自由診療の料金・リスク・根拠を、受ける前に。医院レポート5院 · 資料確認 2026-09-21
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脂肪冷却(クールスカルプティング)

別の言い方: クールスカルプティング/クルスカ/脂肪凍結/クライオリポリシス/脂肪冷却 効果/脂肪冷却 副作用/逆説的過形成/部分痩せ 切らない

承認された「切らない部分痩せ」です。効果は厚さ数mm、体重は変わらず、数百人に1人は逆に膨らみます。

結論 ── うたわれている効果は
皮下脂肪の厚みは減ります。体重は減りません。まれに逆に増えます

クールスカルプティングは「部分的に皮下脂肪を冷却し、減少させる装置」として国内承認されています。承認時の試験では16週後に脂肪層の厚みが腹部で平均1.9mm、脇腹で1.3mm減りました。添付文書は「体重の減少を意図するものではない」と明記しています。0.033%(添付文書)〜0.22%(2025年のメタ解析)で脂肪が逆に増える「逆説的過形成」が起こり、治すには脂肪吸引が必要です。

1承認時の米国試験(腹部60人)で、施術前と16週後の写真を評価者が正しく見分けられた割合は85.3%、超音波で測った脂肪層の厚みは平均1.9mm減少。脇腹(25人)では78.2%、1.3mmでした。重篤な有害事象はありませんでした。
219研究の系統的レビューでは、脂肪の減少はキャリパー(皮下脂肪の厚み)で14.67〜28.5%、超音波で10.3〜25.5%。クリニックの「約20%減」はこの範囲の数字ですが、「厚みの20%」であって体重や体脂肪率の20%ではありません。
3添付文書は「本品は体重の減少を意図するものではない」「BMIが30以下の患者に使用すること」「同一部位は2回まで」「皮下脂肪1cm未満の部位には使用しない」と定めています。
4逆説的過形成(施術部位の脂肪が硬く盛り上がる)は添付文書で0.033%(海外市販後調査)ですが、28研究・13,078人のメタ解析では0.22%(455人に1人)で、著者は「製造販売元の報告より高い」としています。永続的で、治すには脂肪吸引などの手術が必要です。
エビデンスの水準
★★★
承認機器・効果量は「厚さ1.3〜1.9mm」
承認の状況
承認機器(自由診療)
価格の幅
1エリア 29,800〜88,000円(3施設・税込)
アプリケータ1個分(1エリア)の表示価格(税込)

① 国内で承認されている使い方

クールスカルプティング(コントロールユニット)は医療機器承認番号22900BZX00410000で、管理医療機器・特定保守管理医療機器として承認されています。「脂肪冷却」として案内される機器には、この承認品以外の製品もあります。機器の製品名と承認番号を聞けば、PMDAの情報で自分で確かめられます。

対象
国内での承認
クールスカルプティング コントロールユニット(承認番号22900BZX00410000)
承認。使用目的「部分的に皮下脂肪を冷却し、減少させる装置。体重の減少を意図するものではない」
吸引型アプリケータ(CoolMini 顎下、CoolAdvantage 腹部・側腹部・太腿内側など)/フラットアプリケータ(太腿外側)
製造販売届出品(承認品と組み合わせて使用)
その他の「脂肪冷却」機器
製品ごとに異なる。承認の有無を製品名で確認
—「厚労省が唯一認めた脂肪減少機器」と案内する施設があります。承認機器であることは事実ですが、当サイトは他の脂肪減少機器の承認の有無を全数確認していません。
—添付文書の適用はBMI30以下、皮下脂肪1cm以上、同一部位2回まで、施術間隔2か月です。「何回でも」「太っている人ほど効く」という案内は添付文書と食い違います。
—上腕内側(尺骨神経の圧迫)、膝の裏(深部静脈血栓症)、顔・頭部・首(顎下の専用アプリケータを除く)、生殖器などは使用してはいけない部位です。

② 臨床試験で確かめられていること

効果は「ある」と言えます。承認申請の試験で、写真の前後を第三者が見分けられ、超音波で厚みが減っています。問題はその大きさです。

厚みの減少は腹部で平均1.9mm、脇腹で1.3mm(16週後)。クリニックが示す「約20%」は皮下脂肪の厚みの割合で、体重・体脂肪率の話ではありません。

添付文書は体重減少を意図しないと明記しています。効果が体感できる程度のBMIの人を対象に、部分的な「プチ減量」を目的とする機器だと、審査報告書にも書かれています。

日本人26人の試験では知覚鈍麻62%、知覚過敏30%、皮下出血23%と、一時的な副作用の頻度は海外より高く報告されました(評価方法の違いによる可能性を審査側は指摘)。いずれも2か月以内に消えています。

承認時の臨床試験(腹部・米国)クールスカルプティング 添付文書 2023年8月(第1版)臨床成績 ZA10-001
誰に
腹部に肉眼で分かる脂肪のある60人(アジア人2人)。施術前の月に4.5kg以上の体重変動がない人
何を
クールスカルプティングによる腹部の冷却(2回施術)
何と比べて
同じ人の施術前の写真・超音波(対照群なし)
どうなった
16週後、3人の評価者が施術前後の写真を正しく識別できた割合85.3%。超音波で脂肪層の厚みが平均1.9mm減少。重篤な有害事象なし。9週目に中等度のしびれ・刺痛9人、浮腫1人(16週でほぼ消失)
承認時の臨床試験(脇腹・米国)同上 ZA12-005
誰に
脇腹に脂肪のある25人(アジア人13人)
何を
クールスカルプティングによる側腹部の冷却
何と比べて
施術前との比較(対照群なし)
どうなった
16週後の写真識別78.2%。脂肪層の厚み平均1.3mm減少。重篤な有害事象なし
効果量の系統的レビューIngargiola MJ, et al. Cryolipolysis for fat reduction and body contouring: safety and efficacy of current treatment paradigms. Plast Reconstr Surg. 2015;135(6):1581-1590
誰に
19研究(対象者数・条件は研究ごとに異なる)
何を
冷却脂肪減少(各種アプリケータ)
何と比べて
施術前との比較が中心
どうなった
皮下脂肪の厚みの減少: キャリパー14.67〜28.5%、超音波10.3〜25.5%。副作用は発赤・腫れ・痛みなど軽度で短期。逆説的過形成1例
逆説的過形成の頻度(メタ解析)Mah AE, et al. Incidence of Paradoxical Adipose Hyperplasia After Cryolipolysis: A Systematic Review and Meta-Analysis. Aesthet Surg J Open Forum. 2025;7:ojaf142
誰に
28研究・13,078人(2025年5月11日までの検索)
何を
クライオリポリシス(機種はさまざま)
何と比べて
対照群なし(頻度の統合)
どうなった
逆説的過形成0.22%(95%CI 0.10〜0.47)、455人に1人。添付文書の0.033%より高い。十分な追跡期間(16週以上)の研究は4件のみで、著者は過少報告の可能性を指摘

※ 別々の試験の数値を並べています。試験ごとに対象者・期間・条件が異なるため、本来、数値同士を直接比べることはできません。それを承知のうえで、目安として並べています。

③ まだ答えの出ていないこと

④ 副作用 ── 起こりやすい人・起こる時期・備え

添付文書と臨床試験の報告に基づきます。頻度や重さはあなたの条件で変わります。ここに無い症状が出たときも、処方元に連絡してください。

施術中〜直後数日〜3週間1〜2か月2〜6か月寒冷による溶血・じんましん発赤・皮下出血・腫れ痛み(遅発性を含む)しびれ・知覚鈍麻・知覚過敏凍傷・色素沈着深部静脈血栓症逆説的過形成(脂肪が逆に増える)よくある重大(まれでも見逃さない)
図|副作用の起こる時期のめやす。下の各項目の「起こる時期」の記述を、当サイトが図にした定性的な整理です。幅には個人差があり、この図の外で起こることもあります。頻度の大小を示すものではありません。逆説的過形成は施術後2〜6か月に現れるため、承認試験の16週の追跡では捉えきれません。「6か月以降」の欄がないのは、それ以降のデータがないためです。出典: 添付文書・臨床報告(詳細は下の各項目と出典欄)/加工: あり(時期の記述の図示)
逆説的過形成(脂肪が逆に増える)重大
起こりやすい人
傾向は確立していません。性別差は有意でなく、特定のアプリケータで報告が多い(メタ解析で34.5%がCoolCore)。
起こる時期
施術後2〜6か月。
備え
施術部位が硬く盛り上がり、自然には治りません。治すには脂肪吸引などの手術が必要です(添付文書)。起きたときの治療費を誰が負担するかを契約前に確認してください。国内でも2例が審査時に報告されています。
しびれ・知覚鈍麻・知覚過敏よくある
起こりやすい人
誰にでも。日本人26人の試験で知覚鈍麻62%、知覚過敏30%。
起こる時期
施術直後〜数週間。2か月以内に消失。
備え
承認試験でも9週目に中等度のしびれが9/58人。長引く場合は受診を。
発赤・皮下出血・腫れよくある
起こりやすい人
誰にでも。日本人試験で皮下出血23%。
起こる時期
施術直後〜3週間。
備え
1か月でほぼ消えます。抗凝固薬を使っている人は出血しやすいので慎重適用です。
痛み(遅発性を含む)よくある
起こりやすい人
慢性疼痛・寒冷過敏症・不安障害のある人は施術中の不快感が強い。
起こる時期
施術中〜数週間。
備え
市販後調査で0.017%が疼痛として報告。強い痛みが数日後に出ることがあります。
凍傷・色素沈着重大
起こりやすい人
ゲルパッドの不備、皮膚の薄い部位。
起こる時期
施術直後〜数か月。
備え
凍傷0.006%、重度の色素沈着0.009%(市販後調査)。皮膚が白くなる・水ぶくれが出たら受診を。
深部静脈血栓症重大
起こりやすい人
膝の裏への使用(禁止部位)、血栓のリスクのある人。
起こる時期
施術後数日。
備え
添付文書が重大な有害事象として挙げています。ふくらはぎの痛み・腫れ、息切れは救急です。
寒冷による溶血・じんましん重大
起こりやすい人
クリオグロブリン血症・寒冷凝集素症・発作性寒冷血色素尿症(禁忌)、寒冷じんましん・レイノー病(慎重適用)の人。
起こる時期
施術中〜直後。
備え
問診で必ず申告を。禁忌の確認をしない施設では受けないでください。

⑤ やめるとき

いつまで続けるのか

添付文書では同一部位2回まで、間隔2か月です。3回目以降の安全性は確認されていません。「効果が出るまで何回でも」は添付文書の外です。

途中でやめられるか

1回で完結するため、いつでもやめられます。

やめたらどうなるか

減った脂肪細胞は戻らないとされますが、残った細胞は体重が増えれば太ります。6か月以降の追跡データは限られています。逆説的過形成が起きた場合は、やめても消えません。

お金はどうなるか

1エリアごとの支払いです。回数券・複数エリアのセットは未消化分の返金条件を確認してください。逆説的過形成の治療(脂肪吸引)の費用負担を契約前に書面で確かめてください。

⑥ 価格

1エリア29,800円・29,800円(フラット型39,800円、4か所119,200円)・88,000円(大型150,150円、初診料3,850円)の3施設で、最安と最高で3.0倍。「1エリア」がアプリケータ1個分を指すため、腹部全体で複数エリアになります。初回限定の2エリア54,000円のような価格もありました。3施設の確認で相場ではありません。

承認機器ですが保険適用がなく、公定価格はありません。表示価格がすべてです。効果は1エリアあたり厚み1〜2mmの世界なので、「何エリアを何回か」の総額と、逆説的過形成が起きたときの手術費用まで含めて考えてください。観測日2026-09-05、施設名は扱いません。

⑦ 診察で聞くこと

そのまま読み上げられる形にしています。答えをはぐらかされた質問は、それ自体が判断の材料になります。

  1. 使う機器の製品名と承認番号を教えてください。クールスカルプティングですか、別の脂肪冷却機ですか。
  2. 私のBMIと皮下脂肪の厚さは、添付文書の適用(BMI30以下・厚さ1cm以上)に入っていますか。
  3. 逆説的過形成(脂肪が逆に増える)の説明を受けましたか。起きた場合の治療と費用はどうなりますか。
  4. 同じ部位は2回までという添付文書の上限を守っていますか。「1エリア」の定義(アプリケータ1個分か、部位か)は何ですか。

関連する読みもの

出典

最終確認日 2026-09-05/内容をあらためたときは訂正の記録に残します。

  1. クールスカルプティング(クールスカルプティング コントロールユニット)医療機器添付文書 2023年8月(第1版)承認番号22900BZX00410000(PMDA医療機器情報のPDF)使用目的「部分的に皮下脂肪を冷却し、減少させる装置。体重の減少を意図するものではない」、禁忌(クリオグロブリン血症・寒冷凝集素症・発作性寒冷血色素尿症、上腕内側・膝窩・顔頭部頸部等の部位)、重要な基本的注意(逆説的過形成0.033%・永続的・外科的処置が必要、BMI30以下、皮下脂肪1cm以上、同一部位2回まで、間隔2か月)、市販後調査に基づく有害事象頻度、臨床成績ZA10-001(60人、85.3%、1.9mm)・ZA12-005(25人、78.2%、1.3mm)。PDF原文を確認
  2. PMDA 医療機器審査報告書 クールスカルプティング コントロールユニット(2018年公表、PDF)使用目的、探索的試験の脂肪層減少率(CIF33で22.6%±3.4%等)、腹部試験118例・側腹部試験の安全性、市販後の有害事象頻度0.12%以下、逆説的過形成の国内2例、日本人26人の試験(知覚鈍麻62%・知覚過敏30%・皮下出血23%、2か月で消失)と人種差の考察。PDF原文を確認
  3. Ingargiola MJ, Motakef S, Chung MT, et al. Cryolipolysis for fat reduction and body contouring: safety and efficacy of current treatment paradigms. Plast Reconstr Surg. 2015;135(6):1581-159019研究。キャリパー14.67〜28.5%、超音波10.3〜25.5%の減少。逆説的過形成1例。PubMed抄録で確認
  4. Mah AE, et al. Incidence of Paradoxical Adipose Hyperplasia After Cryolipolysis: A Systematic Review and Meta-Analysis. Aesthet Surg J Open Forum. 2025;7:ojaf14228研究・13,078人。逆説的過形成0.22%(95%CI 0.10〜0.47)、455人に1人。製造販売元の報告より高い。PubMed抄録で確認
  5. 複数のクリニック公開ページ(2026-09-05確認、3施設)1エリア29,800円・29,800円・88,000円、大型150,150円、初診料3,850円、初回2エリア54,000円。「1回で約20%減少」「厚労省が唯一認証」の案内、逆説的過形成に言及していたのは1施設。施設名は扱いません