為化比較試験は、公開されている範囲では存在しません。あるのは完遂者29人へのインタビュー(☆☆☆)だけです。中止後のデータは、すべて海外の試験を統合したメタ解析(★★★)に頼っています。
体格・食習慣・BMIの分布が日本と海外で違うため、この差がどう影響するかは分かっていません。これは、このページの最大の限界です。
エビデンスがない、と書くだけでは検証できません。PubMedで2026年8月18日に実行した結果です。
| # | 検索式 | 件数 |
|---|---|---|
| Q1 | (semaglutide[tiab]) AND (obesity[tiab] OR obese[tiab]) AND (Japan[tiab] OR Japanese[tiab]) AND randomized controlled trial[pt] | 8 |
| Q2 | (tirzepatide[tiab]) AND (obesity[tiab] OR obese[tiab]) AND randomized controlled trial[pt] | 71 |
| Q3 | Q2 + (Japan[tiab] OR Japanese[tiab]) | 7 |
| Q4 | (semaglutide[tiab] OR tirzepatide[tiab] OR liraglutide[tiab]) AND ("non-obese"[tiab] OR "nonobese"[tiab] OR "normal weight"[tiab] OR "normal-weight"[tiab]) AND randomized controlled trial[pt] | 5 |
| Q5 | (semaglutide[tiab] OR tirzepatide[tiab] OR liraglutide[tiab]) AND (cosmetic[tiab] OR aesthetic[tiab] OR "body contouring"[tiab]) | 42 |
Q4 の5件は、すべて痩身・美容目的の試験ではありませんでした。内訳は、一般集団での効果を模擬した解析(2026)/肥満の思春期患者を対象とした試験の解析(2023)/肥満者を対象とした別薬剤の研究(2018)/β細胞応答の薬理研究(2016)/標準体重の1型糖尿病患者へのリラグルチド追加投与(2015)。
BMI 25未満の人に、痩身・美容を目的として投与した無作為化比較試験は、この検索では1件も見つかりませんでした。「効かない」ではなく「調べられていない」という状態です。 検索式はそのままPubMedに貼り付けて再現できます。件数は検索日により増減します。網羅的なシステマティックレビューではありません
治療対象となる肥満症以外での痩身・ダイエットなどを目的に本剤を投与してはならない。 厚生労働省「最適使用推進ガイドライン チルゼパチド(ゼップバウンド皮下注)〜肥満症〜」20頁/セマグルチド(ウゴービ皮下注)17頁にも同一の記載 原文引用・加工なし
これらのガイドラインは、PMDA、日本肥満学会、日本肥満症治療学会、日本糖尿病学会、日本循環器学会、日本内科学会の協力のもとで作られています。
特に本学会専門医による不適切な薬剤使用の推奨は、糖尿病専門医に対する国民の信頼を毀損するもので本学会として認められるものでないことを警告します。 日本糖尿病学会「GLP-1受容体作動薬およびGIP/GLP-1受容体作動薬の適応外使用に関する見解」2023年11月28日 原文引用・加工なし
SURMOUNT-J(225人)では死亡例はなく、重篤な有害事象はプラセボ群5例・10mg群8例・15mg群5例に認められましたが、いずれも副作用とは判断されませんでした。投与中止に至った有害事象は15mg群8例(うち吐き気4例)。