自由診療の料金・リスク・根拠を、受ける前に。医院レポート5院 · 資料確認 2026-09-21
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タトゥー除去(ピコレーザー・Qスイッチレーザー)

別の言い方: タトゥー除去/刺青 除去/ピコレーザー タトゥー/タトゥー 消す 回数/タトゥー除去 跡/タトゥー除去 値段/タトゥー 切除/エンライトン/ピコシュア/ピコウェイ

レーザーは色素を壊す技術で、皮膚を元に戻す技術ではありません。「消える」と「薄くなって跡が残る」の間のどこに着地するかは、色と深さと肌質で決まり、始める前に半分は分かります。

結論 ── うたわれている効果は
黒いタトゥーは薄くなります。ただし「消える」とは限らず、色によっては残り、色素脱失や瘢痕が一定の割合で起きます

皮膚の中の色素をレーザーで砕き、体に吸収させる方法です。ピコ秒レーザーの系統的レビュー(8試験・160人)では、1〜10回の照射で69〜100%の人が70%以上の除去に達し、36研究のレビューでは、青・緑・黄はピコ秒がQスイッチより優れ、黒はどちらも有効でした。国内では2017年にピコウェイが「体表面の色素性病変の治療並びに刺青の除去」を使用目的として承認されており、添付文書は有害事象として熱傷・水疱・色素沈着・色素脱失・瘢痕形成を挙げ、「顔面の刺青に対する有効性及び安全性は確立されていない」と書いています。施術者94人の調査では水疱1.9%、肥厚性瘢痕0.2%でした。1〜5cm²で1回31,350〜38,500円、名刺サイズなら1回約7〜8万円で、3〜10回かかります。

1Reiter 2016(ピコ秒レーザーの系統的レビュー、ヒト6試験・160人): 1〜10回の照射で、70%以上の色素除去に達した割合は69〜100%。副作用は痛み、色素沈着・脱失、水疱、一過性の紅斑・浮腫・点状出血。「ピコ秒がナノ秒(Qスイッチ)より有効という根拠は乏しい」。Gurnani 2022(36研究): 青・緑・黄のタトゥーはピコ秒が優位、黒はどちらも有効。「さらなる無作為化試験が必要」。
2ピコウェイ添付文書(PMDA、承認番号23000BZX00270000): 使用目的は「体表面の深在性及び浅在性色素性病変の治療並びに刺青の除去」。有害事象は熱傷、水疱形成、痂皮形成、色素沈着、色素脱失、瘢痕形成、紫斑、紅斑、浮腫、掻痒感。「顔面の刺青に対する有効性及び安全性は確立されていない」「刺青によっては色調変化又は変色をきたす可能性」「過度の点状出血が見られる場合は瘢痕形成をきたす恐れ」。波長は532nm(赤・黄・橙)、1064nm(黒・茶・緑・青・紫)、730nm(緑・青)。
3Poelhekken 2026(施術者94人の調査): 浮腫3.0%、水疱1.9%、血腫0.7%、色素異常約0.6%、肥厚性瘢痕0.2%、逆説的黒化0.2%、ケロイド・アレルギー・感染各0.1%。色の濃い肌質、カラーのタトゥーで合併症が増える。Kuperman-Beade 2001: アレキサンドライトレーザーで色素脱失が最大50%、質感の変化12%。
4エンライトン、ピコシュアなど他のピコ秒レーザーは国内未承認で、施設が「医師の個人輸入」と明記しています(クリニックの記載で確認)。
エビデンスの水準
★★
承認機器あり(ピコウェイ:刺青除去が使用目的)・系統的レビューあり(無作為化試験は少数)・色による差が確立
承認の状況
承認機器あり(自由診療)/未承認機器も広く使用
価格の幅
1〜5cm² 1回 31,350〜38,500円(モニター15,000〜18,800円)、名刺サイズ(約55cm²)1回 75,900円、面積が大きいほど単価は下がる(3施設+比較記事)
1回の表示価格(税込・面積区分または長さ単価)

① 国内で承認されている使い方

タトゥー除去のレーザーは、国内承認機器(ピコウェイ=シネロン・キャンデラ、2017年承認、使用目的に刺青の除去を含む)と、未承認機器(エンライトン、ピコシュア、ディスカバリーピコなど、医師の個人輸入)が混在します。承認機器でも自由診療です。レーザー以外に、切除縫合、皮膚剥削、植皮があり、いずれも自由診療です。

対象
国内での承認
ピコセカンドKTP/Nd:YAGレーザー PicoWay(シネロン・キャンデラ)
承認(23000BZX00270000)。使用目的: 色素性病変の治療並びに刺青の除去。532/730/1064nm
エンライトン(キュテラ)、ピコシュア(サイノシュア)、ディスカバリーピコ等
国内未承認。医師の個人輸入(施設の記載で確認)
Qスイッチレーザー(ルビー・アレキサンドライト・Nd:YAG)
色素性病変で承認機器あり。刺青の使用目的は製品ごとに確認
切除縫合・皮膚剥削・植皮
外科手術。小さいものは1回で除去できるが線状の瘢痕が残る
—顔のタトゥー(アートメイクを含む)は、承認機器の添付文書でも「有効性及び安全性は確立されていない」です。
—白・肌色・化粧品系の色素は照射で黒く変色(逆説的黒化)することがあります。テスト照射を。
—日焼けした肌、ケロイド体質、フィラー注入部位、ペースメーカー・金属インプラント周囲は慎重適用です。妊婦・小児の安全性は確立されていません。

② 臨床試験で確かめられていること

黒(炭素系)は最も反応し、3〜5回で大幅に薄くなる人が多い。プロの濃い彫りや多色は7〜10回以上が目安で、それでも「完全に消える」保証はありません。

青・緑・黄はピコ秒レーザーが有利、赤・橙は532nmが必要で、機器の波長構成で対応できる色が決まります。

薄くなった後に「白く抜ける」「うっすら影が残る」「質感が変わる」のは、色素が減っても皮膚が元に戻らないためです。

ピコ秒とQスイッチの差は、色によっては大きく、黒では小さい。「ピコだから少ない回数で消える」は色を限定した話です。

承認機器の添付文書ピコセカンドKTP/Nd:YAGレーザー PicoWay 添付文書 第4版(2022年2月14日、医療機器承認番号23000BZX00270000、PMDA公開)
誰に
体表面の色素性病変・刺青のある人
何を
ピコ秒レーザー(532/730/1064nm)による照射
何と比べて
—
どうなった
使用目的「体表面の深在性及び浅在性色素性病変の治療並びに刺青の除去」。有害事象: 熱傷、水疱形成、痂皮形成、色素沈着、色素脱失、瘢痕形成、紫斑、紅斑、浮腫、掻痒感。「顔面の刺青に対する有効性及び安全性は確立されていない」「刺青によっては色調変化又は変色」。禁忌: 皮膚悪性腫瘍部位、光線過敏、活動性ヘルペス、開放創・感染皮膚
ピコ秒レーザーの効果(系統的レビュー)Reiter O, et al. Picosecond lasers for tattoo removal: a systematic review. Lasers Med Sci. 2016;31(7):1397-1405
誰に
タトゥーのある160人(ヒト6試験)+動物2試験
何を
ピコ秒レーザー(755/758/795/1064/1064+532nm)、1〜10回
何と比べて
研究ごと(Qスイッチとの比較は少数)
どうなった
70%以上の色素除去に達した割合69〜100%。副作用は痛み、色素沈着・脱失、水疱、一過性の紅斑・浮腫・点状出血。「ピコ秒がナノ秒より有効という根拠は乏しく、副作用は軽微」
ピコ秒 vs Qスイッチ(系統的レビュー)Gurnani P, et al. Comparing the efficacy and safety of laser treatments in tattoo removal: A systematic review. J Am Acad Dermatol. 2022;87(1):103-109
誰に
36研究(無作為化7、非無作為化対照2、症例集積27)
何を
ピコ秒レーザー
何と比べて
QスイッチNd:YAGレーザー
どうなった
青・緑・黄はピコ秒が優位、黒はどちらも有効。Qスイッチは青・緑・黄に効きにくい。「さらなる無作為化比較試験が必要」
合併症の頻度(施術者調査)Poelhekken M, et al. Dermatology. 2026;242(4):449-456
誰に
レーザータトゥー除去を行う施術者94人(主にQスイッチ)の報告
何を
レーザータトゥー除去
何と比べて
—
どうなった
浮腫3.0%、水疱1.9%、血腫0.7%、色素沈着・脱失約0.6%、肥厚性瘢痕0.2%、逆説的黒化0.2%、ケロイド・アレルギー・インクの飛散・感染各0.1%。色の濃い肌質(Fitzpatrick III以上)、カラーのタトゥーで合併症が増加。PubMed抄録で確認

この数値はレビュー論文を通じて確認したものです。原著論文そのものの確認は済んでいません。

機種別の副作用(古典的レビュー)Kuperman-Beade M, Levine VJ, Ashinoff R. Laser removal of tattoos. Am J Clin Dermatol. 2001;2(1):21-25
誰に
Qスイッチレーザーで治療した患者(文献レビュー)
何を
ルビー(694nm)、アレキサンドライト(755nm)、Nd:YAG(532/1064nm)
何と比べて
機種どうし
どうなった
アレキサンドライトで色素脱失が最大50%、質感の変化12%。ルビーで質感変化・瘢痕・色素異常。Nd:YAGは色素脱失が少ない。「1つの機種ですべてのインクを除去することはできない」。PubMed抄録で確認

この数値はレビュー論文を通じて確認したものです。原著論文そのものの確認は済んでいません。

※ 別々の試験の数値を並べています。試験ごとに対象者・期間・条件が異なるため、本来、数値同士を直接比べることはできません。それを承知のうえで、目安として並べています。

③ まだ答えの出ていないこと

④ 副作用 ── 起こりやすい人・起こる時期・備え

添付文書と臨床試験の報告に基づきます。頻度や重さはあなたの条件で変わります。ここに無い症状が出たときも、処方元に連絡してください。

照射中〜直後数日〜2週間数週間〜数か月半年〜痛み・赤み・腫れ・点状出血逆説的黒化(白・肌色・赤が黒くなる)アレルギー・全身反応水疱・かさぶた・やけど色素沈着(茶色く残る)瘢痕・質感の変化・ケロイド色素脱失(白く抜ける)よくある重大(まれでも見逃さない)
図|副作用の起こる時期のめやす。下の各項目の「起こる時期」の記述を、当サイトが図にした定性的な整理です。幅には個人差があり、この図の外で起こることもあります。頻度の大小を示すものではありません。1回ごとにこの経過を3〜10回繰り返します。回数を重ねるほど色素脱失と質感変化の帯が濃くなります。出典: 添付文書・臨床報告(詳細は下の各項目と出典欄)/加工: あり(時期の記述の図示)
痛み・赤み・腫れ・点状出血よくある
起こりやすい人
誰にでも。
起こる時期
照射中〜数日。
備え
麻酔クリームで軽減。冷却と保湿。
水疱・かさぶた・やけどよくある
起こりやすい人
高い出力、日焼けした肌、色の濃い肌質。水疱1.9%。
起こる時期
直後〜1〜2週間。
備え
かさぶたを剥がすと瘢痕・色素沈着の原因。水疱は写真を撮って連絡。
色素沈着(茶色く残る)よくある
起こりやすい人
日本人を含む色の濃い肌質、照射後の日焼け。
起こる時期
数週間〜数か月。
備え
遮光が最大の予防。多くは時間とともに薄くなります。
色素脱失(白く抜ける)重大
起こりやすい人
色の濃い肌質、アレキサンドライト(最大50%)、回数の多い照射。
起こる時期
数か月〜。
備え
戻りにくい変化です。タトゥーの形に白く残ることがあります。
瘢痕・質感の変化・ケロイド重大
起こりやすい人
ケロイド体質、過度の点状出血が出る出力、水疱を剥がした人。
起こる時期
数週間〜数か月。
備え
肥厚性瘢痕0.2%、ケロイド0.1%(調査)。添付文書は点状出血が過度なら出力を下げるよう指示。
逆説的黒化(白・肌色・赤が黒くなる)重大
起こりやすい人
白・肌色・化粧品系インク、アートメイク。
起こる時期
照射直後。
備え
0.2%。テスト照射で確認。黒化したものは追加照射で対応できることもあります。
アレルギー・全身反応重大
起こりやすい人
赤インク(アゾ顔料)などにアレルギーのある人。
起こる時期
照射後数時間〜数日。
備え
砕かれたインクが全身に回り、じんましんやまれにアナフィラキシーの報告。

⑤ やめるとき

いつまで続けるのか

1〜3か月ごとに3〜10回以上。「これ以上薄くならない」回数に達したら終了で、その時点で残るものが最終結果です。

途中でやめられるか

いつでもやめられます。途中でやめると、まだらに薄くなった状態で止まります。回数コースは特定商取引法(1か月超・5万円超、美容目的)の対象になりえます。

やめたらどうなるか

薄くなった色素は戻りません。色素脱失・瘢痕も戻りません。残った影を消す方法は切除などの手術になります。

お金はどうなるか

都度払いか、解約可能なコースか。回数の上限が読めない施術なので、総額の上限を先に決めてから始めてください。

⑥ 価格

A施設はエンライトンIIIで面積別に1〜5cm² 31,350円、11〜25cm² 57,750円、51〜100cm² 75,900円、351〜400cm² 151,800円、月1回、薄い黒は3〜5回・濃い多色は7〜10回以上。B施設は基本33,000円/回、1mm当たり1,100円、1〜3か月おき、彫り師のものは3〜5回以上。C施設は墨1mm当たり1,100円・カラー1,650円、リング状22,000〜33,000円、処置代・薬代5,500円別、2〜3か月に1回、症例で2〜15回。比較記事では1〜5cm² 38,500円(5回セット26,950円/回)、モニター18,800円、1〜25cm² 33,000円の例。3施設の確認で、相場ではありません。

承認機器・未承認機器を問わず公定価格はなく、面積区分と回数で総額が決まります。名刺サイズを5〜10回なら38万〜76万円が目安で、「1回◯円」の広告は最小面積の価格です。回数の上限が読めないので、都度払いか、解約できるコースかを先に確認してください。観測日2026-09-05、施設名は扱いません。

⑦ 診察で聞くこと

そのまま読み上げられる形にしています。答えをはぐらかされた質問は、それ自体が判断の材料になります。

  1. 使う機器の製品名は何で、国内承認機器ですか(承認番号は)。波長は私のタトゥーの色に対応していますか。
  2. 私のタトゥー(色・深さ・面積・年数)で、何回でどこまで薄くなる見込みですか。「完全に消える」と言えますか、言えませんか。
  3. テスト照射をしてもらえますか(逆説的黒化・肌質の反応の確認)。
  4. 色素脱失・瘢痕が起きたときの対応と費用は。私はケロイド体質・日焼け・フィラー・金属インプラントの有無を伝えました。
  5. 1回の価格に含まれる面積と、処置代・薬代・麻酔代。回数コースの解約条件は。

関連する読みもの

出典

最終確認日 2026-09-05/内容をあらためたときは訂正の記録に残します。

  1. ピコセカンドKTP/Nd:YAGレーザー PicoWay 添付文書 第4版(2022年2月14日、承認番号23000BZX00270000、PMDA医療機器情報)使用目的(色素性病変の治療並びに刺青の除去)、警告・禁忌、使用上の注意(顔面の刺青は有効性・安全性未確立、色調変化、点状出血と瘢痕、ケロイド、フィラー、金属)、有害事象、波長と対象色、妊婦・小児の安全性未確立。PDF原文を確認
  2. Reiter O, et al. Lasers Med Sci. 2016;31(7):1397-1405ピコ秒レーザー8試験・160人。1〜10回で69〜100%が70%以上除去。PubMed抄録で確認
  3. Gurnani P, et al. J Am Acad Dermatol. 2022;87(1):103-10936研究。青・緑・黄はピコ秒優位、黒は同等。PubMed抄録で確認
  4. Poelhekken M, et al. Dermatology. 2026;242(4):449-456/Kuperman-Beade M, et al. Am J Clin Dermatol. 2001;2(1):21-25施術者調査の合併症率、機種別の色素脱失(最大50%)・質感変化(12%)。PubMed抄録で確認したため二次資料扱い
  5. Wu DC, et al. Lasers Surg Med. 2021;53(1):9-49ピコ秒レーザーの適応全般の系統的レビュー(77研究)。PubMed抄録で確認したため二次資料扱い
  6. 複数のクリニック公開ページ(2026-09-05確認、3施設)と比較記事面積別31,350〜151,800円、33,000円/回・1mm当たり1,100円、1mm当たり1,100〜1,650円+処置代5,500円、回数と間隔、エンライトンの使用。「未承認機器・個人輸入」の記載は検索結果のクリニック文言で二次確認。施設名は扱いません