自由診療の料金・リスク・根拠を、受ける前に。医院レポート5院 · 資料確認 2026-09-21
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フラクショナルCO2レーザー(ニキビ跡・毛穴)

別の言い方: フラクショナルレーザー/CO2フラクショナル/炭酸ガスフラクショナル/ニキビ跡 レーザー/クレーター 治療/毛穴 レーザー/フラクショナル ダウンタイム/フラクショナル 色素沈着/eCO2/CO2RE/アキュパルス

レーザーで皮膚に穴を開けて治すという理屈は、傷の治りに賭ける理屈です。凹みは浅くなる。その代わり、日本人の肌では「治る過程」そのものが色素沈着を生みます。

結論 ── うたわれている効果は
ニキビ跡の凹みには効きます。代わりに痛み・1〜2週間の赤み・日本人では色素沈着のリスクを引き受ける治療です

炭酸ガスレーザーを点状に照射して皮膚に微小な穴を開け、治る過程でコラーゲンを作らせる治療です。8研究418人のメタ解析で、CO2はエルビウムレーザーより有効率が高く(OR 1.81)、ダウンタイムは短い一方、痛みが強く(VASで+1.77)赤みは長く(+1.85日)続きました。39試験のレビューでは、CO2で「50%以上の改善」に達した人は65%。美容医療診療指針は「効果は手術や注入剤に及ばないが選択肢の1つ」として弱く推奨し、承認状況を「フラクショナル照射のアタッチメントは1種類のみ承認」としています。承認機器CO2RE(2017年12月)以外は未承認で、施設は「薬機法上の承認を受けていない」と注記しています。全顔1回4,320〜88,000円と、施設で20倍の差があります。

1Liu 2024(8研究・418人のメタ解析): CO2フラクショナル vs エルビウムフラクショナルで、有効率はCO2が高く(OR 1.81、95%CI 1.08〜3.01)、ダウンタイムはCO2が短い(−2.11日)。痛みはCO2が強く(VAS +1.77)、赤みの期間はCO2が長い(+1.85日)。炎症後色素沈着の発生は差なし。
2Haji Mohammadi 2025(39試験・1,262人の比較試験レビュー): ニキビ跡でCO2は「50%以上の改善」65%(エルビウム55%、非蒸散型1550nm 12.5%)。「蒸散型は萎縮性瘢痕に好まれるが痛みとダウンタイムが大きく、炎症後色素沈着のリスクは肌質による」。
3美容医療診療指針(令和3年度改訂版)CQ2-1-1: 推奨度2「効果は外科手術や注入剤を用いた治療に及ばないが,瘢痕形成は稀であり体内に異物を残さないため,非外科的な方法でシワ,タルミの改善を希望する患者の選択肢の1つとして行うことを弱く推奨できる」。安全性: 「色素沈着,熱傷,瘢痕形成などの副作用に注意」。承認状況: 「炭酸ガス(CO₂)レーザーの本体については国内承認が取れているものが多いが,フラクショナル照射に必要なレーザー機器のアタッチメントについては現段階では1種類のみが医療機器として国内承認が取れている」。
4アジア人でのデータ: Qu 2025(中国人30人、分割顔): CO2側は針型RFより痛みが強く、1〜2か月後の赤み・メラニン指数が高かった。Kwon 2020(韓国人25人): 3回照射でニキビ跡スコア19.9〜32.5%改善。日本人12人の指針引用研究(Dainichi)は1540nmの非蒸散型で、CO2のRCTは国内にありません。
エビデンスの水準
★★★
メタ解析あり(有効・痛みと赤みは長い)・学会指針は弱く推奨・承認機器は1種類
承認の状況
承認機器1種類(CO2RE)/他は未承認機器(自由診療)
価格の幅
全顔1回 4,320〜88,000円(設定・機器で異なる)、5回コース 352,000円の施設あり(3施設)
全顔1回の表示価格(税込・設定と範囲で異なる)

① 国内で承認されている使い方

フラクショナルCO2レーザーは、炭酸ガスレーザー本体は承認機器が多い一方、点状照射(フラクショナル)の機能については、シネロン・キャンデラのCO2RE(コア)が2017年12月に「皮膚のフラクショナルリサーフェシングを目的とした軟組織の蒸散」で国内初の承認を取得しました。eCO2、アキュパルス、スマートサイドなど多くの機器は未承認で、医師の個人輸入です。承認の有無にかかわらず自由診療です。

対象
国内での承認
フラクショナルモード搭載 炭酸ガスレーザー コア(CO2RE、シネロン・キャンデラ)
承認(2017年12月26日、美容目的では国内初)。使用目的: 皮膚のフラクショナルリサーフェシングを目的とした軟組織の蒸散、正常軟組織の切開・病変の切除
eCO2、アキュパルス、スマートサイド、その他のフラクショナルCO2機器
国内未承認(施設が「薬機法上の承認を受けていない」と注記)。医師の個人輸入
非蒸散型フラクショナル(1540/1550nm、フラクセル等)
ダウンタイムは短いが効果は小さい(50%以上改善12.5%)。製品ごとに承認を確認
針型RF(ポテンツァ等)・ダーマペン
別ページ。ニキビ跡への効果は同程度で色素沈着が少ない(メタ解析)
—ケロイド体質、日焼け直後、活動性のニキビ・ヘルペス、イソトレチノイン内服中(6か月以内)は禁忌または慎重です(イソトレチノインについては最近のレビューが「延期の根拠は不十分」としています)。
—肝斑のある人は照射で悪化することがあります。指針の肝斑の項は「保存的治療で不十分な場合の併用」に限っています。
—「シワ・たるみ」への効果は指針が「手術や注入剤に及ばない」と明記しています。ニキビ跡の凹みと、たるみは別の期待値で受けてください。

② 臨床試験で確かめられていること

ニキビ跡の凹み(萎縮性瘢痕): 効きます。3回程度で半分以上の人が「50%以上の改善」に達しますが、完全に平らにはなりません。深いアイスピック型は組み合わせ治療が要ります。

毛穴・キメ: 改善の報告はありますが、凹みほどの根拠はありません。

痛み・赤み・かさぶたは治療の一部です。CO2はエルビウムより痛く、赤みが長い。強い設定ほど効果とダウンタイムが比例します。

PRP・ヒアルロン酸被覆・鍼など「併用で効果が上がる」報告が多いのは、単独の効果が頭打ちになることの裏返しです。

CO2 vs エルビウム(メタ解析)Liu F, et al. J Cosmet Dermatol. 2024;23(9):2768-2778
誰に
ニキビ跡などの患者418人(8研究、CO2 210人・エルビウム208人)
何を
フラクショナルCO2レーザー
何と比べて
フラクショナルEr:YAGレーザー
どうなった
有効率 OR 1.81(95%CI 1.08〜3.01)でCO2が高い。ダウンタイム −2.11日(−3.11〜−1.10)でCO2が短い。痛み(VAS)+1.77(1.32〜2.21)でCO2が強い。赤みの期間 +1.85日(1.63〜2.07)でCO2が長い。炎症後色素沈着は差なし
蒸散型 vs 非蒸散型(比較試験のレビュー)Haji Mohammadi A, et al. Lasers Med Sci. 2025;40(1):280
誰に
各種瘢痕の患者1,262人(39の比較試験、ニキビ跡が48.7%)
何を
蒸散型フラクショナル(CO2・Er:YAG)
何と比べて
非蒸散型(1550nm Er:glass、1064nm Nd:YAGなど)
どうなった
ニキビ跡で「50%以上の改善」: CO2 65%、Er:YAG 55%(差なし)、CO2 37.5% vs 1550nm 12.5%の比較も。蒸散型は痛みとダウンタイムが大きく、炎症後色素沈着のリスクは肌質による
美容医療診療指針の位置づけ日本美容外科学会(JSAPS)ほか「美容医療診療指針(令和3年度改訂版)」CQ2-1-1
誰に
シワ・たるみの改善を希望する人
何を
フラクショナルレーザー療法(FLSR)
何と比べて
外科手術・注入剤
どうなった
推奨度2(弱く推奨)。「効果は外科手術や注入剤を用いた治療に及ばない」「色素沈着,熱傷,瘢痕形成などの副作用に注意」「フラクショナル照射に必要なアタッチメントは1種類のみが国内承認」。少なくとも3件のRCTを引用(うち日本人12人は1540nm非蒸散型)
針型RF・ダーマペンとの比較Nobari NN, et al. Lasers Med Sci. 2023;38(1):67/Qu L, et al. Acta Derm Venereol. 2025;105:adv43611
誰に
10研究(Nobari)/中国人30人の分割顔(Qu)
何を
蒸散型フラクショナルレーザー(CO2・Er:YAG)
何と比べて
針型RF・マイクロニードリング
どうなった
Nobari: 60%の研究で「有意差なし」、両者とも70%以上改善〜完全奏効。Qu: 効果は同等(ECCAスコア低下)、CO2側は痛みが強く、1〜2か月後の赤み・メラニン指数が有意に高い。PubMed抄録で確認

この数値はレビュー論文を通じて確認したものです。原著論文そのものの確認は済んでいません。

併用の上乗せ(メタ解析)Aljefri YE, et al. Dermatol Ther. 2022;35(12):e15888/Zhang J, et al. Lasers Med Sci. 2023;38(1):214
誰に
中等症〜重症のニキビ跡313人(11 RCT)/623人(6研究)
何を
CO2フラクショナル+PRP/+ヒアルロン酸被覆
何と比べて
CO2フラクショナル単独
どうなった
PRP併用: 改善OR 2.56(1.37〜4.78)、満足OR 3.38、かさぶた期間短縮。ヒアルロン酸被覆: ECCA −3.37点、色素沈着RR 0.37(0.23〜0.61)。PubMed抄録で確認

この数値はレビュー論文を通じて確認したものです。原著論文そのものの確認は済んでいません。

※ 別々の試験の数値を並べています。試験ごとに対象者・期間・条件が異なるため、本来、数値同士を直接比べることはできません。それを承知のうえで、目安として並べています。

③ まだ答えの出ていないこと

④ 副作用 ── 起こりやすい人・起こる時期・備え

添付文書と臨床試験の報告に基づきます。頻度や重さはあなたの条件で変わります。ここに無い症状が出たときも、処方元に連絡してください。

照射中〜直後数日〜2週間数週間〜数か月半年〜痛み・ヒリつき赤み・腫れ・かさぶた(ダウンタイム)感染・ヘルペスの再燃熱傷・瘢痕・色素脱失炎症後色素沈着(PIH)効果不足(深い凹み・たるみ目的)よくある重大(まれでも見逃さない)
図|副作用の起こる時期のめやす。下の各項目の「起こる時期」の記述を、当サイトが図にした定性的な整理です。幅には個人差があり、この図の外で起こることもあります。頻度の大小を示すものではありません。1回ごとにこの経過を3〜5回以上繰り返します。色素沈着は照射後の遮光で減らせる副作用です。出典: 添付文書・臨床報告(詳細は下の各項目と出典欄)/加工: あり(時期の記述の図示)
痛み・ヒリつきよくある
起こりやすい人
誰にでも。CO2はエルビウムより強い(VAS +1.8)。
起こる時期
照射中〜当日。
備え
麻酔クリーム・冷却。強い設定ほど痛い。
赤み・腫れ・かさぶた(ダウンタイム)よくある
起こりやすい人
誰にでも。赤みは1〜2週間、強い設定で長い。
起こる時期
直後〜2週間。
備え
かさぶたを剥がすと色素沈着・瘢痕の原因。保湿と遮光。
炎症後色素沈着(PIH)よくある
起こりやすい人
日本人を含む色の濃い肌質、日焼け、肝斑のある人。
起こる時期
数週間〜数か月。
備え
アジア人の試験でCO2側のメラニン指数が上昇。遮光と、必要なら美白外用。多くは数か月で薄くなる。
熱傷・瘢痕・色素脱失重大
起こりやすい人
高出力、重ね打ち、ケロイド体質。
起こる時期
直後〜数か月。
備え
指針が「熱傷,瘢痕形成」を明記。白く抜けた跡は戻りにくい。
感染・ヘルペスの再燃重大
起こりやすい人
口唇ヘルペスの既往、創部の不潔。
起こる時期
数日〜1週間。
備え
既往を申告し予防内服を。膿・発熱は受診。
効果不足(深い凹み・たるみ目的)よくある
起こりやすい人
アイスピック型の深い瘢痕、たるみ改善を期待した人。
起こる時期
3〜5回後。
備え
指針は「手術や注入剤に及ばない」。深い瘢痕は切除・サブシジョン等の併用が要る。

⑤ やめるとき

いつまで続けるのか

1〜2か月ごとに3〜5回が目安。ニキビ跡では10回以上を勧める施設があり、回数の上限は決まっていません。

途中でやめられるか

いつでもやめられます。回数コースは特定商取引法の特定継続的役務(にきび・毛穴等の除去で1か月超・5万円超)に当たれば中途解約できます。

やめたらどうなるか

得られた改善は基本的に維持されます(瘢痕の再構築のため)。加齢による毛穴・たるみは進みます。

お金はどうなるか

都度払いが基本。コースの残回数の精算方法と、色素沈着で中断したときの扱いを契約前に確認。

⑥ 価格

A施設は未承認機器で全顔初回4,320円・2回目以降10,190円、強い設定(プレミアム)は11,880円・19,110円、1か月以上あけて4回程度。B施設は未承認機器(アキュパルス)で全顔44,000円(強い設定88,000円)、麻酔込み、2か月以上あけて2〜5回。C施設は承認機器CO2REで全顔88,000円、3回237,600円、5回352,000円、ニキビ跡は10回以上のこともあると記載。最安と最高で約20倍。承認機器の施設が最も高い一方、未承認機器でも88,000円の施設があり、価格は承認の有無と連動していません。3施設の確認で、相場ではありません。

公定価格はなく、「全顔」の範囲・出力設定・麻酔の有無で中身が違います。4,320円の初回価格は継続前提の設計です。ニキビ跡で5〜10回を見込むなら、5回の総額(2万〜44万円)と、それに伴うダウンタイムの日数の合計で判断してください。観測日2026-09-05、施設名は扱いません。

⑦ 診察で聞くこと

そのまま読み上げられる形にしています。答えをはぐらかされた質問は、それ自体が判断の材料になります。

  1. 使う機器の製品名と、国内承認の有無は(承認機器はCO2REのみ)。未承認なら個人輸入である旨の説明を書面でもらえますか。
  2. 私のニキビ跡の型(アイスピック・ボックスカー・ローリング)で、どのくらいの改善を何回で見込みますか。
  3. 私の肌質で色素沈着が出る確率と、出たときの対応(美白外用・照射中止)は。肝斑はありますか。
  4. ダウンタイム(赤み・かさぶた)は何日で、仕事や外出への影響は。強い設定と弱い設定の違いは。
  5. 1回の価格に麻酔・術後の薬・再診は含まれますか。コースの解約条件は。

関連する読みもの

出典

最終確認日 2026-09-05/内容をあらためたときは訂正の記録に残します。

  1. 日本美容外科学会(JSAPS)ほか「美容医療診療指針(令和3年度改訂版)」CQ2-1-1FLSRは推奨度2、副作用(色素沈着・熱傷・瘢痕)、承認状況(アタッチメントは1種類のみ承認)、RCT3件(日本人12人は1540nm)。PDF原文を確認
  2. シネロン・キャンデラ「国内初、美容目的で薬事承認取得!炭酸ガスレーザー コア」2018年1月16日2017年12月26日承認、販売名「フラクショナルモード搭載 炭酸ガスレーザー コア」、使用目的の原文。承認番号(22900BZX00428000)は検索結果で二次確認。原文ページを確認
  3. Liu F, et al. J Cosmet Dermatol. 2024;23(9):2768-27788研究418人。CO2 vs Er:YAG(有効率OR 1.81、痛み・赤みはCO2が大、PIH差なし)。PubMed抄録で確認
  4. Haji Mohammadi A, et al. Lasers Med Sci. 2025;40(1):280/Xu Y, Deng Y. Facial Plast Surg. 2018;34(2):205-21939試験(CO2で50%以上改善65%)、30研究(有効・個別設定)。PubMed抄録で確認
  5. Nobari NN, et al. Lasers Med Sci. 2023;38(1):67/Qu L, et al. Acta Derm Venereol. 2025;105:adv43611/Kwon HH, et al. Acta Derm Venereol. 2020;100(18):adv00310針型RF・ニードリングとの比較、中国人・韓国人での分割顔試験。PubMed抄録で確認したため二次資料扱い
  6. Aljefri YE, et al. Dermatol Ther. 2022;35(12):e15888/Zhang J, et al. Lasers Med Sci. 2023;38(1):214PRP併用・ヒアルロン酸被覆のメタ解析。PubMed抄録で確認したため二次資料扱い
  7. 複数のクリニック公開ページ(2026-09-05確認、3施設)4,320円(初回)〜19,110円(未承認注記あり)、44,000〜88,000円(麻酔込み、2026年5月更新)、88,000円・5回352,000円(CO2RE)。施設名は扱いません