GLP-1の表示価格を45件集めて分かったこと
同じ薬、同じ用量、同じ4週間分。それでも表示価格は6,930円から57,800円まで、約8.3倍開いていました。
- 2.5mg・週1回・4週相当に換算できた45件の中央値は19,800円でした。
- 四分位範囲は16,000〜22,000円。半分はこの幅に入ります。
- 初版で95,200円と読んだ最高値は、再確認の結果57,800円に訂正しました。その顛末も本文に書いています。
何をどう数えたか
日本語の検索で見つかる公開ページから、GLP-1受容体作動薬(チルゼパチド)を痩身・医療ダイエット目的で案内するページを集めました。登録50件、比較可能な治療ページ48件、価格を読み取れた45件です(2026年8月19日確定の台帳)。
価格は「2.5mgを週1回、4回分」に換算できる表示だけを、円単位で記録しました。換算できない表示は、比較の対象から外しています。
結果
| 指標 | 値 |
|---|---|
| 観測件数 | 45件 |
| 中央値 | 19,800円 |
| 第1四分位(Q1) | 16,000円 |
| 第3四分位(Q3) | 22,000円 |
| 最小値 | 6,930円 |
| 最大値 | 57,800円 |
半分の施設は16,000円から22,000円のあいだに収まります。この幅だけを見れば、価格はそれほど散らばっていません。散らばりは、端にあります。
最高値は、消さずに、確かめて、直した
この調査の初版では、最高値を95,200円と読み取っていました。他の表示から大きく離れた値で、単位の取り違え、複数月分の一括表示、別の内容を含む価格、いずれの可能性もありました。
初版ではこの値を外れ値として削除せず、「再確認の対象」として台帳に残しました。削除すると集計はきれいになりますが、「表示が読み取りにくい」という観測事実まで消えてしまうからです。そして確定版で元ページに戻って再確認した結果、読み取りを57,800円に訂正しました。それでも2番目に高い値の1.3倍以上あり、極端に高い表示が存在するという事実は変わりませんでした。数字を消して整えるのではなく、確かめて直す。この台帳の数字は、そういう手順を通っています。
この数字が答えていないこと
ここが一番大事なところです。上の表は、患者が支払う金額を示していません。
- 同じ薬・同じ用量・同じ期間に換算した、表示上の薬剤価格の分布
- 価格を比べ始めるときの起点
- 患者の総支払額(診察料・検査料・送料・税・定期条件は統一されていません)
- 全国の相場(検索から集めた便宜標本です)
- 最安値の推奨(安さは品質の指標ではありません)
初回価格と通常価格、税込と税抜、診察料込みと別料金。これらがページごとに違うため、総額はそろえられませんでした。そろえ方については、別記事「値段を比べるときに、そろえる4つ」に書いています。
同じページで確認できた他の表示
価格を読み取った45件を含む、比較可能な治療ページ48件について、同じ基準で次の表示を照合しました。
| 表示項目 | 確認できたページ | 割合 |
|---|---|---|
| 痩身目的での適応外使用の明示 | 23 / 48 | 47.9% |
| リスク・副作用の表示 | 40 / 48 | 83.3% |
| 医薬品副作用被害救済制度への言及 | 18 / 48 | 37.5% |
| 全国オンライン・配送の表示 | 21 / 48 | 43.8% |
「確認できなかった」は、その医療機関が別ページ、同意文書、診察時に説明していないことを意味しません。ページ上の表示だけを同じ基準で照合した結果です。表示内容の完全性、臨床的な妥当性、法令適合性は採点していません。
限界
- 検索から得た便宜標本です。検索順位・全候補・除外理由の完全なログは残していません。
- したがって、全国の提供者における開示率・シェア・増減を推定することはできません。
- 医療機関名、URL、施設別の評価は公開しません。
- 分類は自動抽出を含みます。独立した第2レビュアーによる盲検の検証は、まだ行っていません。
この4点は、次の版で改善する予定の項目でもあります。改善したときは、訂正の記録に日付を入れて残します。
この記事に関連する治療ページ
出典・注記
- 当サイト調査 v0.2 確定台帳(観測日 2026-08-19)登録50件・比較可能48件・価格45件。初版v0.1からの訂正は本文と訂正の記録に明記。便宜標本
- PMDA 医療用医薬品情報承認された効能・効果の確認に使用
- 厚生労働省:GLP-1受容体作動薬等の美容・痩身目的での使用に関する注意喚起公的な注意喚起の位置づけ
この記事は診断や治療の指示をするものではありません。また、法的助言ではありません。個々の判断は、診察を受けた医師や、消費生活センター等の窓口にご相談ください。掲載後に内容をあらためた場合は、日付と理由を訂正の記録に残します。