自由診療の料金・リスク・根拠を、受ける前に。医院レポート5院 · 資料確認 2026-09-21
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検査・予防

帯状疱疹ワクチン(任意接種・定期接種)

別の言い方: 帯状疱疹ワクチン/シングリックス/帯状疱疹 予防接種 費用/帯状疱疹 ワクチン 50歳/帯状疱疹 定期接種 65歳/生ワクチン 不活化 違い/帯状疱疹後神経痛 予防/ワクチン 副反応 シングリックス/任意接種 自費

自由診療の中で、これほど大規模な試験で効果が示されているものは多くありません。論点は「効くか」ではなく、「自費で今受けるか、定期接種の年齢まで待つか」と「痛い副反応を引き受けるか」です。

結論 ── うたわれている効果は
効きます。組換えワクチンは発症を9割減らし、11年後も8割の効果が残ります。自費なら2回で44,000円、65歳などは定期接種で安く受けられます

帯状疱疹を防ぐワクチンは2種類です。組換えワクチン(シングリックス、2回筋注)は50歳以上15,411人の試験で発症を97.2%、70歳以上13,900人で89.8%減らし、帯状疱疹後神経痛を88.8%減らしました。接種後5〜11年の期間でも79.8%、11年目で82.0%の効果が残っています。生ワクチン(1回皮下注)は60歳以上38,546人の試験で51.3%、5年を超えると効果が落ちます。副反応は組換えワクチンで注射部位の痛み79.1%、筋肉痛36.9%、疲労34.6%、発熱16.7%と多く、多くは数日で治ります。2025年4月から65歳(経過措置で70〜100歳の5歳刻み)は定期接種となり自治体の助成が出ます。それ以外は任意接種で、組換えワクチンは1回22,000円×2回、生ワクチンは8,000〜8,470円です。

1ZOE-50(Lal 2015、50歳以上15,411人): 発症予防効果97.2%(95%CI 93.7〜99.0)、追跡3.2年。ZOE-70(Cunningham 2016、70歳以上13,900人): 89.8%(84.2〜93.7)、帯状疱疹後神経痛88.8%(68.7〜97.1)。長期追跡(Strezova 2025、7,273人): 接種後5〜11年の期間の効果79.8%(73.7〜84.6)、11年目82.0%(63.0〜92.2)、接種1か月後からの累積87.7%(84.9〜90.1)。
2生ワクチン(Oxman 2005、60歳以上38,546人): 発症51.3%減、帯状疱疹後神経痛66.5%減、追跡3.1年。実臨床のメタ解析(Mbinta 2022): 生ワクチン45.9%、組換え79.2%。Cochrane(2023、26研究90,259人): 生ワクチンRR 0.49(NNT 50)、組換えRR 0.08(NNT 33)。ネットワークメタ解析(Xia 2022): 組換えは生に対し相対効果84%。
3副反応(シングリックス添付文書・添付資料): 注射部位疼痛79.1%、発赤37.4%、筋肉痛36.9%、疲労34.6%、頭痛28.3%、悪寒21.4%、発熱16.7%。重大: ショック・アナフィラキシー、ギラン・バレー症候群。ZOE-50でグレード3の反応は17.0%(プラセボ3.2%)。Cochraneは重篤な有害事象・死亡に差なし。生ワクチンは免疫不全・免疫抑制治療中に禁忌。
4厚生労働省: 2025年度から65歳(60〜64歳のHIVによる免疫障害を含む)が定期接種(B類)。2025〜2029年度は経過措置で70・75・80・85・90・95・100歳も対象。有効性は生ワクチンが1年で6割・5年で4割、組換えが1年で9割以上・5年で9割・10年で7割程度。費用は自治体ごと。
エビデンスの水準
★★★
大規模無作為化試験(3万人超)・Cochraneレビュー・11年追跡あり・2025年4月から定期接種(65歳等)
承認の状況
承認ワクチン(65歳等は定期接種、それ以外は任意接種=自費)
価格の幅
組換え(シングリックス)1回 22,000円×2回(定期接種の自己負担 10,000円/回の例)/生ワクチン 1回 8,000〜8,470円(定期接種 4,000円の例)(3施設)
1回の表示価格(税込・自費)

① 国内で承認されている使い方

帯状疱疹ワクチンは2種類とも国内承認です。乾燥弱毒生水痘ワクチン「ビケン」(阪大微研)は50歳以上の帯状疱疹の予防の効能を持ち、1回皮下注射。シングリックス(GSK、2018年承認)は50歳以上と、18歳以上で帯状疱疹のリスクが高い人に2回筋注。2025年4月から65歳等は予防接種法のB類定期接種となり自治体が費用を一部負担、それ以外は任意接種で全額自費です。どちらも薬価基準には収載されていません。

対象
国内での承認
シングリックス(乾燥組換え帯状疱疹ワクチン、GSK)
承認(2018年、メーカー系ページで二次確認)。50歳以上・18歳以上の高リスク者。2回筋注(2か月間隔)。生ワクチンではないので免疫不全でも接種可
乾燥弱毒生水痘ワクチン「ビケン」
承認。水痘の予防、50歳以上の帯状疱疹の予防。1回皮下注。免疫機能異常・免疫抑制治療中は禁忌
定期接種(2025年4月〜)
65歳、経過措置で70〜100歳の5歳刻み(2029年度まで)、60〜64歳のHIV免疫障害。B類(努力義務なし)。自治体が一部負担
任意接種(50〜64歳、66歳以上の非該当年齢)
全額自費。医療機関が価格を決める
—50歳未満への接種は承認外です(18歳以上の高リスク者を除く)。
—生ワクチンは免疫抑制状態(抗がん剤・生物学的製剤・ステロイド大量など)で禁忌、妊婦も禁忌。組換えワクチンは生ワクチンではないため、これらの人にも接種できます(18歳以上の高リスク者が適応)。
—帯状疱疹にかかった後の接種は、再発予防目的で行われますが、時期(発症後どれだけあけるか)の標準は確立していません。

② 臨床試験で確かめられていること

発症予防: 組換えワクチンで9割、生ワクチンで5割。差は大きく、Cochraneも両者を比較して組換えの優位を示しています。

帯状疱疹後神経痛(長引く痛み)の予防: 組換え89%、生67%。ワクチンの最大の価値はここにあります。

持続: 組換えは11年で8割の効果が残り、生は5年で4割に落ちます。

副反応: 組換えは痛みと全身症状が多く、1〜3日仕事に影響することがあります。2回目のほうが強いことが多い。「痛いが効く」ワクチンです。

組換えワクチンの効果(50歳以上・70歳以上)Lal H, et al. N Engl J Med. 2015;372(22):2087-2096(ZOE-50)/Cunningham AL, et al. N Engl J Med. 2016;375(11):1019-1032(ZOE-70)
誰に
50歳以上15,411人/70歳以上13,900人(無作為化・プラセボ対照)
何を
シングリックス(HZ/su)2回筋注
何と比べて
プラセボ
どうなった
発症予防効果: 50歳以上97.2%(93.7〜99.0、追跡3.2年)、70歳以上89.8%(84.2〜93.7、追跡3.7年)、80歳以上でも89.1%。帯状疱疹後神経痛(70歳以上、統合)88.8%(68.7〜97.1)。注射部位・全身反応は79.0% vs 29.5%、グレード3は17.0% vs 3.2%
11年の長期追跡Strezova A, et al. EClinicalMedicine. 2025;83:103241(ZOE-LTFU)
誰に
ZOE-50/70の参加者7,273人(初回接種時平均67.3歳)
何を
シングリックス(追加接種なし)
何と比べて
—(過去のプラセボ群の発症率との比較)
どうなった
追跡期間(接種後約5〜11年)の効果79.8%(73.7〜84.6)、70歳以上では73.2%(62.9〜80.9)。11年目でも82.0%(63.0〜92.2)。2回目接種1か月後〜11年の累積効果87.7%(84.9〜90.1)。帯状疱疹後神経痛87.5%(64.8〜96.8)
生ワクチンの効果Oxman MN, et al. N Engl J Med. 2005;352(22):2271-2284(Shingles Prevention Study)
誰に
60歳以上38,546人(無作為化・二重盲検)
何を
弱毒生ワクチン1回皮下注
何と比べて
プラセボ
どうなった
発症51.3%減、疾病負荷61.1%減、帯状疱疹後神経痛66.5%減。注射部位の反応はワクチン群で多かった
2種類の比較(Cochrane・ネットワークメタ解析・実臨床)de Oliveira Gomes J, et al. Cochrane Database Syst Rev. 2023;10:CD008858/Xia Y, et al. Front Immunol. 2022;13:978203/Mbinta JF, et al. Lancet Healthy Longev. 2022;3(4):e263-e275
誰に
60歳以上90,259人(26研究、平均63.7歳)/無作為化試験と観察研究のネットワークメタ解析/実臨床の観察研究のメタ解析
何を
生ワクチン/組換えワクチン
何と比べて
プラセボ・相互
どうなった
Cochrane: 生RR 0.49(NNT 50)、組換えRR 0.08(0.03〜0.23、NNT 33)、重篤有害事象・死亡に差なし、組換えは局所反応RR 6.89・全身RR 2.23。Xia: 組換えの生に対する相対効果84%(53〜95)。Mbinta: 実臨床で生45.9%、組換え79.2%。PubMed抄録で確認

この数値はレビュー論文を通じて確認したものです。原著論文そのものの確認は済んでいません。

国の定期接種の位置づけ厚生労働省「帯状疱疹ワクチン」ページ(2025年度〜)
誰に
65歳、60〜64歳のHIVによる免疫障害、経過措置の70〜100歳(5歳刻み、2025〜2029年度)
何を
生ワクチン1回または組換えワクチン2回
何と比べて
—
どうなった
B類疾病の定期接種(努力義務なし)。有効性の目安: 生1年6割・5年4割、組換え1年9割以上・5年9割・10年7割。費用は自治体による。接種できない人: 成分でアナフィラキシーを起こした人など

※ 別々の試験の数値を並べています。試験ごとに対象者・期間・条件が異なるため、本来、数値同士を直接比べることはできません。それを承知のうえで、目安として並べています。

③ まだ答えの出ていないこと

④ 副作用 ── 起こりやすい人・起こる時期・備え

添付文書と臨床試験の報告に基づきます。頻度や重さはあなたの条件で変わります。ここに無い症状が出たときも、処方元に連絡してください。

接種直後〜30分当日〜3日数週間5年〜アナフィラキシー・ショック注射部位の痛み・腫れ・赤み全身症状(筋肉痛・疲労・頭痛・悪寒・発熱)ギラン・バレー症候群生ワクチンによる感染・播種(免疫不全者)効果不足(生ワクチンの減衰)よくある重大(まれでも見逃さない)
図|副作用の起こる時期のめやす。下の各項目の「起こる時期」の記述を、当サイトが図にした定性的な整理です。幅には個人差があり、この図の外で起こることもあります。頻度の大小を示すものではありません。組換えワクチンの副反応は頻度が高く数日で治る。重大な帯は頻度不明のまれなものです。出典: 添付文書・臨床報告(詳細は下の各項目と出典欄)/加工: あり(時期の記述の図示)
注射部位の痛み・腫れ・赤みよくある
起こりやすい人
誰にでも。組換えで疼痛79.1%、発赤37.4%。
起こる時期
接種当日〜3日。
備え
2回目で強いことが多い。冷やす、腕を動かす。
全身症状(筋肉痛・疲労・頭痛・悪寒・発熱)よくある
起こりやすい人
誰にでも。組換えで筋肉痛36.9%、疲労34.6%、発熱16.7%。
起こる時期
接種当日〜3日。
備え
仕事や予定のない日に接種を。解熱鎮痛薬で対応可。
アナフィラキシー・ショック重大
起こりやすい人
成分への過敏症。頻度不明。
起こる時期
接種直後〜30分。
備え
接種後15〜30分は施設で待機。
ギラン・バレー症候群重大
起こりやすい人
頻度不明(添付文書の重大な副反応)。
起こる時期
接種後数週間。
備え
手足の力が入らない・しびれが広がるときは受診。
生ワクチンによる感染・播種(免疫不全者)重大
起こりやすい人
免疫抑制状態の人(禁忌)。
起こる時期
接種後数週間。
備え
生ワクチンは免疫不全に禁忌。組換えを選ぶ。
効果不足(生ワクチンの減衰)よくある
起こりやすい人
生ワクチンを受けた人、高齢者。
起こる時期
5年〜。
備え
生は5年で4割(厚労省)。組換えを追加で受けるかは医師に相談。

⑤ やめるとき

いつまで続けるのか

組換えは2回で完了(2か月間隔)。生は1回。追加接種の推奨は当サイトでは確認していません。

途中でやめられるか

2回目を受けないと組換えワクチンの効果は確立しません(試験は2回接種)。1回目後の中断は「効果不十分」と考えてください。

やめたらどうなるか

効果は組換えで11年以上、生で5年程度続き、その後徐々に落ちます。

お金はどうなるか

1回ごとの支払い。2回目の価格が同じかを最初に確認。定期接種の対象になる年に自費で受けると助成を使えません。

⑥ 価格

A施設は組換え22,000円/回(2回44,000円)、説明のみは初診3,300円。B施設は組換え22,000円/回、生ワクチン8,470円。C施設は組換え自費22,000円・公費10,000円、生ワクチン自費8,000円・公費4,000円。組換えは3施設とも22,000円で横並び、生ワクチンは8,000〜8,470円。定期接種の自己負担は自治体で異なります。3施設の確認で、相場ではありません。

ワクチンは薬価基準に収載されておらず、公定価格がありません。自費価格は横並びで施設差より「定期接種の年齢に当たるか」で自己負担が2倍以上変わります。65歳の定期接種を待つ間の発症リスク(50代から上がる)と、今自費で受ける44,000円を天秤にかける判断です。観測日2026-09-05、施設名は扱いません。

⑦ 診察で聞くこと

そのまま読み上げられる形にしています。答えをはぐらかされた質問は、それ自体が判断の材料になります。

  1. 私は定期接種の対象年齢ですか(65歳、経過措置の70〜100歳)。対象なら自治体の助成額と、自費との差はいくらですか。
  2. 生ワクチンと組換えワクチンのどちらを勧めますか。私の持病(免疫抑制薬・がん治療)で生ワクチンは禁忌ですか。
  3. 組換えワクチンは2回で44,000円、副反応で1〜3日つらいことがあると聞きました。2回目の日程はどう組みますか。
  4. 帯状疱疹にかかったことがあります。いつから接種できますか。

関連する読みもの

出典

最終確認日 2026-09-05/内容をあらためたときは訂正の記録に残します。

  1. 厚生労働省「帯状疱疹ワクチン」(定期接種の案内ページ)2025年度から65歳等が定期接種、経過措置、B類、2種類のワクチンの回数・有効性の目安(生: 1年6割・5年4割、組換え: 1年9割以上・5年9割・10年7割)、費用は自治体。原文ページを確認
  2. シングリックス筋注用 添付文書情報(日経メディカル処方薬事典の収載情報で確認)/乾燥弱毒生水痘ワクチン「ビケン」添付文書(KEGG MEDICUS収載版で確認)シングリックス: 効能(50歳以上、18歳以上高リスク)、用法2回、副反応の頻度、重大な副反応(ショック・アナフィラキシー・GBS)、薬価基準未収載。ビケン: 効能(水痘、50歳以上の帯状疱疹)、1回皮下、免疫不全禁忌、重大な副反応(アナフィラキシー・血小板減少・無菌性髄膜炎)
  3. Lal H, et al. N Engl J Med. 2015;372(22):2087-2096/Cunningham AL, et al. N Engl J Med. 2016;375(11):1019-1032ZOE-50(97.2%)、ZOE-70(89.8%、PHN 88.8%)、グレード3反応17.0%。PubMed抄録で確認
  4. Strezova A, et al. EClinicalMedicine. 2025;83:10324111年追跡。79.8%、累積87.7%、PHN 87.5%。PubMed抄録で確認
  5. Oxman MN, et al. N Engl J Med. 2005;352(22):2271-2284生ワクチン38,546人。51.3%、PHN 66.5%。PubMed抄録で確認
  6. de Oliveira Gomes J, et al. Cochrane Database Syst Rev. 2023;10:CD008858/Xia Y, et al. Front Immunol. 2022;13:978203/Mbinta JF, et al. Lancet Healthy Longev. 2022;3(4):e263-e275Cochrane(RR 0.49/0.08、NNT 50/33)、NMA(相対効果84%)、実臨床(45.9%/79.2%)。PubMed抄録で確認したため二次資料扱い
  7. Taquet M, et al. Nat Med. 2024;30(10):2777-2781/Pomirchy M, et al. JAMA. 2025;333(23):2083-2092認知症リスク低下の観察研究・自然実験(因果は未確定)。PubMed抄録で確認したため二次資料扱い
  8. 複数のクリニック公開ページ(2026-09-05確認、3施設)組換え22,000円/回、生8,000〜8,470円、公費10,000円/4,000円の例。施設名は扱いません