ポテンツァ(針型RF・フラクショナルRF)
針で刺して熱を入れる。その「熱」の分だけ効くのか、針だけで足りるのか。メタ解析は割れています。割れているのに価格だけは2倍。
極細の針を皮膚に刺し、針先から高周波を流して真皮を加熱する機器です。8つの無作為化試験のメタ解析で、ニキビ跡への効果はレーザーと同等、炎症後色素沈着はレーザーの12%(RR 0.12)と少なく、赤みも短い。一方、12試験414人の別のメタ解析では、高周波なしのマイクロニードリング(ダーマペン)のほうが瘢痕の改善が大きく、Cochraneレビューは「質の高い根拠がない」と結論しています。国内承認については施設の記載が「未承認・個人輸入」で一致し、2024年に別バージョンが承認されたとの情報は当サイトで確認できていません。全顔1回27,500〜82,500円で、薬剤(未承認製剤)の導入で価格が上がります。
① 国内で承認されている使い方
ポテンツァ(Jeisys Medical、韓国)は針型RF(マイクロニードルRF)機器で、韓国MFDSの認証(2019年)はありますが、国内では未承認・医師の個人輸入と記載する施設がほとんどです。同種の針型RF機器(シルファームX、ヴィーナスバイパー等)も製品ごとに承認状況が異なります。「薬剤導入」(マックーム、ジュベルック、リジュラン、エクソソーム等)で使う製剤は多くが未承認です。自由診療です。
② 臨床試験で確かめられていること
ニキビ跡の凹み: レーザーと同等に効き、色素沈着と赤みが少ない。日本人を含むアジア人でこの利点は大きい。
針だけのマイクロニードリングとの差: 高周波の上乗せを示せていません。むしろ針だけのほうが改善が大きいというメタ解析があります。
毛穴・赤ら顔・肝斑・たるみ: 施設がうたう適応は広いが、試験の中心はニキビ跡です。「70%に効果」等の数字は機器メーカー由来のことが多い。
痛みは強い(VAS 7)。麻酔クリームが前提で、ダウンタイムは0〜2日と短い。
- 誰に
- ニキビ・ニキビ跡の患者(8つの無作為化試験)
- 何を
- フラクショナルRF(針型RF)
- 何と比べて
- レーザー(フラクショナルCO2・非蒸散型)
- どうなった
- 活動性ニキビ: RR 1.35(1.01〜1.80)でRF優位。萎縮性瘢痕: 医師評価RR 0.92(0.78〜1.08)、患者評価RR 1.15(0.99〜1.34)で同等。炎症後色素沈着: RR 0.12(0.04〜0.35)。赤み期間: SMD −0.78(−1.37〜−0.18)。痛み・かさぶたは同程度。効果判定は12週以降
- 誰に
- ニキビ跡の患者414人(12の無作為化試験)
- 何を
- フラクショナルRFマイクロニードリング
- 何と比べて
- 高周波なしのマイクロニードリング
- どうなった
- 客観的な瘢痕改善は針だけのほうが大きい(MD 0.42、95%CI −0.12〜0.73)、フラクショナルRFは5%水準で有意でない。主観的満足度は差なし。どちらも色素沈着・二次瘢痕・感染の報告なし
- 誰に
- 萎縮性ニキビ跡の789人(24試験)
- 何を
- フラクショナルレーザー・フラクショナルRF・ニードリング・ピーリングなど
- 何と比べて
- 相互比較
- どうなった
- フラクショナルレーザー vs フラクショナルRF: RR 0.78(0.36〜1.68、40人、非常に低い質)。「質の高い根拠の欠如。方法論が貧弱で検出力不足、改善の評価が標準化されていない」
- 誰に
- 顔の萎縮性ニキビ跡30人(Li、3回・8週間隔)/中等症〜重症15人(Hendel、1回)
- 何を
- 針型RF
- 何と比べて
- フラクショナルCO2レーザー(反対側の顔)
- どうなった
- Li: ECCA 54.7→30.5 vs 53.7→31.0(差なし)。針型RFは赤み・痛み・腫れ・かさぶたの期間が短く、色素沈着が少ない。Hendel: 質感の改善は両者1段階で同等(p<0.001)、CO2は2〜4日目の皮膚反応が強く、針型RFは痛みが強い(VAS 7.0 vs 5.5、p=0.009)
- 誰に
- Fitzpatrick III〜VIの患者(35論文)/42研究
- 何を
- 高周波・針型RF
- 何と比べて
- —
- どうなった
- 一過性の色素沈着(7研究)、軽度で長引く色素沈着(1)、永続的な瘢痕(1)。「色の濃い肌で瘢痕・色素沈着のリスクは低い」。適応別の研究数は若返り14・ニキビ跡7・ニキビ6・妊娠線5・腋窩多汗症5。PubMed抄録で確認
この数値はレビュー論文を通じて確認したものです。原著論文そのものの確認は済んでいません。
※ 別々の試験の数値を並べています。試験ごとに対象者・期間・条件が異なるため、本来、数値同士を直接比べることはできません。それを承知のうえで、目安として並べています。
③ まだ答えの出ていないこと
- 高周波の上乗せ効果。針だけ(ダーマペン)と比べて優れるかは、メタ解析どうしで結論が逆です。
- 国内の承認状況。施設の記載(未承認)と検索情報(2024年に一部承認)が食い違い、当サイトはメーカーの承認情報を確認できていません。
- 「薬剤導入」(PLLA・ポリヌクレオチド・エクソソーム)の上乗せ効果と製剤の安全性。
- たるみ・毛穴・赤ら顔・肝斑への効果。試験の中心はニキビ跡です。
④ 副作用 ── 起こりやすい人・起こる時期・備え
添付文書と臨床試験の報告に基づきます。頻度や重さはあなたの条件で変わります。ここに無い症状が出たときも、処方元に連絡してください。
- 起こりやすい人
- 誰にでも。CO2レーザーより強い(VAS 7.0)。
- 起こる時期
- 施術中。
- 備え
- 麻酔クリーム必須。針の深さと出力で変わる。
- 起こりやすい人
- 誰にでも。
- 起こる時期
- 直後〜数日(0〜2日のダウンタイム)。
- 備え
- 針の跡が格子状に見えることがあります。
- 起こりやすい人
- 抗凝固薬・サプリ、頬骨など血管の多い部位。
- 起こる時期
- 数日〜10日。
- 備え
- 7〜10日で消えます。
- 起こりやすい人
- 色の濃い肌質、日焼け、肝斑。レーザーより少ない(RR 0.12)。
- 起こる時期
- 数週間〜数か月。
- 備え
- 2〜6か月で改善と施設は説明。遮光を。
- 起こりやすい人
- 針の不潔、ケロイド体質、出力過多。
- 起こる時期
- 数日〜数か月。
- 備え
- 永続的な瘢痕の報告は少数。膿・発熱は受診。
- 起こりやすい人
- 未承認製剤(PLLA・エクソソーム等)を導入した人。
- 起こる時期
- 数週間〜数か月。
- 備え
- 製剤の名前と承認の有無を確認。しこりは数か月残ることがあります。
- 起こりやすい人
- 深い凹み、たるみ目的。
- 起こる時期
- 3回後(判定は12週以降)。
- 備え
- 針だけのマイクロニードリングと差がない可能性。価格差に見合うかを聞く。
⑤ やめるとき
1〜2か月ごとに3回程度が1クール。効果判定は最終回から12週以降で、その後の追加は施設の勧めによります。
いつでもやめられます。回数コースは特定商取引法の特定継続的役務(にきび・毛穴等の除去で1か月超・5万円超)に当たれば中途解約できます。
瘢痕の改善は基本的に維持されます。たるみ目的の効果は戻ります。
都度払いが基本。コースの残回数の精算と、薬剤導入の有無で価格が変わる点を契約前に確認。
⑥ 価格
A施設は肝斑・毛穴・赤ら顔35,200円、ニキビ49,500円、ニキビ跡(マックーム導入)82,500円、美肌導入66,000円、ダイヤモンドチップ400ショット33,000円(未承認の注記あり)。B施設はショット数制で、ダイヤモンド500ショット21,780円、薬剤導入500〜1,000ショット41,580〜58,080円、組み合わせ63,360〜74,360円。C施設は両頬27,500円・全顔49,500円、マックーム導入で44,000円・66,000円、ダイヤモンドチップ全顔55,000円(3回156,750円、5回220,000円)、未承認の注記あり。同じ「全顔・導入なし」で最安と最高が約1.8倍、導入つきで約2倍。3施設の確認で、相場ではありません。
未承認機器・未承認製剤で公定価格はなく、表示価格がすべてです。「薬剤導入」で価格が1.5〜2倍になりますが、上乗せ効果の無作為化試験は限られます。針だけのマイクロニードリング(ダーマペン、全顔1〜3万円台)と効果に差がないというメタ解析があるので、価格差の理由を聞いてください。観測日2026-09-05、施設名は扱いません。
⑦ 診察で聞くこと
そのまま読み上げられる形にしています。答えをはぐらかされた質問は、それ自体が判断の材料になります。
- この機器は国内承認機器ですか、未承認・個人輸入ですか。承認番号があれば教えてください。
- 私のニキビ跡に、針だけのマイクロニードリング(ダーマペン)ではなくポテンツァを勧める根拠は何ですか。価格差は何の差ですか。
- 「薬剤導入」を勧めるなら、製剤の名前・承認の有無・しこりの報告について教えてください。導入なしの価格はいくらですか。
- 私の肌質での色素沈着のリスクと、出たときの対応は。肝斑はありますか。
- 何回で判定し(12週以降)、効かなければどうしますか。コースの解約条件は。
関連する読みもの
出典
最終確認日 2026-09-05/内容をあらためたときは訂正の記録に残します。
- Li J, et al. J Cosmet Dermatol. 2022;21(12):6754-67668 RCTのメタ解析。ニキビRR 1.35、瘢痕は同等、PIH RR 0.12、赤み短縮。PubMed抄録で確認
- Shen YC, et al. Aesthetic Plast Surg. 2022;46(4):1913-192212 RCT 414人。針だけのほうが瘢痕改善が大きい。PubMed抄録で確認
- Abdel Hay R, et al. Cochrane Database Syst Rev. 2016;4:CD01194624試験789人。レーザー vs RF RR 0.78(非常に低い質)、質の高い根拠の欠如。PubMed抄録で確認
- Li W, et al. J Dermatolog Treat. 2026;37(1):2687842/Hendel K, et al. Lasers Surg Med. 2023;55(4):335-343CO2との分割顔試験。効果同等、針型RFは回復が早く色素沈着が少ないが痛い。PubMed抄録で確認
- Syder NC, et al. Dermatol Surg. 2023;49(5):489-493/Tan MG, et al. Dermatol Surg. 2021;47(6):755-761色の濃い肌での安全性、適応別の研究数。PubMed抄録で確認したため二次資料扱い
- 複数のクリニック公開ページ(2026-09-05確認、3施設)27,500〜82,500円、ショット数制21,780〜58,080円、3回133,650〜178,200円。「薬機法上の承認を受けていない」「MFDS 2019年認証」の記載。2024年承認の情報はメーカーサイト(Jeisys Medical Japan)で確認できず。施設名は扱いません