口コミは、何を教えてくれないのか
満足した人と後悔した人が同じ数いたとしても、書き込みの数は同じになりません。
- 口コミの件数は、体験した人の分布を映していません。
- 効果の大きさの判断には使えません。
- 一方で、説明の量や断りやすさは、口コミからしか分からないことがあります。
誰が書き、誰が書かないか
口コミは、書こうと思った人だけが書きます。強く満足した人と、強く不満だった人は書きます。予想どおりだった人は、たいてい書きません。この偏りは、件数が増えても消えません。100件が1,000件になっても、書かなかった人が何を思ったかは分からないままです。
統計の言葉では、これを選択バイアスと呼びます。標本が母集団からランダムに選ばれていないとき、件数をいくら積んでも母集団の平均には近づきません。口コミの平均点は、投稿した人の平均であって、受けた人の平均ではありません。
消えた投稿は、数に残らない
掲載を続けるかどうかを決めるのは、多くの場合サイトの運営者です。削除の基準が公開されていないとき、いま並んでいる投稿が、投稿された全体のどれだけにあたるのかを外から知る方法はありません。分母が分からない割合は、割合として読めません。
時期がそろっていない
1年前の投稿と先週の投稿が、同じ画面に並びます。その間に、担当する医師、使う機器、薬剤の仕入れ先、価格が変わっていることがあります。表示されている平均点は、条件の違う複数の時点をまとめた数字です。
それでも読む価値がある部分
効果の大きさは読めません。一方で、次のことは口コミからしか分からないことがあります。いずれも統計ではなく、体験の記述です。1件でも読む意味があります。
- 予約の取りやすさと、実際の待ち時間
- 説明にかけてもらえた時間の長さ
- 当日その場で追加の提案があったかどうか、それを断れたかどうか
- 総額の説明が、支払いの前にあったかどうか
- 解約や中止を申し出たときの対応
- 口コミの件数と平均点は、効果の大きさの根拠にならない
- 説明の量・断りやすさ・支払いの流れは、体験談から読み取れる
- 特定の口コミサイトの削除方針を調査した結果ではありません
- 投稿の真偽を判定する方法を示すものではありません
読むときの手順
- 星の平均は見ない。本文だけを読む。
- 日付を見る。1年より前のものは、条件が変わっている前提で読む。
- 「効いた/効かない」ではなく、「何をされたか」が書いてある投稿を探す。
- 同じ不満が複数の投稿に出てくるかを見る。1件は偶然、3件は傾向の候補。
- 効果の判断には使わない。効果は、比較試験の結果を見る。
5番目が本題です。口コミは、施設の運び方を知る手がかりになります。治療が効くかどうかを決める材料ではありません。効果については、各治療ページのエビデンス欄をご覧ください。
この記事に関連する治療ページ
出典・注記
- 本記事は特定の口コミサイトを調査したものではありません標本の偏りに関する一般的な性質を説明しています
- 効果の根拠当サイトの各治療ページに、原典とエビデンスの水準を記載しています
この記事は診断や治療の指示をするものではありません。また、法的助言ではありません。個々の判断は、診察を受けた医師や、消費生活センター等の窓口にご相談ください。掲載後に内容をあらためた場合は、日付と理由を訂正の記録に残します。