自由診療の料金・リスク・根拠を、受ける前に。医院レポート5院 · 資料確認 2026-09-21
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低濃度アトロピン点眼(子どもの近視進行抑制)

別の言い方: 低濃度アトロピン/リジュセア/マイオピン/近視進行抑制 点眼/子ども 近視 目薬/アトロピン 0.01%/0.025%/近視 進行 止める

承認された近視の目薬です。効果は「進行を4割減らす」で、止めるわけではありません。何年続けるかと、いつやめるかが、この薬の本当の論点です。

結論 ── うたわれている効果は
近視の進行を約4割抑えます。承認薬ですが薬価がなく、全額自己負担で何年も続ける薬です

リジュセアミニ点眼液0.025%は、2024年12月27日に日本で初めて「近視の進行抑制」の効能で承認され、2025年4月に発売されました。5〜15歳の299人の国内試験で、24か月後の近視度数の進行は本剤−1.006D、プラセボ−1.643Dで、差は0.637D(95%CI 0.469〜0.805、p<0.0001)。進行を約39%抑えた計算です。副作用は15.6%で、主なものはまぶしさ(羞明)9.0%。薬価基準に収載されていないため保険が使えず、1か月4,000〜4,380円の薬代に診察・検査料が加わります。

1添付文書の国内第II/III相試験: 5〜15歳、−1.0〜−6.0Dで1年以内に0.5D以上進行した近視の子ども299人。24か月後の調節麻痺下の等価球面度数の変化は本剤群(101人)−1.006D、プラセボ群(99人)−1.643D、群間差0.637D(95%CI 0.469〜0.805、p<0.0001)で優越性が検証されました。
20.637÷1.643=約39%の進行抑制にあたります(当サイト計算)。眼軸長の伸びの抑制率はメーカーの発表や報道で約32%とされますが、添付文書の本文に数値はありません。
3副作用は本剤群122人中19人(15.6%)、主なものは羞明9.0%(11/122)。添付文書の副作用表では羞明が5%以上、視力障害・霧視・瞳孔障害が1〜5%、調節障害・眼瞼湿疹・グレアが1%未満、頭痛も記載されています。
4参天製薬は「薬価基準未収載医薬品として販売予定のため、健康保険等の公的医療保険の給付対象外」と発表しています。承認薬なのに自由診療になる、めずらしい薬です。
エビデンスの水準
★★
2024年に国内承認・国内第II/III相試験あり・薬価未収載
承認の状況
承認薬(薬価未収載のため自由診療)
価格の幅
薬剤1箱(30日分)4,000〜4,380円+診察・検査料(3施設)
1か月分の薬剤費と、処方・検査の表示価格(税込)

① 国内で承認されている使い方

リジュセアミニ点眼液0.025%(アトロピン硫酸塩水和物、参天製薬)は2024年12月27日に「近視の進行抑制」の効能で承認、2025年4月21日発売。1回1滴、1日1回就寝前に点眼します。薬価基準に収載されておらず、保険は使えません。承認前から一部の眼科で使われていた海外製の0.01%点眼(マイオピンなど)は国内未承認です。

対象
国内での承認
リジュセアミニ点眼液0.025%(参天製薬)
承認(2024年12月27日)。効能「近視の進行抑制」。薬価未収載のため自由診療
海外製の0.01%・0.025%アトロピン点眼(マイオピンなど)
国内未承認。医師の個人輸入。承認前から使われていた
0.01%(国内試験の対照用量)
承認された濃度ではない(承認は0.025%のみ)
オルソケラトロジーとの併用
上乗せ効果は当サイト未確認(別ページ)
—承認薬でも「薬価未収載」なので、診察も検査も自由診療になります。同じ受診で保険の検査と混ぜられない(混合診療)ため、施設によって費用の組み立てが違います。
—対象は「近視が進行している子ども」です。試験の対象は5〜15歳、−1.0〜−6.0D、1年で0.5D以上の進行がある子でした。すでに進行が止まった年齢では効果の根拠がありません。
—保存剤を含まない1回使い切り容器で、開封後は残液を捨てます。1か月30本で1箱です。

② 臨床試験で確かめられていること

効果は「進行を約4割抑える」です。近視が治る、止まる、ではありません。2年で0.64Dの差は、眼鏡の度数で1段階程度です。

効果は点眼中だけ持続すると考えられます。試験は36か月まで行われ、プラセボから切り替えた群でも差が出ました。やめた後にどうなるかの長期データは限られています。

国際的には0.01〜0.05%の濃度で複数の試験があり、Cochraneレビュー(2023)はアトロピン点眼の効果を確実性「非常に低〜中」としています。

まぶしさは約1割に出ます。夜に点眼する設計は、日中のまぶしさを減らすためです。

国内第II/III相試験(承認の根拠)リジュセアミニ点眼液0.025% 添付文書 17.1.1(KEGG MEDICUS収載版で確認)
誰に
5〜15歳、調節麻痺下の等価球面度数−1.0〜−6.0D、1年以内に0.5D以上進行した近視の子ども299人
何を
アトロピン0.025%点眼、1回1滴、1日1回就寝前、24か月(その後12か月の第II期)
何と比べて
プラセボ点眼(0.01%群もあり、承認外)
どうなった
24か月後の等価球面度数の変化: 本剤−1.006D(101人)vs プラセボ−1.643D(99人)、差0.637D(95%CI 0.469〜0.805、p<0.0001)。副作用15.6%、羞明9.0%
近視進行抑制の介入全体(Cochraneレビュー)Lawrenson JG, et al. Interventions for myopia control in children: a living systematic review and network meta-analysis. Cochrane Database Syst Rev. 2023;2:CD014758
誰に
近視の子ども(複数の無作為化試験、1年38研究・6,525人、2年26研究・4,949人)
何を
アトロピン点眼(各濃度)、オルソケラトロジー、多焦点眼鏡・コンタクトなど
何と比べて
単焦点眼鏡・プラセボ
どうなった
アトロピンは屈折度・眼軸長の進行を抑制(高濃度で最大、1年で屈折0.90D・眼軸−0.33mm、2年で1.26D・−0.47mm)。低濃度の数値は抄録に個別記載なし。確実性は非常に低〜中

この数値はレビュー論文を通じて確認したものです。原著論文そのものの確認は済んでいません。

眼軸長の抑制率と長期データ当サイトによる調査(2026-09-05)
誰に
国内試験の参加者
何を
アトロピン0.025%点眼
何と比べて
プラセボ
どうなった
眼軸長の抑制率(約32%と報道)は添付文書の本文に数値がなく、当サイトは原典で確認できていません。36か月以降のデータ、中止後のリバウンドのデータは確認できませんでした

※ 別々の試験の数値を並べています。試験ごとに対象者・期間・条件が異なるため、本来、数値同士を直接比べることはできません。それを承知のうえで、目安として並べています。

③ まだ答えの出ていないこと

④ 副作用 ── 起こりやすい人・起こる時期・備え

添付文書と臨床試験の報告に基づきます。頻度や重さはあなたの条件で変わります。ここに無い症状が出たときも、処方元に連絡してください。

点眼開始〜数週間数か月年単位(継続中)やめたときまぶしさ(羞明)近くが見えにくい(調節障害・霧視)アレルギー性結膜炎・眼瞼湿疹効果不足(進行が続く)やめたときのリバウンド(懸念)よくある重大(まれでも見逃さない)
図|副作用の起こる時期のめやす。下の各項目の「起こる時期」の記述を、当サイトが図にした定性的な整理です。幅には個人差があり、この図の外で起こることもあります。頻度の大小を示すものではありません。重大な副作用は添付文書に記載がありません。帯はすべて「よくある」側で、この薬の課題は安全性より「何年続け、いつやめるか」にあります。出典: 添付文書・臨床報告(詳細は下の各項目と出典欄)/加工: あり(時期の記述の図示)
まぶしさ(羞明)よくある
起こりやすい人
誰にでも。国内試験で9.0%。
起こる時期
点眼開始〜継続中。翌朝〜日中。
備え
瞳孔が開くためです。屋外でつばのある帽子やサングラスを。夜に点眼する設計です。
近くが見えにくい(調節障害・霧視)よくある
起こりやすい人
誰にでも。1〜5%で霧視、1%未満で調節障害。
起こる時期
点眼開始〜継続中。
備え
読書や勉強で気づきます。強ければ受診を。
アレルギー性結膜炎・眼瞼湿疹よくある
起こりやすい人
傾向は確立していません。
起こる時期
数週間〜。
備え
かゆみ・充血・まぶたの赤みが続くなら中止して相談。
効果不足(進行が続く)よくある
起こりやすい人
受けたすべての人。効果は約4割の抑制で、止まるわけではない。
起こる時期
半年〜1年の検査で判明。
備え
眼軸長・屈折の定期検査で効果を確認しながら続けるかを決めます。
やめたときのリバウンド(懸念)よくある
起こりやすい人
中止した人。
起こる時期
中止後数か月〜。
備え
高濃度アトロピンで報告がある現象で、0.025%での大きさは分かっていません。

⑤ やめるとき

いつまで続けるのか

承認試験は36か月まで。実際には近視の進行が落ち着く年齢(10代後半)まで続けることが想定され、数年〜10年です。終わりの目安は添付文書に示されていません。

途中でやめられるか

いつでもやめられます。離脱症状はありません。

やめたらどうなるか

抑制効果は失われ、進行は元のペースに戻ると考えられます。リバウンド(一時的に速まる)の有無と大きさは、0.025%では分かっていません。

お金はどうなるか

月ごとの支払いです。年間管理費のある施設は、途中でやめたときの返金条件を確認してください。

⑥ 価格

A施設は薬剤4,380円+処方料1,200円(初回5,580円、当日持ち帰りは13,240円)、定期検査3,300円。B施設は薬剤4,000円(1箱30本)、処方料等の記載なし。C施設は薬剤4,380円+初回診察・処方3,300円、継続は年間管理費17,600円(3か月ごとの検査込み)+薬剤4,380円/月。院外処方で薬局価格になる施設もあります。年額は薬剤約5万円+検査・管理費1.3〜2万円で6〜7万円前後。3施設の確認で、相場ではありません。

承認薬ですが薬価未収載のため、薬の価格も診察料も施設が決めます。表示価格がすべてです。数年続ける前提の薬なので、年額×年数で考えてください。「当日持ち帰り」の高い価格設定や「年間管理費」の有無で施設差が出ます。観測日2026-09-05、施設名は扱いません。

⑦ 診察で聞くこと

そのまま読み上げられる形にしています。答えをはぐらかされた質問は、それ自体が判断の材料になります。

  1. 私の子どもは試験の対象(5〜15歳、−1.0〜−6.0D、1年で0.5D以上進行)に当てはまりますか。
  2. 効果はどう確認しますか(眼軸長・屈折の検査の頻度)。効いていないと判断する基準は何ですか。
  3. 何歳まで続ける想定ですか。やめるときの目安と、リバウンドについてどう考えていますか。
  4. 薬代・診察料・検査料を合わせて、月いくら、年いくらですか。

関連する読みもの

出典

最終確認日 2026-09-05/内容をあらためたときは訂正の記録に残します。

  1. リジュセアミニ点眼液0.025% 添付文書(KEGG MEDICUS収載版で確認)国内第II/III相試験299人、24か月の等価球面度数の変化 −1.006D vs −1.643D、差0.637D(0.469〜0.805)、副作用15.6%・羞明9.0%、副作用表(羞明5%以上、視力障害・霧視・瞳孔障害1〜5%、調節障害・眼瞼湿疹・グレア1%未満)、用法(1日1回就寝前)、使い切り容器
  2. 参天製薬ニュースリリース「近視の進行抑制を目的とする日本初の点眼剤『リジュセアミニ点眼液0.025%』発売のお知らせ」2025年3月18日承認2024年12月27日、発売2025年4月21日、効能「近視の進行抑制」、薬価基準未収載のため公的医療保険の給付対象外。原文ページを確認
  3. Lawrenson JG, et al. Cochrane Database Syst Rev. 2023;2:CD014758近視進行抑制の介入のネットワークメタ解析。アトロピンの効果(濃度別の詳細は抄録に一部のみ)、確実性は非常に低〜中。PubMed抄録で確認したため二次資料扱い
  4. 複数の眼科公開ページ(2026-09-05確認、3施設)薬剤4,380円/箱+処方料1,200円+定期検査3,300円、薬剤4,000円/箱、薬剤4,380円+年間管理費17,600円、院外処方の施設。1施設は「約65%抑制」と案内(原典未確認)。施設名は扱いません