自由診療の料金・リスク・根拠を、受ける前に。医院レポート5院 · 資料確認 2026-09-21
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まつ毛・眉毛の育毛(ビマトプロスト外用)

別の言い方: まつ毛育毛剤/グラッシュビスタ/ビマトプロスト まつ毛/ルミガン まつ毛/まつ毛 貧毛症 治療/まつ毛 伸びる 薬/グラッシュビスタ 副作用 色素沈着/グラッシュビスタ 料金/眉毛 育毛 ビマトプロスト/まつ毛美容液 違い

まつ毛が伸びるのは疑いようがない。この薬はもともと緑内障の点眼薬で、「まつ毛が伸びる副作用」を主作用にしたものです。だから残る問いは、点眼薬としての副作用(色素・くぼみ)をまつ毛のために引き受けるか、です。

結論 ── うたわれている効果は
効きます。4か月で約8割の人のまつ毛が長く・太く・濃くなります(偽薬は2割)。やめると戻り、まぶたの黒ずみや目のくぼみが出ることがあります

緑内障の点眼薬の成分ビマトプロストを、専用アプリケータで1日1回、上まぶたのまつ毛の生え際に塗る治療です。国内の第III相試験(特発性睫毛貧毛症173人)では、4か月後に全般的印象度が1段階以上改善した人が77.3%(偽薬17.6%)、がん化学療法後の貧毛症では88.9%(27.8%)でした。米国の試験(16週)でも78.1%対18.4%です。副作用は国内試験で16.1%に見られ、結膜充血、眼脂、まぶたの皮膚色素過剰が主なもの。重大な副作用として虹彩(黒目)の色素過剰と眼瞼溝深化(まぶたのくぼみ)が各0.2%で、添付文書は色素過剰が「投与の継続により徐々に進行し、投与中止により停止する」と注意しています。承認薬ですが薬価基準に収載されておらず全額自費で、1本(5mL・約70日分)13,500〜23,100円。眉毛への使用は海外で無作為化試験がありますが、日本では承認外です。

1国内第III相(グラッシュビスタ添付文書の臨床成績): 特発性睫毛貧毛症で4か月後の有効率77.3%(68/88例)vs 偽薬17.6%(15/85例)、がん化学療法による貧毛症で88.9%(16/18例)vs 27.8%(5/18例)。Harii 2014(同試験の論文): 長さ・太さ・濃さがいずれも有意に増加、眼圧はわずかに低下(日内変動の範囲)。
2Smith 2012(米国、無作為化二重盲検、賦形剤対照): 16週で全般的まつ毛評価が1段階以上改善した人は78.1% vs 18.4%(p<0.0001)。有害事象で有意に多かったのは結膜充血のみ。短期試験が限界。長期観察(Dermatol Surg 2014、585人、平均19.3か月): 満足92.5%、維持は週約3回の塗布、虹彩色素過剰なし。
3副作用(添付文書): 国内試験で16.1%(14/87例)、主なものは結膜充血3例(3.4%)など。2%以上で結膜充血・眼脂・眼乾燥・点状角膜炎・眼瞼紅斑・眼瞼そう痒症・眼そう痒症・眼瞼刺激・眼刺激・皮膚色素過剰。重大: 虹彩色素過剰0.2%、眼瞼溝深化0.2%。液が生え際以外に付いたら拭き取ること(色素過剰・接触皮膚炎・眼周囲の多毛の予防)。
4承認と価格: 2014年3月承認(メーカー系情報で二次確認)、効能は睫毛貧毛症、「本剤は保険給付の対象とならない(薬価基準未収載)」。1本5mL(アプリケータ140本=70日分)で13,500円・16,500円・23,100円(3施設、約1.7倍)。眉毛: Carruthers 2016の無作為化試験で7か月後の改善が賦形剤より多く、色素沈着・充血は出ませんでしたが、国内では承認外です。
エビデンスの水準
★★
無作為化二重盲検試験あり(国内・米国)・国内承認薬(自費)・眉毛は承認外
承認の状況
承認薬(グラッシュビスタ、睫毛貧毛症。薬価基準未収載=全額自費)。眉毛への使用は承認外
価格の幅
1本(5mL・アプリケータ140本=約70日分)13,500〜23,100円(3施設)。まとめ買いで1本あたり14,025〜14,850円の例。承認外の同成分点眼液(2.5mL)6,000円の例
1本(5mL)の表示価格(税込)

① 国内で承認されている使い方

グラッシュビスタ外用液剤0.03%(ビマトプロスト)は2014年に「睫毛貧毛症」の効能で承認された国内唯一のまつ毛の医薬品です。承認薬ですが薬価基準に収載されておらず、保険給付の対象になりません(全額自費)。同じ成分の緑内障点眼薬(ルミガン、ビマトプロスト点眼液)をまつ毛に使うのは承認外で、個人輸入品も出回っています。眉毛への使用は海外で試験がありますが国内承認外。市販の「まつ毛美容液」は医薬品ではなく、ビマトプロストを含みません。

対象
国内での承認
グラッシュビスタ外用液剤0.03%5mL(アラガン→現 千寿製薬系)
承認(2014年)。効能 睫毛貧毛症。1日1回就寝前、専用アプリケータで上眼瞼のまつ毛基部。薬価基準未収載=自費
ルミガン点眼液・ビマトプロスト点眼液のまつ毛への使用
承認外(緑内障・高眼圧症の点眼薬)。医療機関での転用、個人輸入。専用アプリケータなし
眉毛への使用
承認外。海外の無作為化試験(Carruthers 2016)で有効・色素沈着なし。国内データなし
市販のまつ毛美容液(化粧品)
医薬品ではない。ビマトプロストを含まない。効果の試験は別
—液が下まぶた・目の周りの皮膚に付くと、そこに色素沈着や多毛が出ます。専用アプリケータを片眼ごとに新しく使い、はみ出しは拭き取る。
—緑内障の治療中の人は、点眼薬と重なって眼圧が下がり過ぎたり、片眼だけ黒目の色が変わることがあります。眼科医に申告を。
—がん化学療法中の人は、化学療法終了4週間後以降に開始することが望ましい(添付文書)。
—発毛可能な毛包がない部位(傷跡など)では効果は期待できません(添付文書)。

② 臨床試験で確かめられていること

長さ・太さ・濃さ: 4か月で約8割が改善。1〜2か月で変化に気づき、4か月で最大。

維持: 続ける必要があります。長期観察では週3回程度で維持できたという報告があります。

眉毛: 海外の試験では7か月で改善。国内承認外で、日本人でのデータはありません。

まつ毛美容液との違い: 医薬品の成分で毛周期に働くのがビマトプロスト。化粧品の美容液は同列に比べられません。

国内第III相試験(承認の根拠)グラッシュビスタ外用液剤0.03% 添付文書 17.臨床成績(KEGG MEDICUS収載版で確認)/Harii K, et al. Bimatoprost for eyelash growth in Japanese subjects: two multicenter controlled studies. Aesthetic Plast Surg. 2014;38(2):451-460
誰に
日本人の特発性睫毛貧毛症173人(ビマトプロスト88人/賦形剤85人)、がん化学療法による睫毛貧毛症36人(18人/18人)
何を
ビマトプロスト0.03%を1日1回就寝前に上眼瞼のまつ毛基部へ
何と比べて
賦形剤(薬の入っていない液)
どうなった
4か月後に全般的印象度(GEA)が1段階以上改善: 特発性77.3% vs 17.6%、化学療法後88.9% vs 27.8%(いずれもp<0.001)。長さ・太さ・濃さも有意に増加。有害事象の発現は両群で同程度、眼圧はわずかに低下(日内変動の範囲)
米国の無作為化二重盲検試験Smith S, et al. Eyelash growth in subjects treated with bimatoprost: a multicenter, randomized, double-masked, vehicle-controlled, parallel-group study. J Am Acad Dermatol. 2012;66(5):801-806
誰に
まつ毛の不足を訴える成人(多施設)
何を
ビマトプロスト0.03% 1日1回、16週
何と比べて
賦形剤
どうなった
16週で全般的まつ毛評価が1段階以上改善: 78.1% vs 18.4%(p<0.0001)。長さ・太さ・濃さも有意に増加。有害事象で有意に多かったのは結膜充血のみ。短期試験が限界、黒人被験者は含まれていない
長期使用の観察A retrospective review and observational study of outcomes and safety of bimatoprost ophthalmic solution 0.03% for treating eyelash hypotrichosis. Dermatol Surg. 2014;40(10):1118-1124
誰に
12か月以上使用した585人(平均19.3か月)
何を
ビマトプロスト0.03%の継続使用
何と比べて
—(後ろ向き観察)
どうなった
満足92.5%。平均週約3回の塗布で効果が維持。27.4%が有害事象を思い出したが診療記録に記載は4件。虹彩色素過剰なし、重篤な有害事象なし。対照群のない観察研究

この数値はレビュー論文を通じて確認したものです。原著論文そのものの確認は済んでいません。

眉毛(承認外)Carruthers J, et al. Bimatoprost 0.03% for the Treatment of Eyebrow Hypotrichosis. Dermatol Surg. 2016;42(5):608-617
誰に
眉毛の貧毛の成人(1日2回群/1日1回群/賦形剤群)
何を
ビマトプロスト0.03%を眉毛に塗布、7か月
何と比べて
賦形剤
どうなった
7か月後の改善者の割合はビマトプロスト両群で賦形剤より高い(p<0.001)。濃さは1か月、太さは2か月から改善。有害事象38.1%/42.4%/35.5%で同程度。皮膚・虹彩の色素過剰、結膜充血は発生せず。国内承認外

この数値はレビュー論文を通じて確認したものです。原著論文そのものの確認は済んでいません。

※ 別々の試験の数値を並べています。試験ごとに対象者・期間・条件が異なるため、本来、数値同士を直接比べることはできません。それを承知のうえで、目安として並べています。

③ まだ答えの出ていないこと

④ 副作用 ── 起こりやすい人・起こる時期・備え

添付文書と臨床試験の報告に基づきます。頻度や重さはあなたの条件で変わります。ここに無い症状が出たときも、処方元に連絡してください。

塗り始め〜数週間1〜4か月半年〜年単位やめたあと結膜充血・目のかゆみ・乾燥・眼脂まぶたの皮膚の黒ずみ(色素過剰)目の周りの多毛・まつ毛の生え方の乱れ緑内障治療との重複・眼圧低下虹彩(黒目)の色素過剰眼瞼溝深化(まぶたのくぼみ・眼窩の脂肪の減少)やめたあとの戻りよくある重大(まれでも見逃さない)
図|副作用の起こる時期のめやす。下の各項目の「起こる時期」の記述を、当サイトが図にした定性的な整理です。幅には個人差があり、この図の外で起こることもあります。頻度の大小を示すものではありません。重大な帯(虹彩・くぼみ)は各0.2%とまれですが、戻りにくい変化です。年単位の頻度は測られていません。出典: 添付文書・臨床報告(詳細は下の各項目と出典欄)/加工: あり(時期の記述の図示)
結膜充血・目のかゆみ・乾燥・眼脂よくある
起こりやすい人
誰にでも。国内試験で結膜充血3.4%。
起こる時期
塗り始め〜数週間。
備え
多くは軽い。目に入らないよう生え際だけに塗る。
まぶたの皮膚の黒ずみ(色素過剰)よくある
起こりやすい人
誰にでも。液がはみ出す人で強い。
起こる時期
数週間〜数か月で徐々に。
備え
継続で進行し中止で停止(添付文書)。はみ出しは拭き取る。
目の周りの多毛・まつ毛の生え方の乱れよくある
起こりやすい人
液が皮膚に付く人。
起こる時期
数か月。
備え
専用アプリケータで生え際だけに。
虹彩(黒目)の色素過剰重大
起こりやすい人
添付文書で0.2%。茶色がかった目で目立ちにくいが、片眼だけ変わることがある。
起こる時期
数か月〜。
備え
継続で進行し中止で停止するが、元には戻りにくいとされる。
眼瞼溝深化(まぶたのくぼみ・眼窩の脂肪の減少)重大
起こりやすい人
添付文書で0.2%。緑内障点眼薬で知られる変化。
起こる時期
数か月〜年単位。
備え
「目が落ちくぼんだ」と感じたら中止して相談。可逆性は確立していない。
緑内障治療との重複・眼圧低下重大
起こりやすい人
緑内障・高眼圧症で点眼中の人。
起こる時期
使用中。
備え
眼科医に申告。
やめたあとの戻りよくある
起こりやすい人
誰にでも。
起こる時期
中止後数か月。
備え
毛周期の薬なので、やめれば新しく生える毛は元の状態に近づくとされます。

⑤ やめるとき

いつまで続けるのか

4か月で効果を判定。その後は続ける限り維持。終わりは自分で決めます。

途中でやめられるか

いつでもやめられます。離脱症状はありません。色素過剰は中止で進行が止まります。

やめたらどうなるか

新しく生えるまつ毛は元の長さ・太さに近づくとされます。黒目の色の変化は戻りにくく、まぶたのくぼみの可逆性は確立していません。

お金はどうなるか

1本ごとの購入。まとめ買いは使い切れるか(開封後の使用期限)を確認。

⑥ 価格

A施設は1箱16,500円、2箱29,700円、3箱42,075円(1箱あたり14,025円)、70日分。B施設はグラッシュビスタ13,500円(5mL)、「同等品」6,000円(2.5mL)、1か月で実感し2か月で満足と説明。C施設は23,100円。最安と最高で約1.7倍。3施設の確認で、相場ではありません。

承認薬なのに薬価がない(薬価基準未収載)ので、表示価格がすべてです。1本70日分として年5〜6本、年間7万〜12万円。維持期に週3回程度に減らせれば年3本程度になります。「同等品」と表示される安価な製品は、緑内障点眼薬の転用か海外製で、承認薬と同じ扱いではありません。観測日2026-09-05、施設名は扱いません。

⑦ 診察で聞くこと

そのまま読み上げられる形にしています。答えをはぐらかされた質問は、それ自体が判断の材料になります。

  1. 処方されるのは承認薬グラッシュビスタですか、緑内障用のルミガン・個人輸入品ですか(承認外・アプリケータなし)。
  2. 黒目の色の変化とまぶたのくぼみ(各0.2%)について、出たときにどうしますか。私は緑内障の点眼を使っていますか。
  3. 効果を維持するには続ける必要があると理解しています。4か月後の塗る頻度と、1年の費用はいくらですか。
  4. 眉毛に使うのは承認外だと理解しています。勧める根拠は。

関連する読みもの

出典

最終確認日 2026-09-05/内容をあらためたときは訂正の記録に残します。

  1. グラッシュビスタ外用液剤0.03%5mL 添付文書(KEGG MEDICUS収載版で確認)効能(睫毛貧毛症)、用法(1日1回就寝前・専用アプリケータ)、重要な基本的注意(虹彩・眼瞼の色素過剰は継続で進行・中止で停止、はみ出しの拭き取り)、重大な副作用(虹彩色素過剰0.2%、眼瞼溝深化0.2%)、副作用一覧、国内試験の有効率(77.3% vs 17.6%、88.9% vs 27.8%)と副作用16.1%、薬価基準未収載。承認年月(2014年3月)はメーカー系情報で二次確認
  2. Harii K, et al. Aesthetic Plast Surg. 2014;38(2):451-460国内2試験の論文。GEA改善率、長さ・太さ・濃さ、眼圧のわずかな低下。PubMed抄録で確認
  3. Smith S, et al. J Am Acad Dermatol. 2012;66(5):801-806米国の無作為化二重盲検。78.1% vs 18.4%、結膜充血のみ有意に多い、短期が限界。PubMed抄録で確認
  4. Dermatol Surg. 2014;40(10):1118-1124(後ろ向き観察、585人)/Carruthers J, et al. Dermatol Surg. 2016;42(5):608-617(眉毛RCT)長期満足92.5%・週3回で維持・虹彩色素過剰なし/眉毛での有効性と色素沈着なし(国内承認外)。PubMed抄録で確認したため二次資料扱い
  5. 複数のクリニック公開ページ(2026-09-05確認、3施設)1本13,500円・16,500円・23,100円、まとめ買い価格、70日分、「同等品」6,000円(2.5mL)、副作用の説明、承認の記載。施設名は扱いません