自由診療の料金・リスク・根拠を、受ける前に。医院レポート5院 · 資料確認 2026-09-21
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医療アートメイク(眉・アイライン・リップ)

別の言い方: アートメイク/眉 アートメイク/医療アートメイク/アイライン アートメイク/リップ アートメイク/アートメイク MRI/アートメイク 除去/パウダーブロウ/アートメイク 失敗

描けることは確かです。問題は、誰が刺すか、何を入れるか、そして消したくなったときに消えないことです。

結論 ── うたわれている効果は
眉やラインは描けます。ただし「消える」は正確でなく、色素は承認されておらず、MRI検査に影響することがあります

皮膚の浅い層に色素を入れて眉やアイラインを描く施術です。2023年に厚生労働省は眉・アイラインのアートメイクを医行為と明確化し、無資格者の施術は医師法違反としました。米国FDAは「皮膚への注入が承認された色素はない」とし、感染・アレルギー・肉芽腫・MRI検査時の腫れや灼熱感、画像への影響を挙げています。「1〜3年で薄くなる」と案内されますが完全には消えず、除去は困難です。見た目の効果を測る臨床試験はなく、論点は安全性と可逆性です。

1厚生労働省医政局医事課長通知(令和5年7月3日)は、針先に色素を付けて皮膚に色素を入れ、眉毛やアイラインを描く行為を「医行為に該当し、医師免許を有さない者がこれを業として行うのであれば、医師法第17条に違反する」としました。タトゥーを医行為でないとした最高裁決定(2020年)との違いは、アートメイクには「医療の一環として医師・看護師等の医療従事者が関与している実態がある」ことです。
2米国FDAのファクトシートは「化粧品に承認された色素は多数あるが、皮膚への注入が承認されたものはない」と明記し、感染、アレルギー反応(色素の除去が難しいため特に厄介)、肉芽腫、ケロイド、MRI検査時の腫れ・灼熱感と画像品質への影響(特にアイライン)を挙げています。
3国民生活センターには2006〜2011年に約120件の被害相談があり、「目を痛めた」「腫れが引かない」などの重症例が含まれていました(報道による二次確認)。
4当サイトが確認した3施設は「1〜3年持続」「1年半〜2年で薄くなる」と案内し、2回セットとリタッチを前提にした料金設計でした。FDAは「傷跡なしの完全除去は不可能なことがある」としています。
エビデンスの水準
◆
医行為(厚労省通知)・色素に承認なし・効果を測る試験はない
承認の状況
医行為(医師・看護師のみが実施可)
価格の幅
眉1回 55,000〜99,000円/2回セット 99,000〜176,000円/リタッチ 44,000〜88,000円(3施設)
眉の表示価格(税込・技法と施術者のランクで異なる)

① 国内で承認されている使い方

アートメイクは医行為で、医師または医師の指示のもとで看護師が行います。使用する色素には国内で「皮膚に注入する」目的で承認された製品はなく、雑貨・化粧品として輸入されたものが使われます。保険は適用されません。

対象
国内での承認
医療機関でのアートメイク(医師・看護師)
医行為として実施可。厚労省通知(令和5年7月3日)
エステ・サロンでのアートメイク
医師法第17条違反。摘発事例あり
色素(顔料)
皮膚への注入目的で承認された製品は国内外にない(米国FDA)。成分・製造者は製品ごとに異なる
タトゥー(刺青)
最高裁決定(2020年9月16日)で医行為でないとされたが、アートメイクは別と通知が整理
—「医療アートメイク」の多くは看護師が施術します。医師の診察と指示があるか、医師が常駐しているかを確認してください。
—色素の製品名と成分(金属の含有)を聞いてください。MRI検査で腫れや灼熱感が起こるのは、色素中の金属が原因とされます。
—「自然に消える」ではなく「薄くなる」です。デザインが変わる流行と、消えない色素の組み合わせを、受ける前に考えてください。

② 臨床試験で確かめられていること

見た目の効果を数値で示した臨床試験はありません。描いた眉が出来上がる、という意味では効果は明らかで、争点は満足度ではなく安全性と可逆性です。

持続は1〜3年と案内されますが、これは「薄くなって目立たなくなる」期間で、色素が体内から消える期間ではありません。

MRI検査への影響は、FDAが公式に挙げているリスクです。将来MRIが必要な病気になったとき、検査に支障が出る可能性を今の時点で引き受けることになります。

除去はレーザーで複数回、費用がかかり、完全には消えないことがあります。眉の毛が抜ける、白抜けになるなどの二次的な問題も起こります。

厚生労働省の法的整理(2023年)厚生労働省医政局医事課長通知「医師免許を有しない者によるいわゆるアートメイクの取扱いについて」令和5年7月3日 医政医発0703第5号
誰に
針先に色素を付けて皮膚に色素を入れ、眉毛・アイラインを描く行為
何を
アートメイク
何と比べて
タトゥー(最高裁令和2年9月16日決定で医行為でないとされた)
どうなった
「医行為に該当し、医師免許を有さない者がこれを業として行うのであれば、医師法第17条に違反する」。タトゥーとの違いは「医療の一環として医師・看護師等の医療従事者が関与している実態がある」こと
米国FDAのリスク整理U.S. FDA. Tattoos & Permanent Makeup: Fact Sheet(2024年10月15日時点)
誰に
タトゥーとパーマネントメイク(アートメイク)を受ける人
何を
皮膚への色素注入
何と比べて
対照なし(規制当局の情報提供)
どうなった
「皮膚への注入が承認された色素はない」。感染(不潔な器具でHIV・肝炎の伝播)、アレルギー反応(色素の除去が難しいため特に厄介)、肉芽腫、ケロイド、MRI検査時の腫れ・灼熱感と画像品質への影響(特にアイライン)。「傷跡なしの完全除去は不可能なことがある」
国内の被害相談(国民生活センター)日本経済新聞 2014年8月2日「アートメーク被害多発 違法施術で『腫れ引かず』」(国民生活センター・警察庁のデータを報道)
誰に
国民生活センターに寄せられた相談(2006〜2011年)
何を
アートメイク(主に無資格施術)
何と比べて
対照なし(相談件数)
どうなった
約120件。「目を痛めた」「肌の腫れが引かない」など重症化例あり。2010年から4年間の医師法違反での摘発38人。当サイトは国民生活センターの原資料を未確認

この数値はレビュー論文を通じて確認したものです。原著論文そのものの確認は済んでいません。

満足度・持続期間・合併症頻度を測った研究当サイトによる文献調査(2026-09-05)
誰に
医療機関でアートメイクを受けた人
何を
眉・アイライン・リップのアートメイク
何と比べて
対照なし
どうなった
満足度や合併症の頻度を系統的に測った研究を確認できませんでした。「1〜3年持続」はクリニックの案内で、追跡データに基づく数値ではありません

※ 別々の試験の数値を並べています。試験ごとに対象者・期間・条件が異なるため、本来、数値同士を直接比べることはできません。それを承知のうえで、目安として並べています。

③ まだ答えの出ていないこと

④ 副作用 ── 起こりやすい人・起こる時期・備え

添付文書と臨床試験の報告に基づきます。頻度や重さはあなたの条件で変わります。ここに無い症状が出たときも、処方元に連絡してください。

施術直後〜数日数週間数か月〜数年MRI検査や除去のとき感染アレルギー反応肉芽腫・ケロイド色の変色・にじみ・左右差MRI検査時の腫れ・灼熱感・画像への影響除去の困難よくある重大(まれでも見逃さない)
図|副作用の起こる時期のめやす。下の各項目の「起こる時期」の記述を、当サイトが図にした定性的な整理です。幅には個人差があり、この図の外で起こることもあります。頻度の大小を示すものではありません。最後の欄は時期ではなく「将来の出来事」です。色素が残る限り、何年後でも起こりえます。出典: 添付文書・臨床報告(詳細は下の各項目と出典欄)/加工: あり(時期の記述の図示)
感染重大
起こりやすい人
誰にでも。器具の滅菌・針の使い捨てが不十分な場合、施術後のケアが不十分な場合。
起こる時期
数日。
備え
FDAは不潔な器具によるHIV・肝炎の伝播を挙げています。針カートリッジが使い捨てか確認を。
アレルギー反応重大
起こりやすい人
金属や染料に過敏な人。傾向は事前に分かりにくい。
起こる時期
数週間〜数年。遅れて出ることがあります。
備え
色素の除去が難しいため、反応が続くことがあります。パッチテストの有無を聞いてください。
肉芽腫・ケロイド重大
起こりやすい人
ケロイド体質の人、色素への異物反応が強い人。
起こる時期
数か月。
備え
色素の周りに硬いしこりができる反応です。
色の変色・にじみ・左右差よくある
起こりやすい人
誰にでも。皮膚の代謝、紫外線、色素の種類による。
起こる時期
数か月〜数年。
備え
赤みや青みに変色することがあります。直すには追加の施術か除去が必要です。
MRI検査時の腫れ・灼熱感・画像への影響重大
起こりやすい人
アートメイクをしたすべての人。特にアイライン。
起こる時期
将来MRI検査を受けるとき。
備え
検査前に必ず申告してください。検査ができない、画像が読みにくいという事態が起こりえます。
除去の困難重大
起こりやすい人
消したくなったすべての人。
起こる時期
やめたいとき。
備え
レーザー除去は複数回・高額で、完全には消えず、眉毛が抜けたり白く抜けたりすることがあります。

⑤ やめるとき

いつまで続けるのか

「2回で完成、1〜3年でリタッチ」がクリニックの設計です。色素が薄くなるたびに入れ直すか、そのまま薄くなるに任せるかを、そのつど選びます。

途中でやめられるか

リタッチをやめることはいつでもできます。ただし入れた色素は完全には消えず、薄くなった状態で残ります。

やめたらどうなるか

薄くなりながら残ります。変色(赤み・青み)して残ることがあります。消すにはレーザー除去で複数回・高額、完全には消えないことがあります。

お金はどうなるか

2回セットの2回目を受けない場合の返金条件を確認してください。除去費用は別で、眉毛への影響も含めて、受ける前に「消す場合」の見積もりを聞いておくと判断材料になります。

⑥ 価格

A施設は眉1回目88,000円・2回セット164,000円、3回目以降58,000〜66,000円。B施設は2D(機械彫り)1回目66,000円・2回セット121,000円、3D・4D(手彫り)1回目99,000円・2回セット176,000円、リタッチ77,000〜88,000円(最終更新2026年5月29日)。C施設は施術者ランク別に1回55,000〜77,000円・2回セット99,000〜138,600円、リタッチ44,000円。最安と最高で約1.8倍。アイラインは42,000〜52,000円、リップは77,000〜88,000円でした。3施設の確認で、相場ではありません。

公定価格はありません。表示価格がすべてです。「2回で完成」「1〜3年でリタッチ」の設計なので、3年間の総額(2回セット+リタッチ1〜2回)で考えてください。除去の費用は別で、施術費用より高くなることがあります。観測日2026-09-05、施設名は扱いません。

⑦ 診察で聞くこと

そのまま読み上げられる形にしています。答えをはぐらかされた質問は、それ自体が判断の材料になります。

  1. 施術するのは医師ですか、看護師ですか。医師の診察と指示はありますか。
  2. 使う色素の製品名・製造者・成分(金属を含むか)を教えてください。
  3. MRI検査への影響について、どう説明していますか。
  4. 消したくなったとき、除去の方法と費用、眉毛への影響はどうなりますか。
  5. 2回セットとリタッチを含めた、3年間の総額はいくらですか。

関連する読みもの

出典

最終確認日 2026-09-05/内容をあらためたときは訂正の記録に残します。

  1. 厚生労働省医政局医事課長通知「医師免許を有しない者によるいわゆるアートメイクの取扱いについて」令和5年7月3日 医政医発0703第5号眉毛・アイラインを描くアートメイクは医行為で、無資格者が業として行えば医師法第17条違反。最高裁令和2年9月16日決定(タトゥー)との区別は、医療従事者が関与している実態。厚労省法令等データベースの原文を確認
  2. U.S. FDA. Tattoos & Permanent Makeup: Fact Sheet(2024年10月15日時点)皮膚への注入が承認された色素はない。感染、アレルギー、肉芽腫、ケロイド、MRI検査時の腫れ・灼熱感と画像への影響。完全除去は不可能なことがある。原文ページを確認
  3. 日本経済新聞「アートメーク被害多発 違法施術で『腫れ引かず』」2014年8月2日国民生活センターへの相談2006〜2011年約120件、警察庁の摘発38人(2010年から4年間)。国民生活センターの原資料は未確認のため二次資料
  4. 厚生労働省医政局長通知「美容医療に関する取扱いについて」令和7年8月15日 医政発0815第21号美容医療全般について、医師の医学的判断は医行為、診療録の作成・5年保存、安全管理指針・研修・医薬品安全管理責任者、広告規制の遵守、管理者の常勤を求める。厚労省法令等データベースの原文を確認
  5. 複数のクリニック公開ページ(2026-09-05確認、3施設)眉1回55,000〜99,000円、2回セット99,000〜176,000円、リタッチ44,000〜88,000円、持続1〜3年、施術者は看護師。1施設はMRIと金属含有に言及、2施設は言及なし。使用色素の承認に関する記載はいずれもなし。施設名は扱いません