「効果があった」の中身を読む
同じ結果を、大きくも小さくも書けます。どちらも嘘ではありません。
- 確かめるのは、何と比べたか、どのくらい変わったか、誰で確かめたか。
- 相対で書くと大きく、絶対で書くと小さく見えます。
- 統計的に有意であることと、生活のうえで意味があることは別です。
① 何と比べたか
「使った人の8割が改善」には、比較の相手がいません。何もしなかった人の何割が改善したかが分からなければ、8割が多いのか少ないのかは決まりません。
比べる相手が置かれている試験を、対照のある試験と呼びます。相手が偽の処置(プラセボ)で、どちらを受けたかを本人も評価者も知らない設計であれば、さらに確かです。当サイトが★★以上を付けているのは、この種の試験がある場合です。
② 相対か、絶対か
ここが、いちばん見え方を変えます。同じ結果を2通りに書いてみます。
- 相対:発生が50%減った
- 絶対:100人あたり2人から1人に減った(差は1人)
どちらも正しい記述です。広告に使われるのは、ほぼ相対の方です。相対の数字を見たら、もとの割合がいくつだったかを探してください。もとが小さければ、半分になっても差は小さいままです。
③ 誰で確かめたか
試験に参加した人の条件を見ます。年齢、性別、症状の重さ、他に持っている病気。自分と条件が違えば、同じ結果になるとはかぎりません。
参加者が厳しく絞られた試験ほど、結果ははっきり出ますが、当てはまる人の範囲は狭くなります。
④ 何を測ったか
試験が最初に「これを主要な評価項目にする」と決めた指標があります。それ以外の指標で良い結果が出ても、それは補助的な情報です。
また、測っているのが本当に知りたいことか、その代わりの指標かも見ます。検査値が改善したことと、生活が変わることは、別のことです。
⑤ どのくらいの期間か
12週間の試験は、12週間のことしか言っていません。効果が続くのか、やめたら戻るのか、長期の安全性はどうか。期間の外は、その試験の守備範囲ではありません。
⑥ 統計的に有意、の意味
「統計的に有意」は、偶然では説明しにくい差がある、という意味です。差が大きいという意味でも、生活のうえで意味があるという意味でもありません。
人数が多い試験では、ごく小さな差でも有意になります。有意だと書いてあったら、次に差の大きさを見てください。
⑦ 誰が費用を出したか
資金の出どころと、著者の利益相反が書かれているか。書かれていること自体は問題ではありません。書かれていないことが問題です。
- 比較の相手がいるか
- 相対か絶対か。もとの割合はいくつか
- 参加者の条件は自分に近いか
- 主要な評価項目は何か
- 期間はどのくらいか
- 差の大きさはどのくらいか
- 資金源と利益相反の記載があるか
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各治療ページのエビデンス欄には、水準(★★★/★★/◆/◇)、原典、確認日、加工の有無を記載しています。★★★はメタ解析・システマティックレビュー、★★は無作為化比較試験、◆は添付文書やガイドラインなどの公的文書、◇は当サイトが自分で数えたものです。
水準が高いことは、その治療が自分に合うことを意味しません。確かめられている度合いが高い、という意味だけです。
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出典・注記
- 本記事は特定の臨床試験を評価したものではありません研究デザインの一般的な読み方を説明しています
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