GLP-1ダイエット
体重を減らす効果については、大規模な試験があります。ただし試験の対象は肥満症や2型糖尿病の患者であって、痩身を目的とした人ではありません。
体重が減ること自体は、大規模な試験で繰り返し示されています。ただし条件が3つ付きます。
① 国内で承認されている使い方
国内承認は2型糖尿病と肥満症。痩身・美容そのものを目的とした承認はありません。
② 臨床試験で確かめられていること
体重減少については、無作為化比較試験と、それらをまとめたメタ解析があります。エビデンスの水準としては高い部類です。
ただし、試験に参加したのは肥満症または2型糖尿病と診断された人です。BMIが基準に満たない人での便益は、これらの試験からは分かりません。
食欲の低下と、それに伴う摂取量の減少が主な機序とされています。
- 誰に
- BMI30以上、またはBMI27以上で体重に関連する合併症が1つ以上ある成人 2,539人。糖尿病のある人は含まれていません
- 何を
- ゼップバウンド/マンジャロ(成分名チルゼパチド)5・10・15mg を週1回皮下注射、72週間
- 何と比べて
- プラセボ(有効成分の入っていない注射)
- どうなった
- 体重の変化率(開始時から72週後):15mg群 −20.9%/10mg群 −19.5%/5mg群 −15.0%。プラセボ群は −3.1%
- 誰に
- BMI30以上、またはBMI27以上で合併症のある成人 1,961人。糖尿病のある人は含まれていません
- 何を
- ウゴービ(成分名セマグルチド)2.4mg を週1回皮下注射、68週間
- 何と比べて
- プラセボ
- どうなった
- 体重の変化率(開始時から68週後):−14.9%、プラセボ群 −2.4%。開始時から5%以上減った人の割合 86.4% 対 31.5%
- 誰に
- STEP 1 でウゴービ2.4mgを68週間続けた人 327人(比較群99人を含む)
- 何を
- 投与と生活指導を中止して、その後52週間追跡
- 何と比べて
- 中止の時点(68週時点)の自分の体重
- どうなった
- −14.9%まで減っていた体重が、中止52週後には−5.6%まで戻った(プラセボ群は−2.4%→−0.1%)。減った分の約3分の2が戻った計算です
痩身目的の人(BMIが基準未満の人)を対象にした試験は、この3つのいずれにも存在しません。
※ 別々の試験の数値を並べています。試験ごとに対象者・期間・条件が異なるため、本来、数値同士を直接比べることはできません。それを承知のうえで、目安として並べています。
③ まだ答えの出ていないこと
- 投与をやめたあとの体重の戻り方。中止後52週の追跡は1件(n=327)にとどまり、そこでは68週時点の減量の約3分の2が戻っていました。中止後を追った試験は、まだ数が限られています。
- 美容目的で用いた場合の、便益と有害事象のバランス。この集団を対象にした試験はありません。
- 数年単位で使い続けた場合の安全性。
- オンライン診療のみで処方された場合の、有害事象の把握のしかた。
④ 副作用 ── 起こりやすい人・起こる時期・備え
添付文書と臨床試験の報告に基づきます。頻度や重さはあなたの条件で変わります。ここに無い症状が出たときも、処方元に連絡してください。
- 起こりやすい人
- 誰にでも起こりえます。試験でもっとも頻度の高い副作用でした。
- 起こる時期
- 飲み始めと、量を増やした直後に集中します。多くは時間とともに軽くなります。
- 備え
- 食事量が急に落ちて日常生活に支障が出る場合は、我慢せず処方元に連絡してください。
- 起こりやすい人
- 膵炎を起こしたことがある人は特に注意が必要とされています。
- 起こる時期
- 時期を選びません。使用中はいつでも起こりえます。
- 備え
- みぞおちから背中への持続する激しい痛みが出たら、次の予約を待たず受診してください。添付文書に重大な副作用として記載があります。
- 起こりやすい人
- 体重が急激に落ちている人。減量そのものが胆石のリスクを上げます。
- 起こる時期
- 減量が進んだ時期に起こりやすくなります。
- 備え
- 右上腹部の痛み、発熱、黄疸が手がかりです。
- 起こりやすい人
- 他の糖尿病治療薬(SU薬・インスリン等)を併用している人。
- 起こる時期
- 併用を始めた直後が特に危険です。
- 備え
- この薬単独での重い低血糖はまれとされています。冷や汗・ふるえ・強い空腹感が出たら糖分を。
- 起こりやすい人
- 誰にでも起こりえます。
- 起こる時期
- 注射のたび。数日で引くことがほとんどです。
- 備え
- 発赤、腫れ、かゆみ。広がる・長引く場合は連絡を。
⑤ やめるとき
「いつまで」の医学的な決まりはありません。減った体重の維持には継続が前提になる薬です。始める前に、出口を決めていない治療だと知っておいてください。
やめること自体はできます。減らし方・やめ方は処方元と相談してください。自己判断の中断でも危険な離脱症状は知られていませんが、食欲は戻ります。
中止52週後の追跡では、減った体重の約3分の2が戻っていました(n=327)。やめても維持できた人を確かめた試験は限られています。
都度払いなら支払いは止まります。定期契約・まとめ買いの場合は、解約条件と残薬の扱いを契約前に確かめてください。
⑥ 価格
最安と最高で約8.3倍。同じ薬・同じ量でこれだけ開きます。
| 表示価格に含まれていないことが多いもの | 確かめ方 |
|---|---|
| 診察料・血液検査 | 「薬剤費のほかに毎回かかる費用はありますか」と聞く |
| 送料(オンライン処方) | 毎月かかります。年12回分で比べる |
| 初回限定・定期縛りの条件 | 2回目以降の価格と、途中でやめたときの扱いを先に確認 |
地域差について
現在の台帳は、クリニックの所在地を記録していないため、地域差はまだ判定できません。所在地・診察形態を記録する再観測(台帳v0.3)で公開する予定です。データが無いことを、あるかのようには書きません。クリニックごとの比較は
医院別レポートで公開料金と条件を確認できます。医療脱毛は、4院の料金条件を見比べられます。会員登録は不要です。掲載対象は確認した医院・プランに限られ、地域全体の相場を示すものではありません。当サイトが2026-08-19に公開ページから収集した表示価格(v0.2確定台帳)です。薬剤価格のみで、診察料・送料・条件付き割引は除いて換算しています。薬価(1,443円/本)は2型糖尿病の治療薬としての公定価格です。痩身目的の処方は保険が使えないため、保険診療の自己負担額とは比較できません。薬価は「薬そのものの価格」の目安であり、表示価格との差が診察・配送・利益にあたります。
⑦ 診察で聞くこと
そのまま読み上げられる形にしています。答えをはぐらかされた質問は、それ自体が判断の材料になります。
- 処方される薬の名前と、承認された効能・効果を教えてください。私への処方は、その範囲の内ですか、外ですか。
- この薬はどこから入手されたものですか。国内で流通しているものですか、先生が輸入されたものですか。
- 副作用が出たとき、どこに連絡すればよいですか。夜間・休診日はどうなりますか。
- やめたあと、体重はどのくらい戻る見込みですか。減らし方も教えてください。
- 診察料・検査料・送料を含めて、1年続けた場合の総額はいくらですか。
関連する読みもの
note で読む
この治療について、悩みの側から追った連載記事があります。余った「やせ薬」は、どこへ行くのか——マンジャロ転売のニュースを最後まで読む(note.com/外部サイト)出典
最終確認日 2026-08-19/内容をあらためたときは訂正の記録に残します。
- Tirzepatide Once Weekly for the Treatment of Obesity. N Engl J Med. 2022;387(3):205-216(SURMOUNT-1)72週の体重変化率。対象はBMI30以上、または27以上かつ体重関連合併症あり。糖尿病のある人は含まれていません論文の抄録を読む(PubMed) ↗
- Once-Weekly Semaglutide in Adults with Overweight or Obesity. N Engl J Med. 2021;384(11):989-1002(STEP 1)68週の体重変化率。n=1961論文の抄録を読む(PubMed) ↗
- Weight regain and cardiometabolic effects after withdrawal of semaglutide. Diabetes Obes Metab. 2022;24(8):1553-1564(STEP 1 延長)中止52週後の体重。68週時点の減量の約3分の2が戻りました。n=327論文の抄録を読む(PubMed) ↗
- PMDA 医療用医薬品情報(添付文書)各製品の承認された効能・効果、用法・用量、重大な副作用
- 厚生労働省:GLP-1受容体作動薬等の美容・痩身目的での使用に関する注意喚起公的な注意喚起の位置づけ
- 最適使用推進ガイドライン(PMDA)肥満症治療薬の患者要件・施設要件
- 当サイト調査 v0.2 確定台帳(観測日 2026-08-19)比較可能な治療ページ48件・表示価格45件。検索から集めた便宜標本のため、全国の相場ではありません