自由診療の料金・リスク・根拠を、受ける前に。医院レポート5院 · 資料確認 2026-09-21
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オルソケラトロジー(子どもの近視・大人の裸眼視力)

別の言い方: オルソケラトロジー/オルソK/ナイトレンズ/寝ている間 コンタクト/子ども 近視 抑制/近視進行抑制 レンズ/角膜矯正/オルソ 感染

効果は測られています。日本のガイドラインが子どもを「慎重処方」とするのは、効かないからではなく、承認試験が大人で行われ、子どもは何年も続けるからです。

結論 ── うたわれている効果は
日中の裸眼視力は上がり、子どもの眼軸の伸びを2年で0.28mm抑えます。ただしガイドラインは20歳以上が原則で、子どもは「慎重処方」です

夜寝ている間に特殊なハードコンタクトで角膜の形を変え、日中は裸眼で過ごす方法です。Cochraneレビュー(2023)では、子どもの眼軸の伸びを1年で0.19mm、2年で0.28mm抑え、別のメタ解析でも2年で0.26mmでした。日本の学会ガイドラインは適応年齢を「原則20歳以上、20歳未満は慎重処方」とし、承認レンズの臨床試験が20歳以上で行われたことを理由に挙げています。角膜感染症は子どもで1万人・年あたり約5人と、使い捨てソフトレンズと同程度です。

1Cochraneレビュー(2023)で、オルソケラトロジーは子どもの眼軸長の伸びを1年で0.19mm(95%CI 0.15〜0.23)、2年で0.28mm(0.19〜0.38)抑えました。確実性は非常に低〜中です。7研究・435人(6〜16歳)のメタ解析(2015)でも2年で0.26mm(0.21〜0.31)でした。
2日本コンタクトレンズ学会のガイドライン第2版(2017年12月)は、適応年齢を「20歳以上を原則とする。20歳未満は慎重処方」とし、理由として「承認レンズにおいても、我が国で臨床試験が行われた年齢(20歳以上あるいは19歳以上)に満たない者、および高齢者に対しての安全性の評価は確定されていない」「小児への処方は使用期間が長期にわたる可能性があり、リスクを考慮して慎重に判断」と書いています。
3米国の子ども約1万人の調査(2021)で、角膜感染症(微生物性角膜炎)は1万人・年あたり4.9〜5.3件で、「日中装用のソフトコンタクトと同程度」でした。ただし失明や角膜移植に至る例がありうる合併症です。
4ガイドラインは近視−4.00Dまで、乱視−1.50D以下を原則とし、レンズをやめれば「元の屈折状態に戻る」可逆的な方法だとしています。
エビデンスの水準
★★★
承認レンズ・近視抑制はCochraneで統合・ガイドラインは20歳以上が原則
承認の状況
承認レンズ(自由診療)
価格の幅
初年度 両眼 157,500〜220,000円(レンズ代・検査込み)/2年目以降 定期検査3,300〜5,500円(3施設)
初年度の両眼総額(税込・レンズ代と初年度検査込み)

① 国内で承認されている使い方

オルソケラトロジー用レンズは2009年に国内で承認され、複数の承認レンズがあります(製品名はマイエメラルド、ブレスオーコレクト、メニコンオルソKなど)。処方は眼科専門医が学会と製造販売業者の講習を受けたうえで行うことをガイドラインが求めています。近視の進行抑制は承認された使用目的ではなく、日中の裸眼視力の向上が目的です。保険は適用されません。

対象
国内での承認
承認レンズ(マイエメラルド、ブレスオーコレクト、メニコンオルソKなど)
承認(2009年〜)。使用目的は日中の裸眼視力の向上。臨床試験は20歳以上(一部19歳以上)
子どもの近視進行抑制目的
承認された使用目的の外。ガイドラインは20歳未満を慎重処方。効果はCochraneで統合
低濃度アトロピン点眼との併用
アトロピンは2024年に承認(別ページ)。併用の上乗せ効果は当サイト未確認
未承認・並行輸入のレンズ
製品名で承認の有無を確認
—処方者はガイドライン上、日本眼科学会認定の眼科専門医で、学会指定の講習と製造販売業者の講習を受けた医師です。
—禁忌は12項目(妊婦・授乳中、免疫疾患・糖尿病、活動性の角膜感染、重症ドライアイ、角膜知覚低下、不正乱視、定期検診に来られない人など)。慎重処方は未成年、薬物性ドライアイ、暗所瞳孔径の大きい人です。
—近視−4.00D、乱視−1.50Dを超える度数は原則の外です。強い近視には効果が足りず、日中に眼鏡が必要になることがあります。

② 臨床試験で確かめられていること

日中の裸眼視力は、装用翌日から上がり、数日〜数週間で安定します。効果は一時的で、装用をやめれば数日〜数週間で戻ります。

子どもの近視抑制は、眼軸の伸びで2年0.26〜0.28mmです。近視1D(ディオプター)は眼軸約0.3〜0.4mmに相当するので、2年で1D弱の進行を抑える計算になります。

確実性は「非常に低〜中」です。多くの研究が非盲検で、効果の大きさには幅があります。

角膜感染症のリスクは低いが、起きれば重い。ガイドラインが「こすり洗い・ポビドンヨード消毒・ケースの乾燥と交換」を具体的に定めているのはそのためです。

子どもの近視抑制(Cochraneレビュー)Lawrenson JG, et al. Interventions for myopia control in children: a living systematic review and network meta-analysis. Cochrane Database Syst Rev. 2023;2:CD014758
誰に
近視の子ども(複数の無作為化試験)
何を
オルソケラトロジー
何と比べて
単焦点眼鏡・通常のコンタクトなど
どうなった
眼軸長の伸びの差: 1年 −0.19mm(95%CI −0.23〜−0.15)、2年 −0.28mm(−0.38〜−0.19)。確実性は非常に低〜中
眼軸長の伸びの抑制(7研究のメタ解析)Si JK, et al. Orthokeratology for myopia control: a meta-analysis. Optom Vis Sci. 2015;92(3):252-257
誰に
6〜16歳の近視の子ども435人(7研究)
何を
オルソケラトロジー
何と比べて
眼鏡・コンタクトの対照群
どうなった
2年後の眼軸長の伸びの差 −0.26mm(95%CI −0.31〜−0.21、p<0.001)
角膜感染症の頻度(米国の子ども)Bullimore MA, et al. Eye Contact Lens. 2021;47(7):420-425
誰に
2018年にオルソケラトロジーを装用していた米国の子ども約9,400〜10,300人
何を
オルソケラトロジー
何と比べて
日中装用ソフトコンタクトの既知の発生率との比較
どうなった
微生物性角膜炎5例、1万人・年あたり4.9〜5.3件。「以前の米国の研究より低く、日中装用ソフトコンタクトと同程度」
日本のガイドラインの位置づけ日本コンタクトレンズ学会オルソケラトロジーガイドライン委員会「オルソケラトロジーガイドライン(第2版)」日眼会誌 2017;121(12)(2017年12月10日発効)
誰に
屈折値が安定している近視・乱視の人
何を
オルソケラトロジー
何と比べて
眼鏡・通常のコンタクト・屈折矯正手術
どうなった
適応年齢は20歳以上が原則、20歳未満は慎重処方。近視−4.00Dまで・乱視−1.50D以下が原則。禁忌12項目。「長期予後についてはなお不確定な要素がある」「レンズ使用中止で元の屈折状態に戻る」

※ 別々の試験の数値を並べています。試験ごとに対象者・期間・条件が異なるため、本来、数値同士を直接比べることはできません。それを承知のうえで、目安として並べています。

③ まだ答えの出ていないこと

④ 副作用 ── 起こりやすい人・起こる時期・備え

添付文書と臨床試験の報告に基づきます。頻度や重さはあなたの条件で変わります。ここに無い症状が出たときも、処方元に連絡してください。

装用開始〜数週間数か月年単位やめたとき角膜の傷・びらん見え方の不安定・ハロー角膜感染症(微生物性・アカントアメーバ)レンズの破損・紛失やめたときの戻りよくある重大(まれでも見逃さない)
図|副作用の起こる時期のめやす。下の各項目の「起こる時期」の記述を、当サイトが図にした定性的な整理です。幅には個人差があり、この図の外で起こることもあります。頻度の大小を示すものではありません。感染症の帯が全期間なのは、リスクが装用中ずっと続くためです。頻度の大小を示すものではありません。出典: 添付文書・臨床報告(詳細は下の各項目と出典欄)/加工: あり(時期の記述の図示)
角膜感染症(微生物性・アカントアメーバ)重大
起こりやすい人
レンズケアが不十分な人、水道水でレンズをすすぐ人、定期検診に来ない人、子ども(自分でケアできない場合)。
起こる時期
装用中いつでも。
備え
1万人・年あたり約5件。失明や角膜移植に至る例がありえます。目の痛み・充血・見えにくさが出たら装用を中止して即受診。ガイドラインはこすり洗い・ポビドンヨード消毒・ケースの乾燥と交換を定めています。
角膜の傷・びらんよくある
起こりやすい人
誰にでも。装用初期、レンズの汚れ・破損。
起こる時期
装用開始〜数週間、以後も。
備え
痛み・充血で気づきます。放置すると感染の入口になります。
見え方の不安定・ハローよくある
起こりやすい人
矯正度数の大きい人、暗所で瞳孔が大きい人(慎重処方)。
起こる時期
装用開始〜数か月、日中の後半。
備え
夕方に視力が下がる、夜間に光がにじむ。運転をする人は特に注意。
レンズの破損・紛失よくある
起こりやすい人
子ども。
起こる時期
随時。
備え
交換費用が片眼4〜7万円の施設あり。定額制の施設は交換無償の場合があります。
やめたときの戻りよくある
起こりやすい人
受けたすべての人。
起こる時期
中止後数日〜数週間。
備え
角膜の形は元に戻り、裸眼視力は元の近視に戻ります。抑制された分の進行が戻るかは未解決です。

⑤ やめるとき

いつまで続けるのか

効果は装用中だけ持続します。近視抑制目的なら、近視が進みやすい時期(小学生〜10代後半)を通して続けることになり、数年〜10年単位です。

途中でやめられるか

いつでもやめられます。角膜は元の形に戻り、裸眼視力は元に戻ります。

やめたらどうなるか

裸眼視力は数日〜数週間で元の近視に戻ります。抑制した分の進行が「戻る」(リバウンド)かどうかは未解決です。

お金はどうなるか

定額制は解約条件(最低契約期間、途中解約時のレンズ代精算)を確認してください。買い切り型はレンズ寿命(2年)ごとの交換費用が続きます。

⑥ 価格

A施設は両眼220,000円(片眼110,000円、1年間の定期検査込み、適応検査5,500円、2年目以降の検査5,500円/回、低濃度アトロピン併用セット253,000円)。B施設は基本157,500円(適応検査込み、定期検査3,300円/回、レンズ更新47,500円・破損58,500円・紛失69,500円/片眼、レンズ寿命2年)。C施設は定額制で初期費用62,000〜70,000円+月額9,900〜11,000円(初年度170,800〜202,000円、2年目以降は定期検査無料・2年ごとレンズ無償交換)。買い切り型と定額制で数年後の総額が逆転します。3施設の確認で、相場ではありません。

承認レンズですが保険適用がなく、公定価格はありません。表示価格がすべてです。子どもは数年〜10年続けることが多く、初年度価格ではなく「レンズ交換(2年ごと)+定期検査+紛失・破損」を含めた5年総額で比べてください。観測日2026-09-05、施設名は扱いません。

⑦ 診察で聞くこと

そのまま読み上げられる形にしています。答えをはぐらかされた質問は、それ自体が判断の材料になります。

  1. 処方する医師は眼科専門医で、学会とメーカーの講習を受けていますか。
  2. 使うレンズの製品名と承認番号は何ですか。私(子ども)の年齢は臨床試験の対象年齢に入っていますか。
  3. 感染を防ぐケアの手順(こすり洗い・消毒・ケース交換)を書面でもらえますか。目が痛いときは夜間でも連絡できますか。
  4. 定期検査は何か月ごとで、2年目以降の費用とレンズ交換の費用はいくらですか。
  5. 近視の度数は原則(−4.00D以下)に入っていますか。入っていない場合、日中に眼鏡が要りますか。

関連する読みもの

出典

最終確認日 2026-09-05/内容をあらためたときは訂正の記録に残します。

  1. 日本コンタクトレンズ学会オルソケラトロジーガイドライン委員会「オルソケラトロジーガイドライン(第2版)」日眼会誌 2017;121(12):936-(2017年12月10日発効)処方者要件(眼科専門医・講習)、適応年齢(20歳以上原則、20歳未満慎重処方)、近視−4.00D・乱視−1.50D以下、角膜屈折力39〜48D、禁忌12項目、慎重処方(未成年:承認レンズの臨床試験年齢は20歳/19歳以上)、感染対策(こすり洗い・ポビドンヨード・ケース)、中止で元に戻る。日本眼科学会サイトのPDF原文を確認
  2. Lawrenson JG, et al. Interventions for myopia control in children: a living systematic review and network meta-analysis. Cochrane Database Syst Rev. 2023;2:CD014758オルソケラトロジーの眼軸長: 1年−0.19mm、2年−0.28mm。確実性は非常に低〜中。PubMed抄録で確認
  3. Si JK, et al. Orthokeratology for myopia control: a meta-analysis. Optom Vis Sci. 2015;92(3):252-2577研究・435人。2年で−0.26mm(−0.31〜−0.21)。PubMed抄録で確認
  4. Bullimore MA, et al. The Incidence of Microbial Keratitis With Overnight Corneal Reshaping Lenses: A Survey of Contact Lens Practitioners. Eye Contact Lens. 2021;47(7):420-425子ども約1万人で5例、1万人・年あたり4.9〜5.3件。PubMed抄録で確認
  5. 複数の眼科公開ページ(2026-09-05確認、3施設)初年度両眼220,000円(1年検査込み)、157,500円(更新47,500円/片眼)、定額制170,800〜202,000円。1施設は「2009年に国の承認」、1施設は製品名マイエメラルドと承認の記載。施設名は扱いません