自由診療の料金・リスク・根拠を、受ける前に。医院レポート5院 · 資料確認 2026-09-21
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月経移動(中用量ピルで生理をずらす)

別の言い方: 月経移動/生理をずらす ピル/生理 遅らせる 薬/生理 早める ピル/中用量ピル/プラノバール 生理移動/生理移動 オンライン/月経移動 副作用 吐き気/ピル 血栓症 リスク/旅行 生理 ずらす

生理をずらすこと自体は、ホルモンの薬理として当然に起こります。だから論点は「効くか」ではなく、「短期間とはいえ血栓リスクの高い中用量の薬を、承認外の目的で、オンラインで禁忌の確認をどこまでして出すか」です。

結論 ── うたわれている効果は
ずらせます。ただし「月経移動」は承認外の使い方で、使うのは低用量ピルより血栓症のリスクが高い中用量ピルです。喫煙者・40歳以上・血栓の既往がある人には向きません

旅行や試験に生理が重ならないように、中用量ピル(プラノバール配合錠: ノルゲストレル0.5mg+エチニルエストラジオール0.05mg)を飲んで生理を遅らせる、または早める使い方です。遅らせるなら予定日の約5日前から避けたい日まで毎日1錠、早めるなら生理5日目ごろから10〜14日間飲み、やめると数日で生理が来ます。この薬の承認された効能は月経困難症・月経周期異常・過多月経・子宮内膜症などで、「月経移動」は効能にありません(承認外=重い副作用が出ても医薬品副作用被害救済制度の対象外)。ホルモンで周期を動かす薬理は確立していますが、月経移動を目的にした無作為化試験は確認できませんでした。中用量ピルはエストロゲンが50µgで、低用量(20〜35µg)より血栓症のリスクが高く(50µg製剤は30µg製剤の約1.5〜1.7倍)、添付文書は血栓症を0.1〜0.2%未満の重大な副作用とし、40歳以上・喫煙を注意しています。吐き気が多いため吐き気止めをセットにする施設もあります。価格は診察込みで3,300〜6,750円です。

1プラノバール配合錠 添付文書: 効能は機能性子宮出血、月経困難症、月経周期異常(稀発月経・頻発月経)、生殖補助医療における調節卵巣刺激の開始時期の調整、過多月経、子宮内膜症、卵巣機能不全。用法は1日1錠を7〜10日間、または月経周期第5日から約3週間。禁忌に血栓性静脈炎・肺塞栓症の既往、エストロゲン依存性腫瘍、重篤な肝障害、妊婦、脂質代謝異常など。重大な副作用: 血栓症(四肢・肺・心・脳・網膜等)0.1〜0.2%未満。「年齢、喫煙、肥満、家族歴等のリスク因子の有無にかかわらず血栓症があらわれることがある」。40歳以上は心血管系障害が起こりやすい年代として注意。薬価12.8円/錠。
2承認外: オンライン診療の施設自身が「生理日移動目的での処方は国内で承認されていないため、万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外」と明記しています。
3血栓症リスクの大きさ(Stegeman 2013、BMJ、26研究のネットワークメタ解析): 経口避妊薬の使用で静脈血栓の相対リスク3.5(2.9〜4.3)、非使用者の発生率は1万人年あたり1.9〜3.7(従来1〜6)。エチニルエストラジオールの用量が多いほどリスクが高い。Gerstman 1991(234,218人): 50µg製剤は30µg製剤に対し相対リスク1.5(1.0〜2.1)、高用量1.7(0.9〜3.0)。中用量ピル(50µg)は低用量より高い側にあります。
4月経移動の効果を測った試験: 当サイトはPubMedで無作為化試験を確認できませんでした。効果の根拠は、ホルモンで子宮内膜の維持と消退出血を制御する薬理と、臨床での使用経験です。
エビデンスの水準
◆
承認薬(適応は月経困難症・月経周期異常など)の承認外使用。月経移動そのものの試験は確認できず。血栓リスクは大規模疫学研究あり
承認の状況
承認薬プラノバールの承認外使用(月経移動は効能にない=救済制度の対象外)。全額自費
価格の幅
診察込み 3,300〜3,500円(対面2施設)/オンライン 薬6,200円・吐き気止めセット6,800円+送料550円、診察料0円(1施設)(3施設)
1回の月経移動(1〜3週間分の薬+診察)の表示価格(税込)

① 国内で承認されている使い方

プラノバール配合錠(ノルゲストレル・エチニルエストラジオール、いわゆる中用量ピル)は、月経困難症・月経周期異常・過多月経・子宮内膜症などの効能で承認された処方薬で、それらの治療では保険が使えます。月経日を動かす目的は効能に含まれず、承認外の自由診療です。低用量ピル(避妊・月経困難症)で周期を調整する方法もありますが、これも「月経移動」としての承認はありません。承認外使用では医薬品副作用被害救済制度の対象になりません。

対象
国内での承認
プラノバール配合錠(月経困難症・月経周期異常など)
承認・保険。薬価12.8円/錠。血栓症0.1〜0.2%未満
同じ薬で月経移動(遅らせる・早める)
承認外・自費。救済制度の対象外。診察込み3,300〜6,750円
低用量ピル(LEP・OC)を使った周期調整
承認外の使い方。血栓リスクは中用量より低いが、事前に周期を組む必要がある
オンライン診療での処方
可能だが、血圧測定・喫煙や既往の申告が自己申告に頼る。禁忌の確認をどうするかを施設に確認
—血栓性静脈炎・肺塞栓症の既往、乳がんなどエストロゲン依存性腫瘍、重い肝障害、妊娠の可能性、原因不明の不正出血、脂質代謝異常は添付文書の禁忌です。
—35歳以上で1日15本以上の喫煙、40歳以上、肥満、長時間の不動(長距離移動)は血栓症のリスクを上げます。旅行のための月経移動が、旅行(長時間の座位)と重なる点に注意。
—妊娠していないことの確認が前提です(妊婦は禁忌)。避妊はできません(月経移動の飲み方では避妊効果は保証されません)。

② 臨床試験で確かめられていること

遅らせる: 予定日の約5日前から飲み始め、飲んでいる間は生理が来にくく、やめて2〜3日で出血が始まるのが一般的な説明です。

早める: 生理5日目ごろから10〜14日間飲み、やめて数日で生理が来ます。

確実性: 「必ずずれる」という試験データは確認できません。飲み忘れ・開始が遅いと出血することがあります。

副作用: 中用量のため吐き気が出やすく、吐き気止めをセットにする施設があります。

月経移動の効果を測った試験当サイトによる文献調査(PubMed、2026-09-05)
誰に
月経を遅らせる・早める目的で中用量ピルを使う人
何を
プラノバール配合錠(またはノルエチステロン等)
何と比べて
—
どうなった
月経移動の成功率や出血のタイミングを主要評価とした無作為化試験を確認できませんでした。効果の根拠は薬理と臨床での使用経験で、施設の説明(約5日前から服用・中止後2〜3日で出血)に基づいています
承認された効能と血栓症の頻度プラノバール配合錠 添付文書(KEGG MEDICUS収載版で確認)
誰に
月経困難症・月経周期異常などの患者(承認時)
何を
ノルゲストレル0.5mg+エチニルエストラジオール0.05mg 1日1錠
何と比べて
—
どうなった
重大な副作用: 血栓症(四肢、肺、心、脳、網膜等)0.1〜0.2%未満。リスク因子の有無にかかわらず起こりうる。40歳以上は注意。禁忌に血栓症既往・エストロゲン依存性腫瘍・妊婦など。月経移動は効能にない
エストロゲン用量と静脈血栓(ネットワークメタ解析)Stegeman BH, et al. Different combined oral contraceptives and the risk of venous thrombosis: systematic review and network meta-analysis. BMJ. 2013;347:f5298
誰に
経口避妊薬の使用者(26研究)
何を
各種の配合経口避妊薬(エチニルエストラジオール用量・黄体ホルモン別)
何と比べて
非使用
どうなった
使用で静脈血栓の相対リスク3.5(2.9〜4.3)。非使用者の発生率は1万人年あたり1.9〜3.7。ゲストデン・デソゲストレル・レボノルゲストレルでエチニルエストラジオールの用量が多いほどリスクが高い(用量依存)
50µgと30µgの比較Gerstman BB, et al. Oral contraceptive estrogen dose and the risk of deep venous thromboembolic disease. Am J Epidemiol. 1991;133(1):32-37
誰に
米国の経口避妊薬使用者234,218人(1980〜1986年、処方2,739,400件)
何を
中用量(50µg)・高用量(>50µg)エストロゲン製剤
何と比べて
低用量(<50µg)製剤
どうなった
静脈血栓塞栓症の相対リスク: 中用量1.5(1.0〜2.1、p=0.04)、高用量1.7(0.9〜3.0)。「用量反応関係は50µgから30µgの範囲にも及ぶ」。古い製剤での研究

この数値はレビュー論文を通じて確認したものです。原著論文そのものの確認は済んでいません。

※ 別々の試験の数値を並べています。試験ごとに対象者・期間・条件が異なるため、本来、数値同士を直接比べることはできません。それを承知のうえで、目安として並べています。

③ まだ答えの出ていないこと

④ 副作用 ── 起こりやすい人・起こる時期・備え

添付文書と臨床試験の報告に基づきます。頻度や重さはあなたの条件で変わります。ここに無い症状が出たときも、処方元に連絡してください。

服用前(処方時)服用開始〜数日服用中(1〜2週間)服用終了後〜次の周期妊娠を見逃したままの服用オンライン処方での禁忌の見落とし吐き気・嘔吐・頭痛・乳房の張り不正出血・予定どおりにずれない血栓症(脚の痛み・腫れ、息切れ、胸痛、激しい頭痛)服用終了後の出血の遅れ・量の変化よくある重大(まれでも見逃さない)
図|副作用の起こる時期のめやす。下の各項目の「起こる時期」の記述を、当サイトが図にした定性的な整理です。幅には個人差があり、この図の外で起こることもあります。頻度の大小を示すものではありません。重大なリスクの2本は「飲む前」に確認できます。血栓症はまれですが、旅行の長時間座位と重なることを前提に考えてください。出典: 添付文書・臨床報告(詳細は下の各項目と出典欄)/加工: あり(時期の記述の図示)
吐き気・嘔吐・頭痛・乳房の張りよくある
起こりやすい人
誰にでも。中用量で多い。
起こる時期
服用開始〜数日。
備え
吐き気止めの併用、就寝前の服用。嘔吐すると効かないことがある。
血栓症(脚の痛み・腫れ、息切れ、胸痛、激しい頭痛)重大
起こりやすい人
喫煙者(35歳以上で1日15本以上)、40歳以上、肥満、血栓の既往・家族歴、長時間の不動。
起こる時期
服用中〜中止後数日。
備え
0.1〜0.2%未満だが命に関わる。旅行の長時間座位と重なる。症状が出たら直ちに服用をやめ受診し、ピル服用を告げる。
不正出血・予定どおりにずれないよくある
起こりやすい人
開始が遅れた人、飲み忘れ、嘔吐した人。
起こる時期
服用中。
備え
約5日前より遅い開始は失敗しやすいと施設は説明。
妊娠を見逃したままの服用重大
起こりやすい人
妊娠の可能性がある人。
起こる時期
服用前。
備え
妊婦は禁忌。避妊効果は保証されない。
オンライン処方での禁忌の見落とし重大
起こりやすい人
血圧・喫煙・既往を自己申告で済ませた人。
起こる時期
処方時。
備え
血栓症既往・肝障害・乳がん・原因不明の出血は禁忌。正確に申告する。
服用終了後の出血の遅れ・量の変化よくある
起こりやすい人
誰にでも。
起こる時期
中止後2〜7日。
備え
次の周期が乱れることがある。

⑤ やめるとき

いつまで続けるのか

1回の予定に合わせた1〜3週間で終わります。繰り返すなら低用量ピルでの周期調整を相談。

途中でやめられるか

いつでもやめられます。やめると2〜7日で出血が始まります。

やめたらどうなるか

次の周期は乱れることがあります。血栓のリスクは中止後に下がります。

お金はどうなるか

1回払い。オンラインの定期配送プランは自動継続の条件を確認。

⑥ 価格

品目
公定価格(薬価)
クリニック表示価格
プラノバール配合錠 1錠
薬価 12.8円(薬価。承認効能での価格)
表示 月経移動1回分(診察込み)3,300〜6,750円

A施設(婦人科): 月経移動(診察料含む)3,300円。B施設(婦人科): 自費診療3,500円、遅らせる・早めるの両方に対応、副作用と血栓症の症状を明記。C施設(オンライン): プラノバール配合錠6,200円、吐き気止め(ドンペリドン)セット6,800円、診察料0円、配送料550円、承認外・救済制度対象外と明記、15歳未満・49歳以上・35歳以上で1日15本以上の喫煙は不可。最安と最高で約2.2倍。3施設の確認で、相場ではありません。

薬価は1錠12.8円、21錠でも約270円です。3,300〜6,750円の大半は診察・配送・利益で、それ自体は正当な費用です。ただしオンラインの「診察料0円」は、血圧測定や問診の深さが対面と違うことの裏返しでもあります。観測日2026-09-05、施設名は扱いません。

⑦ 診察で聞くこと

そのまま読み上げられる形にしています。答えをはぐらかされた質問は、それ自体が判断の材料になります。

  1. 私に血栓症のリスク(喫煙・年齢・肥満・既往・家族歴・長距離移動)はありますか。血圧は測りますか。
  2. 月経移動は承認外の使い方で、救済制度の対象外だと理解しています。低用量ピルで周期を調整する選択肢はありますか。
  3. いつから何日飲み、飲み忘れたらどうしますか。予定どおりずれない可能性はどのくらいですか。
  4. 脚の痛み・息切れ・胸痛・激しい頭痛が出たときの連絡先と対応を教えてください。

関連する読みもの

出典

最終確認日 2026-09-05/内容をあらためたときは訂正の記録に残します。

  1. プラノバール配合錠 添付文書(KEGG MEDICUS収載版で確認)効能(機能性子宮出血、月経困難症、月経周期異常、過多月経、子宮内膜症等)、用法、禁忌、血栓症の注意(8.1〜8.6)、40歳以上の注意、重大な副作用 血栓症0.1〜0.2%未満、薬価12.8円/錠
  2. Stegeman BH, et al. BMJ. 2013;347:f529826研究。使用で静脈血栓RR 3.5、非使用者1.9〜3.7/1万人年、エチニルエストラジオール用量依存。PubMed抄録で確認
  3. Gerstman BB, et al. Am J Epidemiol. 1991;133(1):32-37234,218人。50µg製剤RR 1.5(1.0〜2.1)、高用量1.7。PubMed抄録で確認したため二次資料扱い(古い製剤)
  4. 当サイトによる文献調査(PubMed、2026-09-05)月経移動を主要評価とした無作為化試験を確認できず
  5. 複数のクリニック公開ページ(2026-09-05確認、3施設)3,300円・3,500円・6,200〜6,800円+送料550円、服用方法(約5日前から/5日目から10〜14日)、承認外・救済制度対象外の明記、年齢・喫煙の制限、血栓症の症状。施設名は扱いません