自由診療の料金・リスク・根拠を、受ける前に。医院レポート5院 · 資料確認 2026-09-21
自由診療チェック効果の根拠・リスク・費用を確かめる 診察前の質問メモ
治療をさがす›顔・肌
顔・肌

レーザートーニング(肝斑)

別の言い方: レーザートーニング/肝斑 レーザー/低出力Qスイッチ/メドライトC6/肝斑 治療/シミ トーニング/トライビーム/白斑/肝斑 悪化

薄くはなります。でも薬と同じ程度で、半年で戻り、続けるほど白い斑点のリスクが上がる。「終わりのない治療」になりやすい構造です。

結論 ── うたわれている効果は
肝斑は薄くなります。ただし薬と差がなく、効果は半年で消え、回数を重ねるほど白斑が増えます

低出力のQスイッチNd:YAGレーザーを顔全体に繰り返し当てる治療です。12研究・358人のメタ解析で、外用薬・内服薬による治療と肝斑の重症度(MASI)に差はありませんでした(p=0.57)。50研究のメタ解析では効果は8〜12週で最大になり、24週以降には消えていました。色が抜ける白斑は照射回数に比例して増えます(p=0.036)。日本の美容医療診療指針も、単独では「一般的な外用療法より優るとは結論できない」としています。

112研究・358人のメタ解析(2022)で、低出力QスイッチNd:YAGレーザー単独と薬物療法(外用・内服)のMASIの差は−0.26(95%CI −1.16〜0.64、p=0.57)で、差がありませんでした。薬と併用すると単独より1.78点改善します。
250研究・1,772人のメタ解析(2023)で、単独療法の効果は4〜8週で−0.91、8〜12週で−0.97(標準化平均差)と最大になり、24週以降は0.01と消えていました。白斑の発生率は照射回数と相関しました(p=0.036)。
3美容医療診療指針(令和3年度改訂版)は2014年のメタ解析を引き、「レーザー治療が単独療法で用いられた場合、治療後一定期間後に再燃する」「単独で行われた場合、安全性や効果に疑問が残り、一般的な外用療法より優るとは結論できない」と記載しています。
442論文の系統的レビュー(2022)は「まだら状の白斑が発生し持続することが時折報告されている」「長期追跡の結果が欠けている」と述べています。肝斑の第一選択は遮光と、外用薬・トラネキサム酸内服です。
エビデンスの水準
★★★
メタ解析あり・外用薬と差なし・回数に比例して白斑
承認の状況
承認機器あり(自由診療)
価格の幅
全顔1回 初回5,190〜8,800円/通常8,320〜16,500円(3施設)
1回の表示価格(税込・範囲は施設で異なる)

① 国内で承認されている使い方

使われるQスイッチNd:YAGレーザー(メドライトC6、トライビームなど)には国内承認機器があります。ただし「肝斑に低出力で繰り返し照射する」使い方が、その機器の承認された使用目的に含まれるかは製品ごとに確認が必要です。肝斑そのものの治療は保険適用外です。

対象
国内での承認
QスイッチNd:YAGレーザー(機器)
国内承認機器がある(美容医療診療指針の記載)。承認された使用目的は製品ごとに確認
トラネキサム酸内服(肝斑)
承認効能は出血症状など。肝斑への使用は適応外で自由診療。メタ解析で有効と指針が記載
ハイドロキノン外用
医薬品としては国内未承認。化粧品配合または医師の院内調製
高出力のQスイッチルビー・アレキサンドライトレーザー
肝斑には禁忌に近い。強い炎症で悪化することが知られている(指針)
—肝斑は診断が最重要です。両側性遅発性太田母斑(真皮メラノサイトーシス)や炎症後色素沈着との鑑別が難しく、別の病気に肝斑の治療をしても効きません。
—指針は「遮光に留意することが必須で、この指導が最も重要」とし、そのうえで美白剤やトラネキサム酸を用いる、と順序を示しています。レーザーは「外用療法や内服療法のみでは改善しない症例」の選択肢です。
—「肝斑にはレーザーが禁忌だがトーニングなら大丈夫」という案内は半分正しい説明です。低出力なら悪化しにくいのは事実ですが、効果が薬と同じで、白斑のリスクが回数で増える点は説明されないことがあります。

② 臨床試験で確かめられていること

効くかどうかで言えば、効きます。ただし「薬より効くか」で言えば、差はありませんでした。

効果は一時的です。8〜12週でピークに達し、24週以降は測れなくなります。だから「続ける」ことになり、続けるほど白斑のリスクが増えます。

薬との併用では単独より効果が高いので、レーザーは「主役」ではなく「補助」です。遮光・外用・内服の基本ができていない状態でレーザーだけ受けても、土台がありません。

日本人での長期データはなく、白斑がどの程度で、何回目から増えるかの目安は示されていません。

レーザー単独 vs 薬物療法(12研究のメタ解析)Chen J, et al. J Cosmet Dermatol. 2022;21(7)(DOI 10.1111/jocd.15126)
誰に
肝斑の患者358人(12研究)
何を
低出力1064nm QスイッチNd:YAGレーザー(レーザートーニング)
何と比べて
外用・内服の薬物療法/レーザー+薬の併用/他のレーザーとの併用
どうなった
単独 vs 薬: MASIの差−0.26(95%CI −1.16〜0.64、p=0.57)で差なし。併用 vs 単独: 1.78(0.93〜2.63、p<0.0001)で併用が優る。IPL併用 vs IPL単独: 3.23(0.65〜5.81)
効果の持続と白斑(50研究のメタ解析)Cervantes J, et al. Dermatol Surg. 2023;49(1):36-41
誰に
肝斑の患者1,772人(有効性50研究、合併症66研究)
何を
低出力Nd:YAGレーザートーニング(単独または併用)
何と比べて
治療前との比較(標準化平均差)
どうなった
単独: 4週未満−0.51、4〜8週−0.91、8〜12週−0.97、12〜24週−0.92、24週以降0.01(効果が消失)。白斑の発生率は照射回数と相関(p=0.036)。結論「併用は単独より有効で、効果は時間とともに減衰する」
レーザーの種類別の効果(22研究のメタ解析)Lai D, et al. Lasers Med Sci. 2022;37(4):2099-2110
誰に
肝斑の患者694人(22研究)
何を
低出力QスイッチNd:YAG、フラクショナルCO2、Er:YAG、1550nm、ピコ秒レーザー
何と比べて
治療前との比較
どうなった
MASIの減少: 低出力QスイッチNd:YAG −2.76(−3.53〜−1.99)、フラクショナルCO2 −9.36、ピコ秒 −0.58(有意差なし)。ただしメラニン指数は低出力QスイッチNd:YAGで有意差なし。濃い肌色では炎症後色素沈着と白斑のリスク
美容医療診療指針の評価(日本)美容医療診療指針(令和3年度改訂版)日本美容外科学会会報 Vol.44 特別号 CQ1-1-2「シミ(肝斑)にレーザーや光治療(IPL)は有効か?」解説
誰に
肝斑へのレーザー・光治療(2014年のメタ解析7研究、2018年までの無作為化試験9件・346人)
何を
低出力QスイッチNd:YAGレーザーを含むレーザー・光治療
何と比べて
外用療法、ピーリング、トラネキサム酸内服など
どうなった
「レーザー治療が単独療法で用いられた場合、治療後一定期間後に再燃する」「必ずしも外用療法よりも良い結果が得られたわけではない」「単独で行われた場合、安全性や効果に疑問が残り、一般的な外用療法より優るとは結論できない」。承認状況「国内承認機器がある」、安全性「比較的安全」

※ 別々の試験の数値を並べています。試験ごとに対象者・期間・条件が異なるため、本来、数値同士を直接比べることはできません。それを承知のうえで、目安として並べています。

③ まだ答えの出ていないこと

④ 副作用 ── 起こりやすい人・起こる時期・備え

添付文書と臨床試験の報告に基づきます。頻度や重さはあなたの条件で変わります。ここに無い症状が出たときも、処方元に連絡してください。

照射直後〜数日数週間3〜6か月半年以降・回数を重ねたとき赤み・かゆみ・点状出血炎症後色素沈着肝斑の再燃・悪化効果の消失白斑(まだら状の色抜け)よくある重大(まれでも見逃さない)
図|副作用の起こる時期のめやす。下の各項目の「起こる時期」の記述を、当サイトが図にした定性的な整理です。幅には個人差があり、この図の外で起こることもあります。頻度の大小を示すものではありません。「効果の消失」を副作用の欄に置いたのは、効果が消えることが次の照射の理由になり、それが白斑のリスクを積み上げる構造だからです。出典: 添付文書・臨床報告(詳細は下の各項目と出典欄)/加工: あり(時期の記述の図示)
白斑(まだら状の色抜け)重大
起こりやすい人
照射回数の多い人、濃い肌色の人、出力の高い設定。
起こる時期
数か月〜。回数を重ねるほど増えます。
備え
メラノサイトが減りすぎて色が抜けた状態で、治りにくいと報告されています。「白斑が出たらやめる」では遅く、何回で区切るかを先に決めてください。
肝斑の再燃・悪化よくある
起こりやすい人
誰にでも。遮光をしていない人、女性ホルモンの影響(妊娠・ピル)のある人。
起こる時期
効果消失後(3〜6か月)。出力が高すぎると直後にも悪化。
備え
レーザー単独では「一定期間後に再燃する」と指針に記載。再燃を「効いていないから追加」と受け取ると回数が増えます。
炎症後色素沈着よくある
起こりやすい人
濃い肌色の人、日焼け直後の人、出力の高い設定。
起こる時期
数週間〜数か月。
備え
肝斑と見分けがつきにくく、「肝斑が濃くなった」と誤解されることがあります。
赤み・かゆみ・点状出血よくある
起こりやすい人
誰にでも。
起こる時期
照射直後〜数日。
備え
数時間〜数日で引くのが通常です。
効果の消失よくある
起こりやすい人
受けたすべての人。
起こる時期
24週以降。
備え
メタ解析では24週以降の効果は0.01(ほぼゼロ)。効果が消えることは失敗ではなく、この治療の性質です。

⑤ やめるとき

いつまで続けるのか

終わりの基準がありません。効果が24週以降に消えるため、続けることが前提の設計になります。「5〜8回で1クール」はクリニックの設定で、その後の維持照射が案内されます。

途中でやめられるか

いつでもやめられます。離脱症状はありません。白斑が出たら、それ以上の照射はやめる判断が一般的です。

やめたらどうなるか

効果は消え、肝斑は再燃します。これは失敗ではなく、この治療の性質です。遮光と外用・内服の基本治療に戻ることになります。白斑は残ることがあります。

お金はどうなるか

回数券は未消化分の返金条件を確認してください。継続前提のため、年額で比較し、外用・内服との費用差も見てください。

⑥ 価格

A施設は全顔で初回5,190円・2回目以降8,320円・6回コース45,360円。B施設は全顔で初回8,500円・通常9,800円。C施設は頬のみで初回8,800円・通常16,500円・5回66,000円。通常価格で最安と最高は約2倍ですが、C施設は範囲が頬のみで同条件ではありません。3施設とも「初回価格」を設け、5〜8回以上を推奨しています。3施設の確認で、相場ではありません。

承認機器ですが公定価格はなく、表示価格がすべてです。「初回だけ安い」設計と「8回以上必要」の案内の組み合わせで、総額は初回価格の10倍以上になります。効果が24週で消える治療なので、年額(回数×通常価格)で考えてください。観測日2026-09-05、施設名は扱いません。

⑦ 診察で聞くこと

そのまま読み上げられる形にしています。答えをはぐらかされた質問は、それ自体が判断の材料になります。

  1. 私のシミは肝斑ですか。両側性遅発性太田母斑や老人性色素斑と、どう見分けましたか。
  2. 遮光と、外用薬・トラネキサム酸内服を先に十分試しましたか。レーザーはその後の選択肢ですか。
  3. 何回で区切りますか。白斑が出たときの判断基準と、その後の対応は何ですか。
  4. 使う機器の製品名は何ですか。1回の価格と、区切りまでの総額はいくらですか。

関連する読みもの

出典

最終確認日 2026-09-05/内容をあらためたときは訂正の記録に残します。

  1. 美容医療診療指針(令和3年度改訂版)日本美容外科学会会報 Vol.44 特別号(PDF)CQ1-1-2「シミ(肝斑)にレーザーや光治療(IPL)は有効か?」肝斑の診断と鑑別、遮光の重要性、トラネキサム酸のメタ解析、高出力レーザーでの悪化、Halachmi 2014(7研究)「単独では安全性や効果に疑問が残り、一般的な外用療法より優るとは結論できない」、Zhang 2018(9 RCT・346人)でPGAはレーザーが薬より優るがmMASIは併用が単独より優る、承認状況「国内承認機器がある」。PDF原文を確認。推奨度の記号は本文レイアウト上、当サイトが特定できていません
  2. Chen J, et al. Low-fluence 1064 nm Q-switched Nd:YAG laser for melasma: a meta-analysis and systematic review. J Cosmet Dermatol. 2022;21(7)12研究・358人。単独 vs 薬 MD −0.26(p=0.57)で差なし。併用は単独より1.78点改善。PubMed抄録で確認
  3. Cervantes J, et al. Efficacy and Safety of Low Fluence Nd:YAG Laser Treatment in Melasma: A Meta-Analysis and Systematic Review. Dermatol Surg. 2023;49(1):36-41有効性50研究・1,772人、合併症66研究。効果は8〜12週が最大で24週以降0.01。白斑は照射回数と相関(p=0.036)。PubMed抄録で確認
  4. Lee YS, et al. Low-Fluence Q-Switched Nd:YAG Laser Treatment for Melasma: A Systematic Review. Medicina (Kaunas). 2022;58(7):93642論文。まだら状白斑が発生し持続することが時折報告、長期追跡の欠如、3か月後の再発率が高い研究あり。PubMed抄録で確認
  5. Lai D, et al. Laser therapy in the treatment of melasma: a systematic review and meta-analysis. Lasers Med Sci. 2022;37(4):2099-211022研究・694人。低出力QスイッチNd:YAGのMASI −2.76、メラニン指数は有意差なし。PubMed抄録で確認
  6. 複数のクリニック公開ページ(2026-09-05確認、3施設)全顔 初回5,190円・通常8,320円・6回45,360円/初回8,500円・通常9,800円/頬 初回8,800円・通常16,500円・5回66,000円。機器はメドライトC6、トライビーム。3施設とも白斑・肝斑悪化への言及なし。施設名は扱いません