お金
「モニター価格」の条件を読む
割り引かれているのではなく、写真と体験談で一部を支払っています。
この記事の要点
- モニター価格は、写真や体験談の提供が対価の一部になっている契約です。
- 確かめるのは、二次利用の範囲・期間・取り下げの可否です。
- なお、治療の内容や効果に関する患者の体験談は、医療広告として掲載できないとされています。
値引きではなく、交換
モニター価格は、単なる割引ではありません。通常価格との差額の代わりに、こちらが何かを渡す契約です。渡すのは多くの場合、症例写真、アンケートへの回答、体験談の文章、SNSへの投稿です。
この構造が分かると、確かめるべきことが決まります。「いくら安いか」ではなく、「何を、どこまで渡すのか」です。
確かめる5つ
- 何を提供するのか。写真か、文章か、SNS投稿か、動画か。
- どこに使われるのか。院内掲示、自院サイト、広告、第三者の媒体、SNS。
- どの範囲が写るのか。顔全体か、目元を隠すか、隠す処理は誰が行うか。
- いつまで使われるのか。期間の定めがあるか、契約終了後も続くか。
- あとから取り下げられるか。取り下げの申し出方法と、その場合の費用の扱い。
5番目が実務上いちばん重くなります。掲載をやめてほしいと申し出たときに、モニター価格と通常価格の差額を請求される契約になっていることがあります。契約書のその条項を、署名前に読んでください。
契約書で探す文言
言えること
- 利用目的・利用媒体・利用期間が具体的に書かれている
- 撮影部位と、匿名化の方法が書かれている
- 中止・削除の申し出方法が書かれている
言えないこと
- 「当院の広報活動に利用する」など、範囲が特定されていない
- 期間の定めがない、または「無期限」
- 中止した場合の費用の扱いが書かれていない
体験談の広告掲載には制限がある
知っておく価値がある点があります。医療広告ガイドラインでは、患者等の主観にもとづく、治療の内容や効果に関する体験談は、医療広告として掲載できないとされています。
つまり、体験談を書いてほしいと求められた場合、それがどこに掲載されるのかによって、扱いが変わります。掲載先を確かめる理由が、ここにもあります。
価格の側の条件
- モニター価格が適用されるのは何回目までか
- 2回目以降、または継続時の価格はいくらか
- モニター条件を満たせなかった場合(撮影に応じられない等)にどうなるか
- 通常価格がページのどこに書かれているか。書かれていなければ、差額が分かりません
断ってよい
モニターを断ることで、受けられる治療の質が変わることはありません。通常価格で受けたいと伝えるのは、契約上まったく普通の申し出です。その場で決める必要もありません。
美容医療の継続的な契約は、条件によっては特定商取引法の対象になります。契約後の解約については、別記事「契約したあとに、やめたくなったら」をご覧ください。
この記事に関連する治療ページ
出典・注記
- 医療広告ガイドライン(厚生労働省)患者等の主観に基づく治療内容・効果に関する体験談は、広告可能な事項に含まれないとされています
- 特定商取引法(消費者庁)美容医療の継続的な契約は、期間・金額の条件により特定継続的役務提供にあたる場合があります
この記事は診断や治療の指示をするものではありません。また、法的助言ではありません。個々の判断は、診察を受けた医師や、消費生活センター等の窓口にご相談ください。掲載後に内容をあらためた場合は、日付と理由を訂正の記録に残します。