自由診療の料金・リスク・根拠を、受ける前に。医院レポート5院 · 資料確認 2026-09-21
自由診療チェック効果の根拠・リスク・費用を確かめる 診察前の質問メモ
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プラセンタ注射

別の言い方: メルスモン/ラエンネック/胎盤エキス/美容注射/若返り注射

承認されている薬ですが、美容目的の使用は承認の外です。そして一度打つと、献血ができなくなります。

結論 ── うたわれている効果は
美容の効果は、調べられていません

効かないと証明されたのではありません。美容を目的として効果を測った比較試験が見つからない、という状態です。そして、この治療には元に戻せない副次的な結果があります。

1国内で承認されているのは、更年期障害(メルスモン)と慢性肝疾患の肝機能改善(ラエンネック)です。美容・美白・疲労回復を目的とした承認はありません。
2美容目的の効果を検証した比較試験を、当サイトでは確認できませんでした。効果の有無以前に、測られていません。
3そして最も重要な点として、ヒト胎盤由来の注射薬を一度でも使うと、日本赤十字社の方針により献血ができなくなります。2006年10月10日から続いている措置で、現時点で期限は定められていません。
4つまり、効果が確かめられていないものと引き換えに、献血という選択肢を手放すことになります。ここを知らずに受ける人が多い治療です。
エビデンスの水準
—
美容目的の比較試験は確認できず
承認の状況
承認の外での使用
価格の幅
1回 1,000〜4,000円
1〜2アンプルあたりの表示価格

① 国内で承認されている使い方

国内で承認された医薬品ですが、承認されている効能・効果に美容は含まれていません。

対象
国内での承認
メルスモン(ヒト胎盤絨毛分解物)
更年期障害、乳汁分泌不全
ラエンネック(ヒト胎盤加水分解物)
慢性肝疾患における肝機能の改善
美容・美白・アンチエイジング目的
承認なし(適応外使用)
サプリメント・化粧品のプラセンタ
医薬品ではなく、注射薬とは別のものです
—美容目的での注射は、承認された効能・効果の外での使用にあたります。保険は使えず、自由診療になります。
—承認薬なので「未承認薬ではない」と説明されることがありますが、承認されているのは別の目的に対してです。この区別を確かめてください。
—医薬品副作用被害救済制度は「適正な使用」が前提です。美容目的での使用がこれにあたるかは、個別に判断されます。

② 臨床試験で確かめられていること

美白、しわ、疲労回復といった美容目的の効果について、投与した群と投与しない群を比べた試験を、当サイトでは確認できませんでした。

承認されている効能(更年期障害・肝機能改善)については承認審査を通っていますが、それは美容の効果を示すものではありません。別の目的、別の評価項目です。

クリニックのページで根拠として示されるものの多くは、施術を受けた人の感想です。撮影条件のそろっていない症例写真も同様に、比較にはなりません。

美容目的の効果を検証した比較試験当サイトによる文献調査(2026-08-27)
誰に
美容・美白・しわ・疲労回復を評価項目として、プラセンタ注射を投与した群と投与しない群を比べたヒトの試験を探しました
何を
メルスモン、ラエンネック、ヒト胎盤エキス注射
何と比べて
プラセボまたは無治療
どうなった
確認できませんでした。「効果がない」ことが示されたのではなく、測った試験が見つからない、という意味です
献血の可否(効果ではなく、受けた結果として起きること)日本赤十字社「ヒト胎盤(プラセンタ)由来製剤について」
誰に
ヒト胎盤由来製剤の注射薬を使用したことがある人すべて
何を
注射薬のみが対象。サプリメント、ドリンク、化粧品、内服薬は含まれません
何と比べて
使用歴のない人(通常どおり献血できます)
どうなった
2006年10月10日から、献血を「当面の間」遠慮することとされています。回数や時期を問わず、1回でも使用歴があれば対象です

※ 別々の試験の数値を並べています。試験ごとに対象者・期間・条件が異なるため、本来、数値同士を直接比べることはできません。それを承知のうえで、目安として並べています。

③ まだ答えの出ていないこと

④ 副作用 ── 起こりやすい人・起こる時期・備え

添付文書と臨床試験の報告に基づきます。頻度や重さはあなたの条件で変わります。ここに無い症状が出たときも、処方元に連絡してください。

注射中〜直後当日〜数日繰り返すうち受けた後ずっとアナフィラキシー・過敏症注射部位の痛み・腫れ・硬結発熱・悪寒献血ができなくなる未知の感染リスク(理論上)よくある重大(まれでも見逃さない)
図|副作用の起こる時期のめやす。下の各項目の「起こる時期」の記述を、当サイトが図にした定性的な整理です。幅には個人差があり、この図の外で起こることもあります。頻度の大小を示すものではありません。「献血ができなくなる」は副作用ではなく、受けた時点で確定する制限のため全区間を塗っています。出典: 添付文書・臨床報告(詳細は下の各項目と出典欄)/加工: あり(時期の記述の図示)
献血ができなくなる重大
起こりやすい人
注射を受けたすべての人。1回でも対象になります。サプリや化粧品のプラセンタは含まれません。
起こる時期
受けたその日から。2006年10月10日以降、期限は定められていません。
備え
これは副作用ではなく、受けた結果として確定する制限です。将来、家族や自分のために献血する可能性を考えるなら、受ける前に決めておく必要があります。日本赤十字社は「vCJDの理論上のリスクが否定できないため」と説明しており、実際の感染例は報告されていません。
アナフィラキシー・過敏症重大
起こりやすい人
事前に予測しにくく、初回でも起こりえます。
起こる時期
注射中から直後。
備え
急な息苦しさ、じんましん、血圧低下。救急対応の体制があるかは確かめる価値があります。
注射部位の痛み・腫れ・硬結よくある
起こりやすい人
誰にでも起こりえます。皮下注射のため、繰り返すと同じ場所が硬くなることがあります。
起こる時期
注射直後から数日。
備え
部位を変えながら打つのが一般的です。
発熱・悪寒よくある
起こりやすい人
誰にでも起こりえます。
起こる時期
注射後数時間以内。
備え
多くは一過性ですが、続く場合は連絡してください。
未知の感染リスク(理論上)重大
起こりやすい人
ヒトの胎盤を原料とするため、理論上の懸念が残ります。
起こる時期
時期を特定できません。これが献血制限の理由です。
備え
製造工程でウイルス不活化処理が行われており、これまでプラセンタ注射薬によるvCJDの発生は報告されていません。それでも「否定できない」ため制限が続いています。

⑤ やめるとき

いつまで続けるのか

美容目的の場合、いつまで続けるかの医学的な基準はありません。週1〜2回の継続を勧められることが多く、出口が定義されないまま続きやすい治療です。

途中でやめられるか

いつでもやめられます。医学的な離脱の問題は知られていません。

やめたらどうなるか

やめたあとどうなるかを測ったデータもありません。ただし献血の制限だけは、やめても解除されません。これは元に戻らない部分です。

お金はどうなるか

都度払いなら支払いは止まります。回数券・定期の契約は、未消化分の扱いを購入前に確かめてください。

⑥ 価格

品目
公定価格(薬価)
クリニック表示価格
メルスモン 1アンプル
薬価 確認中
表示 1,000〜3,000円(自由診療の表示価格)
ラエンネック 1アンプル
薬価 確認中
表示 1,000〜4,000円(自由診療の表示価格)

1回あたりは安く見えますが、週1〜2回の継続を前提に案内されることが多く、年額では大きく変わります。回数券・定期の条件まで含めて比べてください。薬価は保険診療(更年期障害・肝機能改善)での公定価格で、美容目的には保険が使えないため直接の比較はできません。

当サイトが公開ページで確認した表示価格の幅です。施設数を十分に集められていないため、相場ではありません。1回の安さより、勧められる頻度と期間を確かめてください。

⑦ 診察で聞くこと

そのまま読み上げられる形にしています。答えをはぐらかされた質問は、それ自体が判断の材料になります。

  1. この注射の承認された効能・効果は何ですか。美容は含まれていますか。
  2. 打つと献血ができなくなることは、ご存じですか。私はそれで構わないか、いま決めていいですか。
  3. 美容の効果を示した比較試験はありますか。どの試験ですか。
  4. 副作用が起きた場合、救済制度の対象になりますか。ならない可能性はありますか。

関連する読みもの

出典

最終確認日 2026-08-27/内容をあらためたときは訂正の記録に残します。

  1. 日本赤十字社「ヒト胎盤(プラセンタ)由来製剤について」2006年10月10日以降、ヒト胎盤由来製剤の注射薬の使用歴がある人からの献血を当面の間見合わせています。対象は注射薬のみで、サプリメント・化粧品・内服薬は含みません。vCJDの理論上のリスクが理由で、プラセンタ注射薬による発生報告はないと明記されています
  2. PMDA 医療用医薬品情報(メルスモン注射液・ラエンネック注射液)承認された効能・効果は更年期障害・乳汁分泌不全(メルスモン)、慢性肝疾患における肝機能の改善(ラエンネック)。美容を目的とした効能・効果はありません
  3. 当サイトによる文献調査(2026-08-27)美容・美白を評価項目とした比較試験を探し、確認できませんでした。探した範囲を示すもので、世界に存在しないことの証明ではありません
  4. 医薬品副作用被害救済制度(PMDA)適正な使用が前提です。美容目的での使用が該当するかは個別に判断されます