自由診療の料金・リスク・根拠を、受ける前に。医院レポート5院 · 資料確認 2026-09-21
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防風通聖散(ダイエット目的の漢方・自費処方)

別の言い方: 防風通聖散/防風通聖散 ダイエット/防風通聖散 効果/防風通聖散 痩せる/漢方 ダイエット 処方/防風通聖散 副作用 肝機能/防風通聖散 オンライン/ツムラ62/防風通聖散 保険/麻黄 漢方 動悸

「漢方だから体に優しい」「飲むだけで痩せる」の2つは、どちらも半分正しい。効果は本物ですが小さく(BMI 0.5)、成分には麻黄も甘草も大黄も入っていて、副作用の一覧は西洋薬と変わりません。そして、それは保険で買える薬です。

結論 ── うたわれている効果は
少しだけ効きます。肥満のある人でBMIが平均0.5下がる(体重で1〜1.5kg程度)というメタ解析があり、腹囲・血糖・血圧は変わりません。肥満症と診断されれば保険で月1,000円台の薬を、自費のオンライン処方では月4,000〜5,000円で買っている構図です

防風通聖散は18種類の生薬からなる漢方薬で、承認された効能は「腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちなものの、高血圧の随伴症状(どうき・肩こり・のぼせ)、肥満症、むくみ、便秘」です。7つの試験679人のメタ解析(2022年)では、肥満のある人でBMIが偽薬・対照より0.52kg/m2下がり(95%信頼区間−0.86〜−0.18)、腹囲・血糖・脂質・血圧には有意差がなく、重篤な有害事象はありませんでした。効能に当たれば保険で処方でき、薬価は1gあたり13.8円、1日7.5gで約104円、30日で約3,100円(3割負担なら約930円+診察料)。「痩せたい」という美容目的は保険の対象外なので、オンラインの自費処方では同じ医療用の顆粒が30日分4,400〜5,500円に、診察料3,300〜5,000円・手数料・送料が加わります。麻黄(エフェドリン類)、甘草、大黄を含むため、動悸・不眠・血圧上昇、偽アルドステロン症(低カリウム)、間質性肺炎、肝機能障害、長期の腸間膜静脈硬化症が添付文書の重大な副作用に挙げられ、妊婦は服用しないことが望ましいとされています。

1メタ解析(PLoS One 2022、7研究679人: 防風通聖散351人・対照328人): 肥満のある参加者でBMIの平均差−0.52kg/m2(−0.86〜−0.18、p=0.003)。腹囲・糖脂質パラメータ・血圧に有意差なし。重篤な有害事象なし。異質性は大きい。著者の一部はツムラから研究助成を受けています。
2無作為化試験(Atherosclerosis 2015、肥満高血圧、UMIN000003878): 通常治療への追加で日中の収縮期血圧変動が改善(変化 −1.0±3.3% vs 対照+1.0±3.3%、p=0.006)。体重の主要評価ではありません。
3添付文書(ツムラ防風通聖散エキス顆粒): 効能は「腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちなものの次の諸症: 高血圧の随伴症状(どうき、肩こり、のぼせ)、肥満症、むくみ、便秘」。1日7.5gを2〜3回。「患者の証(体質・症状)を考慮」「改善が認められない場合には継続投与を避ける」。重大な副作用: 間質性肺炎、偽アルドステロン症(低カリウム・血圧上昇・浮腫)、ミオパチー、肝機能障害・黄疸、腸間膜静脈硬化症(サンシシの長期投与、多くは5年以上)。妊婦は「投与しないことが望ましい」(ダイオウ・無水ボウショウで流早産の危険)。併用注意: マオウ含有製剤・エフェドリン類含有製剤。薬価13.8円/g。
4自費の価格(2026-09-05): オンライン処方で1か月分4,980円+初診3,300円・再診1,100円+システム手数料880円+送料550円〜(初診の総額約6,500円)、28日分5,500円+初診5,000円・再診3,000円、30日分4,400円(検索結果で二次確認)。施設自身が「美容目的は自由診療」「肥満症などの診断があれば保険の可能性」と説明。
エビデンスの水準
★★★
7試験679人のメタ解析(BMI −0.52)。承認薬(保険)を美容目的で自費処方する形
承認の状況
承認薬(効能: 腹部に皮下脂肪が多く便秘がちな人の肥満症・便秘・むくみ・高血圧の随伴症状。保険)。「痩せたい」だけの美容目的は自費
価格の幅
自費: 薬代 30日分4,400〜5,500円+初診3,300〜5,000円・再診1,100〜3,000円+システム手数料880円・送料550円〜(初診の総額約6,500〜11,000円)/保険: 薬価30日約3,100円(3割で約930円)+診察料(3施設)
1か月分の表示価格(税込)

① 国内で承認されている使い方

防風通聖散は医療用漢方製剤として承認され、効能は「腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちなものの高血圧の随伴症状・肥満症・むくみ・便秘」で、この効能に当たれば保険診療で処方されます(薬価13.8円/g)。一般用医薬品(市販薬)としても同名の製品があります。「痩せたい」だけの美容目的は保険の対象外で、オンラインクリニックなどが自費で処方していますが、薬は同じ医療用製剤です。承認外の使い方ではなく「保険を使わない使い方」で、価格差は薬価と表示価格の差そのものです。

対象
国内での承認
医療用 防風通聖散エキス顆粒(ツムラ62など)— 保険
効能に該当(肥満症・便秘・むくみ・高血圧随伴症状、皮下脂肪多く便秘がち)。薬価13.8円/g、1日7.5gで約104円
同じ医療用製剤の自費処方(美容・ダイエット目的)
30日分4,400〜5,500円+診察料・手数料・送料。承認外ではないが保険外
一般用医薬品(市販の防風通聖散)
薬局・通販で購入可。用量・満量処方の違いあり。診察なし
肥満症の他の薬(GLP-1受容体作動薬など)
別ページ参照。防風通聖散との直接比較はない
—体力が弱い人・胃腸が弱い人・下痢しやすい人には向かない薬です(「証」)。施設も「実証」体質向けと説明。
—妊娠中は服用しないことが望ましい(流早産のリスク)。授乳中は乳児の下痢の可能性。
—麻黄を含む他の漢方(葛根湯・小青竜湯など)やエフェドリン類を含む風邪薬との併用は、動悸・血圧上昇のリスクを重ねます。
—甘草を含む他の漢方との併用で偽アルドステロン症(低カリウム)のリスクが上がります。

② 臨床試験で確かめられていること

体重・BMI: 肥満のある人でBMI 0.52低下(身長160cmなら約1.3kg)。「飲むだけで痩せる」の実際の大きさです。

腹囲・血糖・脂質・血圧: メタ解析では差なし。血圧変動の改善を示した試験はあります。

便秘・むくみ: 大黄・芒硝による瀉下作用で便通は改善します。これは効能の一部です。

食事・運動なしで: メタ解析の試験の多くは生活指導との併用で、薬単独の効果ではありません。

体重・BMIへの効果(メタ解析)Japanese traditional Kampo medicine bofutsushosan improves body mass index in participants with obesity: A systematic review and meta-analysis. PLoS One. 2022;17(4):e0266917
誰に
肥満のある参加者679人(7研究。防風通聖散351人・対照328人)
何を
防風通聖散(多くは医療用エキス製剤)
何と比べて
プラセボまたは無投与(生活指導など)
どうなった
BMIの平均差−0.52kg/m2(95%CI −0.86〜−0.18、p=0.003)。腹囲・糖脂質・血圧に有意差なし。重篤な有害事象なし。異質性大。著者の一部がツムラの研究助成を受領
肥満高血圧への追加投与(無作為化試験)Effects of the oriental herbal medicine Bofu-tsusho-san in obesity hypertension: a multicenter, randomized, parallel-group controlled trial. Atherosclerosis. 2015;240(1):297-304
誰に
肥満を伴う高血圧の患者(多施設、UMIN000003878)
何を
通常治療+防風通聖散
何と比べて
通常治療のみ
どうなった
日中収縮期血圧の変動性が改善(変化−1.0±3.3% vs +1.0±3.3%、p=0.006)。体重は主要評価ではない。「統合医療的アプローチが肥満高血圧に好ましい効果を示した最初の報告」
承認された効能と副作用ツムラ防風通聖散エキス顆粒(医療用)添付文書(KEGG MEDICUS収載版で確認)
誰に
腹部に皮下脂肪が多く便秘がちな人
何を
1日7.5g(分2〜3)
何と比べて
—
どうなった
効能: 高血圧の随伴症状(どうき・肩こり・のぼせ)、肥満症、むくみ、便秘。証を考慮し、改善なければ継続しない。重大な副作用: 間質性肺炎、偽アルドステロン症、ミオパチー、肝機能障害・黄疸、腸間膜静脈硬化症(長期)。妊婦は投与しないことが望ましい。併用注意: マオウ含有製剤・エフェドリン類。薬価13.8円/g
美容目的(肥満症でない人)での効果当サイトによる文献調査(PubMed、2026-09-05)
誰に
肥満症の診断基準を満たさない「痩せたい」人
何を
防風通聖散
何と比べて
—
どうなった
肥満のない人を対象にした無作為化試験を確認できませんでした。メタ解析の対象は肥満のある参加者です

※ 別々の試験の数値を並べています。試験ごとに対象者・期間・条件が異なるため、本来、数値同士を直接比べることはできません。それを承知のうえで、目安として並べています。

③ まだ答えの出ていないこと

④ 副作用 ── 起こりやすい人・起こる時期・備え

添付文書と臨床試験の報告に基づきます。頻度や重さはあなたの条件で変わります。ここに無い症状が出たときも、処方元に連絡してください。

服用開始〜数日数週間〜数か月年単位(長期服用)やめたとき下痢・腹痛・吐き気・胃の不快感動悸・不眠・血圧上昇・発汗偽アルドステロン症(低カリウム・むくみ・血圧上昇・脱力)間質性肺炎肝機能障害・黄疸腸間膜静脈硬化症効かない・費用の継続よくある重大(まれでも見逃さない)
図|副作用の起こる時期のめやす。下の各項目の「起こる時期」の記述を、当サイトが図にした定性的な整理です。幅には個人差があり、この図の外で起こることもあります。頻度の大小を示すものではありません。「漢方だから副作用がない」は誤りで、重大な帯はすべて添付文書の記載です。頻度は不明で、定期的な血液検査で備えます。出典: 添付文書・臨床報告(詳細は下の各項目と出典欄)/加工: あり(時期の記述の図示)
下痢・腹痛・吐き気・胃の不快感よくある
起こりやすい人
誰にでも。胃腸の弱い人、下痢しやすい人で強い。
起こる時期
服用開始〜数日。
備え
大黄・芒硝の瀉下作用。用量調整か中止。
動悸・不眠・血圧上昇・発汗よくある
起こりやすい人
麻黄(エフェドリン類)による。高血圧・心疾患・甲状腺機能亢進、他の麻黄製剤や風邪薬の併用。
起こる時期
服用開始〜。
備え
併用注意。動悸が続けば中止。
偽アルドステロン症(低カリウム・むくみ・血圧上昇・脱力)重大
起こりやすい人
甘草を含む他の漢方との併用、高齢者、長期。
起こる時期
数週間〜数か月。
備え
血清カリウムの測定。脱力・こむら返りは受診。
間質性肺炎重大
起こりやすい人
頻度不明。
起こる時期
数週間〜数か月。
備え
発熱・咳・息切れは中止して受診。
肝機能障害・黄疸重大
起こりやすい人
頻度不明。
起こる時期
数週間〜数か月。
備え
だるさ・黄疸は中止。定期的な血液検査。
腸間膜静脈硬化症重大
起こりやすい人
山梔子(サンシシ)を含む製剤の長期服用(多くは5年以上)。
起こる時期
年単位。
備え
腹痛・下痢・便秘・膨満の反復、便潜血陽性で検査。
効かない・費用の継続よくある
起こりやすい人
肥満のない人、生活習慣を変えない人。
起こる時期
数か月。
備え
BMI −0.5が試験での効果。3か月で判定して続けるか決める。

⑤ やめるとき

いつまで続けるのか

添付文書は「改善が認められない場合には継続投与を避ける」。3か月で判定を。年単位の長期は腸間膜静脈硬化症のリスク。

途中でやめられるか

いつでもやめられます。離脱はありません。便通は元に戻ります。

やめたらどうなるか

体重は生活習慣が変わっていなければ戻ります。

お金はどうなるか

月ごとの購入。オンラインの定期配送の自動更新に注意。

⑥ 価格

品目
公定価格(薬価)
クリニック表示価格
ツムラ防風通聖散エキス顆粒(医療用)1日量7.5g
薬価 約104円(薬価13.8円/g×7.5g。30日で約3,100円)
表示 自費処方 30日分 4,400〜5,500円(薬代のみ)+診察料3,300〜5,000円・手数料・送料

A施設(オンライン): 薬代1か月4,980円、初診3,300円、再診1,100円、システム手数料880円、送料550〜1,500円、初診総額約6,500円、「美容目的は自由診療、診断があれば保険の可能性」と明記。B施設(オンライン): 細粒28日分5,500円、初診5,000円、再診3,000円、他のダイエット薬(GLP-1等)と並べて提示。C施設: 30日分4,400円、オンライン可(検索結果による二次確認)。薬代だけで薬価(約3,100円)の1.4〜1.8倍、診察料込みでは2〜3.5倍。3施設の確認で、相場ではありません。

承認薬で薬価があるので、自費との差は明快です。自費の上乗せは診察・配送の対価で、それ自体は正当ですが、「肥満症の診断がつくなら保険で受けられる薬」だと知ったうえで選んでください。買っているのはBMI 0.5の差で、麻黄・甘草・大黄の副作用は保険でも自費でも同じです。観測日2026-09-05、施設名は扱いません。

⑦ 診察で聞くこと

そのまま読み上げられる形にしています。答えをはぐらかされた質問は、それ自体が判断の材料になります。

  1. 私は「腹部に皮下脂肪が多く便秘がち」で肥満症の診断がつきますか。つくなら保険で処方できるはずですが、なぜ自費ですか。
  2. 私の体質(胃腸の弱さ・下痢・体力)はこの薬の「証」に合いますか。妊娠の可能性や、麻黄・甘草を含む他の薬との併用は確認しましたか。
  3. 効果はBMIで平均0.5の低下だと理解しています。何か月で判定し、効かなければやめますか。
  4. 肝機能・カリウムなどの血液検査はいつ行いますか。

関連する読みもの

出典

最終確認日 2026-09-05/内容をあらためたときは訂正の記録に残します。

  1. ツムラ防風通聖散エキス顆粒(医療用)添付文書(KEGG MEDICUS収載版で確認)効能(腹部に皮下脂肪が多く便秘がちな人の高血圧随伴症状・肥満症・むくみ・便秘)、用法7.5g、証の考慮と継続回避、重大な副作用(間質性肺炎・偽アルドステロン症・ミオパチー・肝機能障害・腸間膜静脈硬化症)、妊婦・授乳婦、併用注意(マオウ含有製剤・エフェドリン類)、薬価13.8円/g
  2. PLoS One. 2022;17(4):e0266917(防風通聖散の系統的レビュー・メタ解析)7研究679人。BMI −0.52kg/m2、腹囲・糖脂質・血圧に差なし、重篤有害事象なし、ツムラ助成の開示。PubMed抄録で確認
  3. Atherosclerosis. 2015;240(1):297-304(肥満高血圧への多施設無作為化試験)血圧変動性の改善。体重は主要評価ではない。PubMed抄録で確認
  4. 当サイトによる文献調査(PubMed、2026-09-05)肥満のない人を対象にした無作為化試験を確認できず
  5. 複数のクリニック公開ページ(2026-09-05確認、3施設)薬代4,400〜5,500円、診察料・手数料・送料、「美容目的は自由診療」の説明、副作用・禁忌の説明。施設名は扱いません